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先生いわく男児ほどピアノをやらせなさい

子どもの教育ネタは、ログの王道。鉄板だ。

日本の社会人の平均勉強時間は、6分というデータ(2016年の総務省の統計】をご存知のだろうか。

あちこちで書かれているぐらいだから、わざわざ教育ネタを読む人、文字を好むなんて、1歩、2歩先を進んでいる向学心にあふれていると思う。

少し前に、子どものピアノのお稽古について書いた。

7月から、新しいピアノ教室に子どもの内の1人を放り込んだと書いた後日談を書こう。

わたしには子どもが3人いるのだけど、その内の2番目の子(以下、中子)が5歳になったので、ピアノレッスンを始めさせることにした。

中子には小学生のきょうだいである長子がいて、長子も5歳からピアノレッスンを始めた。

3歳からお稽古をスタートさせるお家もあるけれど、我が家の場合、あまりにぐるぐる動き回る多動気味なきょうだい。

ゆえに、敢えて5歳にスタート年齢を設定した。

人のなんらかの発達のセオリーの、背景には、性差(性別による差)や個体差(個人差)が関与する。

つまるところ、体の働きのしくみ、もっと言えば脳の働きの発達の具合が違うのだ。

例えば、注意欠損多動性障害(ADHD)は、診断カテゴリーでは発達障害のくくり。

診断には、何才までに発症して、こんな行動が見られるとか、細かな診断基準がある。

そのADHDにも、性差があって、2対1の割合で男児の方が女児より発症率が高い。総じて、発達障害の発症率は、女児よりも男児の方が高いものが多い。

だから、男児がよくぐるぐる動き回るような行動特性は、脳働きの違いとも考えられる。

もちろん、我が家の子どももご多聞に漏れず、男児だ。

あぁ、この子がぐるぐるしないで落ち着くのは、小学生の高学年かよ!泣ける!

と、見えない敵と何時も戦って無駄にエネルギーを消費する姿を見て、母はそっと涙を拭いて諦めている。

さらに、追い討ちをかける事実として、発達において、男性と女性の性差は、能力の分野では結構なところで、違う。例えば、言語能力、平たく言えば国語力は、女性の方が速く発達し、追いつくのは高校生くらいというデータがある。女性は早い子は小学生高学年で完成すると言うのに!

だけど、これらの力は単に発達の速度が違うだけで、速く完成するか、遅く完成するか、早稲か晩稲か、あるいは早熟か未熟かという、脳の機能の成熟速度の違いに過ぎない。

伸びないわけではない

むしろ、女児の場合は小学生の頃に一旦の発達の完成をしてしまうので、その後の伸びしろは狭く、男児は後伸びをすごくし易いとも言える。

だから、小学生時代はパッとしない男児でも、高校生になってグーンと背が伸びたり、学業成績もグーンと伸びる例が後を絶たない。逆に、女性の場合、一旦の完成をした後の急成長はほとんとなく安定するとも言われる。

これらは、学術データでも性差は立証されているものもあるし、教育に携わる人なら、何らかの実感を得ているだろうと思う。

同じことを新しく通い始めたピアノ教室の先生もおっしゃっている。

こちらの先生は先生歴60年で、子どもらの祖母よりもずっと高齢だ。先生の同級生で今も先生を続けている方は1人もいないそうだ。

その先生いわく、

男の子はピアノレッスンに来て3ヶ月で、伸びるかどうかがわかります。ですので、わたくしのピアノ教室に来たからには、3ヶ月はお母様も頑張ってください。そうしないと、他の先生と同じになってしまいます。クセをつけられれば、その後、とても伸びます。男の子はピアノが出来ると、例外なく学校の成績も伸びます。ピアノだけ伸びて学業不信な子どもさんはいません。下のお子さん(未子)はまだレッスンを始めなくて大丈夫です。上のきょうだいたちを見ていますから、始めたらすぐ伸びます。速いですよ。まずは、上のお二人をぐっと引き上げます。ですので、お母さんも頑張ってください。

と、おっしゃって、最初の1ヶ月は、週1ペースのレッスンが週2回になっていて、わたしも必死にお稽古の付き添いをしている。

でも、そうまでしているのは、先生の実感と理論が教育心理学の見地からもとても的を射えているからだ。

ピアノは情操教育と思われ感性を育てるかと思われるが、それだけではない。クラッシック音楽を志向し嗜む人は、そうでない音楽を嗜む人より知的能力が高い傾向のデータがある。何故なら、クラッシックは譜面を理解することが基礎となり、その前提をもとに譜面通りの旋律を奏でるにはテクニックの練習もさることながら理解力が必要だからだと言う。

そうなのだ。
クラッシック音楽は、目に見えないものを音符という記号で可視化し、誰でも再現できるために作られた、数学だ。

その数字をどう理解し、表現するかはその先の感性の世界だ。何事にも基礎があっての応用という、発達の機序があり、順番抜かしは有り得ないのだ。

と言うわけで、このピアノ教室には、1ヶ月遅れて、中子のきょうだいも通い始めた。それまでのレッスンのクセがあるので、それを治すのに1ヶ月かかるそうで、2人を連れて、今日もわたしは週2回もレッスンの往復だ。

レッスンに子どもらを連れて行くだけでは、前のノロノロとした低成長なピアノ教室の二の舞だ。

だもので、1日10分でいいので、毎日ピアノに触れてくださいと言う先生のいいつけを守らせるためにこの1ヶ月は鬼母になっている。

実家に帰省しても,ピアノの練習は毎日している。わたしが使っていたオンボロ電子ピアノはついに壊れたので捨ててしまい、今はピアノがなかったので、キーボードを楽器店に寄って買ってきたくらいだ。電子ピアノを買っても良かったが、終活をしている親には迷惑なので、やめておいた。

クルクル畳めるピアノもあるけど、キーボードの方が電子ピアノに近いし、期間限定なのでタッチがどうかとかはこの際どうでもいい。

どうなるか、ではなく、どうするか。三つ子の魂100まで、というくらい、初期設定は大事なので、期間限定ならば、頑張るのである。

その後、ピアノレッスンは末子もスタートしました。土曜日の午後は、さらに、てんやわんやです。

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