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採用がうまくいく!?いかない!?その差は、採用担当が持っていてほしい7つのスキル

厳選採用とスピード採用は諸刃の剣

昔とは違いグローバル化の流れが進み、スピードも格段と変わっているのが今だろう。
それと、就職転職は応募者が最後の鍵を握っている。

しかし企業の人事としては即戦力になる人材、優秀な人材を採用したいという気持ちがあり、厳選採用という言葉を使って、自分の軸をつくっている。

応募者の心理としては面接での印象と内定条件を鑑みて、最終決定をすることができる。
判断基準についても人それぞれの考えがそこにはある。

例えば、誰と一緒に仕事をするのか。
どういう仕事をするのか。
どんなキャリアを積めるのかなど、十人十色である。

これから採用担当者に求められるスキルというのは、多岐にわたり、未経験者では出来ないことである。
そんなに育成する余裕がある企業は採用をあまり重視していないだろう。

これから求められる採用担当のスキルは、大きく分けて7つのスキルである。

私がヒューマンリソースの仕事をしていて常に必要なスキルであると感じており、実は多くの企業の人事、エージェントがやっていない基本事項の7つである。

当事者意識を持っていればできることだが、枠からはみ出ることを嫌っているからだろう。

1つ目がセルフスターターであること

これからの人事、エージェントは攻めることをやらなければいけない。
従来の手法から全く違うことをやって差別化をすることである。
そのためには自ら考えて、率先して動かないといけない。

正解はないのだから課題に対する本質を見抜いて、絞り込むことがポイント。
何でもかんでも手を付けてしまうと、課題の解決には程遠い結果になってしまう。
選択と集中ができるからこそ、課題に対していろいろなアプローチが出来る。

会社組織に対して、自分からの提案をすることをしない人が多い。
仕事と生業が区別できていないからそうなるのかもしれないし、
企業文化がそうさせてしまっているのかもしれない。

昔、アメリカで仕事をしていた時代にボスにいわれたことがあった。
「会議に参加をしているのだから、お前の意見を言え!会議を聞いているだけでは、参加をしている意味がないんだ!」という一言。

当時の自分は意見を言える立場ではなく、あくまでもアシスタントとして、
裏方に徹しようとしていた気持ちが強かった。
ボスからの一言で大きく考え方がかわり、行動も変化をしていった。

会議に参加をするたびに、間違いかもしれないけど…、素人なりの考えだけど…と思いながら、自分の知識と経験からいろいろな提案をするようになった。

日本に帰国してから就職をしてからもそのスタンスは変わらない。
思いつきでいうことはしないが、ある程度のロジックをもって、企業への提案や経営者層へ提案書を書き、12分でプレゼンをした。

12分のプレゼントは、長くなく短くなく、集中して聞ける時間である。
資料は最低限度つくるようにして、1枚完結型でタイトルだけを書く。
データが必要であれば差し込み、基本的には喋りに集中をさせるようにした。

上からいろいろ言われて採用手法を考える時代は終わっている。
個人で発信をすることができるのであれば、個人で勝負をする。
企業名と個人名である場合、企業名がなくなった途端に魅力がなくなってしまう。

今やっているルーチンワークでも疑問をもってやることが必要である。
常に疑問を持ちながら仕事をすることによって、課題の本質を見抜くことができるようになる。
そうすることでその課題に対してブレない軸を見つけ出すことができるだろう。

2つ目が商品開発能力があること

2010年以降になりますが、facebook、Twitter、LinkedInなどの
ソーシャルネットワークの出現によって、採用方法が変わった。
それまでは広告媒体に出稿したり、エージェント頼みだった以外の方法である。

新卒採用についてはソーシャルリクルーティングをやっている企業が多いが、コンテンツとしては共感性や等身大に乏しい内容が多い。
学生が知りたい情報ではなく、人事が情報操作をしたプロパガンダであるから。

動画を積極的に採用をしている企業も増えてきているが、脚本あり、演出ありであるから、見ているとちょっと違和感を感じる。
何を訴えたいのかというのが、見えないものが多いというのが特徴である。

