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ワインとアートを好きになっていく中で感じた「共通点」|甲斐嵩規さん ワインソムリエ / OLAii wine & meal 甲斐 オーナー #アートをしゃべろう

ワインソムリエ / OLAiiwine&meal甲斐のオーナー・甲斐嵩規さんと「アート」についておしゃべり。Casieでレンタルしていただいているアートを含め、たくさんの原画が飾られている甲斐さんのお店。ワインとアートを好きになっていく過程には、どこか近い部分があるようです。

甲斐嵩規(かいたかのり)
広島県出身。京都造形芸術大学(現・京都芸術大学)卒業後、在学中にアルバイトしていた祇園の料理店に就職し10年勤める。その後ワインダイニング「OLAii wine & meal 甲斐」をオープン。
OLAii wine & meal 甲斐 住所:京都府京都市東山区祇園町北側282-16
OLAii wine & meal 甲斐 Tel:075-744-0490

芸術大学建築学科から飲食業界へ

━━甲斐さんは、京都造形芸術大学(現・京都芸術大学)出身なんですね。

甲斐嵩規(以下、甲斐):そうなんです。元々は、中学生の頃からずっと店舗の内装デザインを仕事にしたいと思っていて、芸術大学の建築学科へ進んだのですが、卒業のタイミングでも就職活動をしていなかった僕に、オーナーさんが「うちで働かないか?」と声をかけてくれたんです。どうやら、卒業制作で店舗デザインの発表をしているのを見て飲食業に興味があると思ったようで(笑)。そこから就職して10年ほど勤めたあと、現在のお店「OLAii wine&meal甲斐」をオープンしました。

お店の外観

━━「OLAii wine & meal甲斐」は、どんなコンセプトのお店ですか?

甲斐:和洋中のジャンルにとらわれない料理と、それらに合わせたワインを提供する“ワインダイニング”です。もちろんワイン以外のドリンクもあるので、ワイン好き以外の方にもたくさんご利用いただいています。いい感じの食事をしたい、そんな時に来ればなんとかなる、そんなお店でありたいと思っています。

ワインとアートは、好きになっていく過程が似ている?

━━ワインソムリエの資格を持つ甲斐さんですが、ワインを好きになったきっかけは?

甲斐:芸術大学在学中にアルバイトをしていた料理屋さんが、ワイン好きの方が集まるお店だったんです。もちろん最初の頃は全く知識がなかったですし、「大人の嗜み」というイメージがあったので、付き合いで飲む程度だったのですが、働いているうちに、いつの間にか自分ひとりでもワイン1本空けるくらい好きになっていました(笑)。

甲斐さんのお店で提供しているワイン

━━ワインを飲むのは好きでも知識を身につけるのは難しい…という人も多いと思います。甲斐さんはどのようにして詳しくなっていったのでしょうか?

甲斐:まず、繰り返し色々なワインを飲み続ければ「経験」として詳しくはなれると思います。ただ、「知識」をつけるには「このブドウはこういう味」「この国で作られたからこういう味」とか、頭の中でイメージしながら飲んで、インプットしていくことが必要ですね。僕の場合は、意識的にそういう飲み方をし始めた頃から、知識としても楽しめるようになっていったような気がします。

━━アートを好きになっていく過程と、少し似ているかもしれません。

甲斐:そうですね、繰り返し色々なアートを飾り続ければ「経験」として詳しくなれますが、画材のことや美術史、作品の制作背景まで知ることで「知識」としてより楽しめるようになりますもんね。高いワインや、高い絵に対して「なんでこんなに高いの?」と言う人がよくいますが、「知識」を持っていれば大体理由が分かってきますし、価値観が全然変わってくると思うんですよね。

甲斐さんのお店で提供している料理

━━ワインでいうと、どんなことが「価値」に繋がるのでしょうか?

甲斐:主に「希少性」と「生産にかける労力」が、価値に繋がってくると思います。たとえば、大きな規模で大量に収穫したブドウと、小さい規模で丁寧に管理しているいい品種のブドウでは、かかるコストや労力が大幅に違いますよね。また、ブドウが完熟するまでに要する時間によっても価値は異なりますし、場合によっては、間に入るディレクションやバイヤーなどによって、値段が上がることもあります。

仕事中の様子

━━なるほど、そう考えると何だか納得です。そこまでを見極める知識を持っていない場合には、どうワインを選ぶのがおすすめですか?

甲斐:ワインには土地それぞれの特色があるので、まず「産地」を見るのは大事だと思います。土質によってできるブドウも違うので、それによって味わいが変わるんです。なので、その土地の郷土料理とその土地で作られたワインが合うというのは、基本の考え方としてありますね。食べる料理が決まっている場合には、その料理に合わせた産地のワインを選ぶのが一番簡単な方法だと思います。あとは、普段からお店で飲んで気に入ったワインをメモしておくと、だんだん自分の好きなワインの傾向がわかってくるので、おすすめですね。

自分のお店に「原画」を飾る理由

━━以前からCasieを利用してくださっている甲斐さんですが、お店にはそれ以外にもたくさんのアート作品が飾られていますよね。これらは全てご自身で購入された作品ですか?

甲斐:そうですね。ジャンルも作家さんもバラバラなのですが、自分の気に入った原画をいくつか購入して飾っています。中でもシガリョウタさんは、Casieで作品をレンタルしたことをきっかけにファンになって、原画を購入したり、うちのお店で個展を開いてもらったりしたこともあるんです。あ、今レンタルしている作品もシガさんの作品ですね(笑)。

店内に飾っているアート作品

━━それは嬉しい限りです!甲斐さんが「原画」を購入することには、どんな理由があるのでしょうか?

甲斐:自分が好きになったアーティストさんを「応援したい」という気持ちが、いちばん大きいですね。あとは、あまりにも有名になってしまったら、原画を買うのが難しくなってしまうので、応援できるうちに原画を買っておこう!というのが、僕なりの考え方だったりします(笑)。また、購入してお店に飾ることで、さらにたくさんの人に観てもらう機会ができれば嬉しいですね。もしかしたら、そういった価値観は、Casieをはじめてから出てきたのかもしれません。最初は面白いサービスだなと思って興味本位ではじめたのですが、だんだんとCasieさんの考え方が、自分の中に浸透してきているような気がしているような気がします(笑)。


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