インターンシップについても同じことがいえるだろう。
人事部がつくったシナリオで、企業が求める人材を理解してもらうカリキュラムか、いきなり現場に投下をして仕事の苦しさや楽しさを教えるかである。

商品企画力、商品開発力がなく、慣例にしたがっているか、他社を追随してつくったものであり、採用を手助けするものでもなく、現場でも即戦力になる事はあまりないだろう。

とある会社の人事はおもしろい会社説明会をやっていたことがある。
その会社は企業が求めない人物とはということで10箇条あげていた。
その後、バラエティー番組のように、学生から社員へスジナシの質問会をやっていた。

いわばガチンコで勝負をすることを選んだ企業であるといえよう。
本音が聞きたい、腹をわって話したいという学生の気持ちに答えた形である。
そして、最後には会社内をツアー形式でまわり、そこでも質問が可能だった。

作られたものではないし、学生の気持ちにも訴えるかたちになる。
そうして企業の現状を理解してくれる学生がこぞって応募をしてくる。
選考についても温度が高い学生が多く、面接官とのディベート評判をよんでいる。

優秀な人材、即戦力になる人材、幹部候補生を探すという抽象的な言葉ではなく、本気になってそういう学生や人材を採用するにはどういうことをしたらいいのか、コンテンツ力が求められるスキルであり、これは重要なんです。

3つ目がマーケティング力があること

マーケティング力は、人材マーケットの動き、最近の採用手法、学生が求めているもの、採用のトレンド、ベンチマーク企業の採用状況など、自分の仕事に関連をしている分野でのマーケティング力を意味しています。

例えば、ソーシャルリクルーティングをする際に、どんな内容にすることで学生からの共感を得ることができるのか。
学生にもわかりやすい内容になっているのかなど、細かくチェックをしてください。

意外に業界用語を平気に使っていたりすることも多くあります。
目安としては、池上彰さんのように、だれでもわかりやすく伝えること。
小泉元首相のように歯切れのいい言葉を使うことがポイントです。

また、ダイレクトリクルーティングをする際には、どのようなメールを打って見たらいいのかなど、動いてみないと統計が取れないこともあります。

その人が本当に転職をしたいのか、転職をしたくないのか、どんなところに不満をもっているのか、転職するメリットは何なのかなど、いろいろな推測を基にいろいろな文章を書かなければなりません。

しかし、忙しくて出来ないということを理由に、テンプレートでスカウトメールなどを送ってこられる人がいます。
もっと相手の立場に立って考えればわかることですが、言霊がないからそう簡単に動きません。

ソーシャルリクルーティングやダイレクトリクルーティングは手間がかかって良い人材が採用できないという人事も多くいます。
結論からいうと間違っていますけど。

どうして間違っているかというと、経営層と話し合いをしておらず、現場のニーズで判断をしているため、間違った判断をしています。
経営層と話し合いをしていれば、先に必要になる人材像が見えるからです。

手間もかかり、時間もかかることはあたりまえだと思います。
ましてや転職の意思がない人を動かすことをしなければいけないので、短期的に結果がでないということを理解していない人が多い。

また、ソーシャルリクルーティングやダイレクトリクルーティングは長期戦になるため、応募者とも何度も会って話をしたりする手間があります。
電話やメールだけでは、人の心は動かせられませんから。

その候補者に対してどれだけの情報を集められるかがポイントになります。
これはクロージング時にも活用できるものです。
小さなYESをとりながら、問題点を洗い出して解決できる様にします。

4つ目が宣伝広報活動能力があるということ

これは人事としての宣伝広報活動能力という意味合いで、広報・PRとは違うものになりますので、勘違いをしないでください。
人事は企業の看板として表舞台に出ることが多くなりますから。

大学のキャリアセンターを通じて、学内でのセミナーを開催したり、専門学校の就職部と連携をして、学校全体でのセミナーを開催したり、いろいろな手法が学生との接触を試みていくのが人事です。

商品開発力とマーケティング力で出てきたものを、さらに広げていく作業になるわけですが、どちらかというとこちらに力を入れていく企業が多くあります。

そのため、ソーシャルリクルーティングやダイレクトリクルーティングが
プロパガンダのように見えてしまうのはそのためかもしれません。
こういうノウハウを持っている企業が多く、人事にも共有化されているからでしょう。

求人広告をよく見ていると、ライティングがうまい会社が多い。
未経験者歓迎というフラグを立てれば、母集団の形成ができる。
これは採用担当者が応募単価などの費用対効果で責められるのを防ぐのが目的。

未経験者歓迎のフラグは20代なら応募をしてもいいだろう。
30代になると未経験者歓迎のフラグがないものへの応募がいいだろう。
企業は育成ではなく、即戦力を求めてくるからである。

最近では動画を使っている媒体とありますね。
写真や動画をうまく使うことによって企業のイメージを伝えるということになる。
文字では伝えきれない部分をそれが補っているのが特徴的です。

5つ目がプロデューサー、デレクター能力がある

これまでのお話でもお解りになっていると思いますが、採用担当者の守備範囲というのは年々広がっています。
そのため、採用のプロがいる企業はほとんどありません。

それぞれの部隊が細分化をされているのと、採用担当者がそこまでの能力が必要であることに、企業の経営者層が気づいていないことがあげられる。

採用担当者が見ている景色、マネージャーが見ている景色、経営層が見ている景色は全く違うことに気づいていない。

経営者が見ている景色というのは、2〜3年先を見越して、いろいろな経営戦略と同時に、人員計画を立てていることが多い。
採用費用についても新卒、中途で別途とっている会社はほとんどない。

しかしその採用費用の予算の中で本気に知恵を絞って、採用活動のコミット数をクリアするのがプロの採用担当である。
予算をもらえば、いろいろな媒体に出したり、SEO対策などができる。

限られて予算内で最高のパフォーマンスをすることが求められる。
それは経営者意識、当事者意識がないとできないことである。
採用担当は既成概念をもたず、新しいことにチャレンジしないといけない。

また、外部の業者を巻き込んで仕事をする場合には、デレクション力、プロデューサー力が必要になる。
そのため、信頼されるぐらいの知識と経験を持っていないといけない。

広告会社やエージェントがいっていることを鵜呑みにしているのであれば、
ただの御用聞きであり、自らの意思では仕事をしていないだろう。
経営者層のいうことをオウム返しのように業者にいっている人事もいる。

こういう人事が存在している限り、採用基準が曖昧で抽象的な言葉が並んでいく。
そうすると、雇用のミスマッチがそこには存在をすることになる。
淡い期待をしたり、高い理想を掲げることで、ギャップに驚くことになるだろう。

6つ目がタレントマネージメント能力がある

これは以前にも数回に分けて書いている内容ですが、日本企業ではタレントマネージメントをしている企業はほとんどない。
再教育、再配置、外部からの招聘をおこなうことが必要になる時代。

再配置については、早期退職制度やリストラということが先行してしまいますが、社内での異動ができるシステムを構築することが必要だと思う。
フリーエージェント制とか公募制とか、キャリアチェンジで新しい才能を見つけることもできる。

また、20代のうちからいろいろな部署を経験させることによって、知識だけではなく、経験を積むことができるので、自信にもつながっていく事になるだろう。

ルーチンワークでの人事異動だけでは、自分からキャリアを積むことができない。
実力があるという若手人材については管理職を経験させたり、海外での経験をさせることによって、将来の幹部候補にもなるだろう。

再教育については、賛否両論がある。
会社の研修は受け身になりやすく、身につかないことが多いからである。
研修後の効果があまりわからないというのはそこだと思う。

学習の目的について、説明をして理解をしてもらっているだろうか。
何もいわず人事が決めたことだからということで研修を受講する人も多い。
そのため、研修のテンションもローテンションで入ることが多い。

あたたまるまで時間がかかることもあり、研修のスピードも巻いてやるため、伝えたいことを矢継ぎ早に言う。
そうすると反応が悪くなるのはよくないだろう。

きちんと再教育の理由を人事から受講者にはなしをしたうえで、何のための研修なのか、どういうことを期待しているのかなど、きちんとしたコミュニケーションをとることで問題は解決するだろう。

外部からの招聘については、ハレーションを起こす可能性が大きい。
まずは内部昇進を考えてほしい。
社内のことをよく理解していて、くすぶっている人材は多くいる。

そういう人たちを昇進させることによってガス抜きができる。
組織崩壊はしなくてすむだろう。
外部からの招聘については細心の注意が必要だろう。

7つ目がコミュニケーション力があり、積極的に接触をする

これが一番重要なスキルであり、本気度が一番わかるものである。
メールがいけないということはないが、ちゃんと話し合いの場を持つことが重要。
どうしても、文字で伝えるということは、間違った解釈をしてしまうこともある。

メールの場合は読み手がどう感じたということがポイントになるからである。
主導権は読み手がもっており、書き手が言いたいことが伝わることがすくない。
これがミスコミュニケーションの第一歩である。

コミュニケーションを取る方法はメールだけではない。
電話もあれば、顔を合わせて話をすることもあるだろう。
忙しいとか、電話は失礼であるとか考えているなら、採用担当者失格である。

基本的には会話によるコミュニケーションとメールでのコミュニケーションの両軸でやること。
また、対面で話ができないのであれば、電話でのコミュニケーションを取るようにしよう。
特に内定後のフォローであったり、条件通知の場面では重要になってくる。

応募者にグリップを握られてしまったら、採用担当者は何もできないから。
そうならないためにも、情報収集を兼ねて、会話によるコミュニケーションをとってもらいたい。
最近ではリクルーターの復活などもnewsになっているのは、原点回帰の傾向だからである。

気にしてくれている人がいる、お世話をしてくれた人に対して恩を仇で返すことが出来ないようにするのと、どんな状況においても縦のライン、横のライン、斜めのラインが存在している。
人間関係が希薄になっている現在だからこそ、重要なのが接触回数である。

クロージングの際にいろいろ使える情報であったり、他社を潰して、当社へ来てもらうためのトークテクニックなどは、場数を踏まないと身につかないスキルです。

採用活動が多い会社であれば、すぐに習得できるスキルかもしれませんが、
人の心を動かすというのは相当な労力が必要になります。
心理学などのテクニックを使う人もいますが、ガチンコで腹をわって話せる関係性をつくることが必要です。

採用担当者はいろいろな仕事をしているからそこまで出来ないという企業が多くありますが、私からすると言い訳としか聞こえないのも事実です。
できない、やれない、無理ですというのであれば、採用活動をしないほうがいいでしょう。

出来ない理由を探すより出来る理由を探し、やれない方法を考えるよりやれる方法を考え、無理という理由を考えうのであれば、違う角度からのアプローチを考えましょう。

本気で採用活動をして、即戦力の人材や幹部候補を採用したいと思っているのであれば、そういう採用担当者を外部から招聘をするか、経営層が率先垂範で見せることからはじめましょう。
いつまでも採用担当者に指示を出してやっている時代は終わりました。

採用担当者に権限を与え、発言権を与えることも忘れないで下さい。
本気で考えさせて、知恵を絞れない採用担当者であれば、自分の右腕、左腕として徹底的に使って、教えこむしかありません。

人手不足といわれている時代に入って、母集団の形成ができないという前に、自社の強み、業界内での差別化などをすることによって、新しい角度からのアプローチが出来るのではないでしょうか。

それと同時に現場へ人事が向かって、取材することも忘れないで下さい。
案件定義、要件定義が曖昧なことが多いと採用に時間がかかります。
どんな仕事をしていてどんなスキルを持っている人がいるのかなど、把握する必要があります。

この7つのスキルは採用担当者にとって非常に重要なスキルであると思います。
人を巻き込み、人に巻き込まれる力も必要ですし、何よりプロ根性と人間力が問われる職業であると感じています。

腹を括って覚悟をする勇気があり、経営者と同じ視線で物事を考えることができること。
また、ブレない自分の考えや意見を持っていることが重要なんです。

意外とこういう部分が抜けていることが多くあります。
簡単な事なのですが、一番抜けている部分でもあります。
プロエージェントが少なくなった理由も頷けます。

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