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NBAのCBA(Collective Bargaining Agreement…労使協…

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NBAのCBA(Collective Bargaining Agreement…労使協定)について、Twitterで書ききれない分をまとめていきます。 ※当ノートでは、NBA選手のサラリーの単位はMで統一しています。1M=100万ドル≒1億

最近の記事

ルーキースケール契約

こんにちは。 今回は、ルーキースケール契約について書いていきます。 ルーキースケール契約とは、1巡目指名選手と結ぶ契約のことです。 ドラフトから3年が経過すると普通の契約を結ぶことができるという例外はありますが、それ以外の1巡目ルーキーはこのルーキースケール契約を結ぶ必要があります。 2年+チームオプション(別記事参照)2年の契約で、金額はCBAによって順位ごとに定められています(具体的な内容はこちら)。(Qualifying Offerに関しては別記事で解説します。)

    • オプション条項

      こんにちは。 今回は契約に付与できるオプションについて書いていこうと思います。 大体どのようなものかは知っている方が多いとは思いますが... オプション条項とはオプション条項とは、一言でいえば契約を打ち切るか続けるかを選べるというものです。 複数年契約時に、交渉によってチームと選手の合意のもと付与することができます。 例えば3年契約で、契約4年目にオプションが付いている場合、オプションが行使されれば4年目のシーズンも契約が続行されますが、破棄されれば4年目はなくなり契

      • 例外条項③その他

        こんにちは。 今回も引き続き例外条項について書いていきます。 10種類のうちバード例外条項とMLE(+BAE)で7種類を占めるので、残りは3種類ですね。 ルーキー例外条項1巡目指名選手と結ぶルーキースケール契約(この次の記事で書きます)はサラリーキャップを超えてもよいというルールです。 2巡目・ドラフト外の選手は専用の例外条項がないため、キャップスペースを用いるか、MLEか、後述のミニマム例外条項か、2way契約(今度書きます)で契約することになります。 ミニマム例外

        • 例外条項②ミッドレベル例外条項とエプロン

          こんにちは。 前回に引き続き、例外条項について書いていきます。 今回はミッドレベル例外条項(Mid-Level Exception、以下MLE)についてです。 前回書いたバード例外条項は再契約専用の例外条項でしたが、MLEは他チームのFAとの契約にも使用できる例外条項で、こちらも3種類あります。 バード例外条項と異なり、初年度の金額が具体的に数字で決められています。 ミッドレベルの名の通り、大体リーグ平均サラリーぐらいの金額が限度となっています。 強すぎるバード例外条

        ルーキースケール契約

          例外条項①バード例外条項

          こんにちは。 今回からNBAファンにもお馴染み、例外条項について何回かに分けて書いていこうと思います。 例外条項とは、サラリーキャップを超えても選手を獲得できるというもので、ソフトキャップならではの仕組みですね(サラリーキャップ等の仕組みについては過去記事参照)。 NBAの契約のほとんどは例外条項によって結ばれていて、毎シーズンほとんどのチームがサラリーキャップを超えています。 つまりは例外と呼ばれつつも、むしろ主流な補強手段ということです。 矛盾しているようですが、

          例外条項①バード例外条項

          スタンダードな契約におけるルール

          こんにちは。cba manです。 NBAではサラリーキャップという仕組みがあり、原則サラリーキャップを超えてはいけませんが、例外条項を用いれば超えてもよいというソフトキャップの制度が使用されています。 とは言ってもサラリーキャップを超えなければ完全に自由に契約を結べるというわけではなく、個々の選手の契約内容には制約があります。 ここではサラリーキャップを超えない範囲での契約をスタンダードな契約と定義し、今回はその制約について書いていきます。 ○契約年数1〜4年です。

          スタンダードな契約におけるルール

          トレードのルール

          こんにちは、cba manです。 質問箱にてトレード関連のルールについて多くいただくので、記事にまとめていきます。 概要NBAはサラリーキャップの仕組みがあるため、 サラリーキャップを超えた状態で新たに選手を獲得する場合には例外条項を用いる必要があります。 それはトレードにも当てはまります。              逆にいえば、サラリーキャップを超えなければトレードは自由に行うことができます。 (正確にはサラリーキャップ+0.1Mまでは自由) (2022-23シーズン

          トレードのルール

          ラグジュアリータックス

          こんにちは。cba manです。 今回は、ラグジュアリータックス(Luxury Tax)について書いていきます(以降当noteでは便宜上"タックス"と表記します)。 日本語では主に「贅沢税」と呼ばれています。 サラリーキャップについての記事で触れた内容ではありますが、NBAではソフトキャップを採用していて、 例外条項を用いればサラリーキャップを超えてよいというルールです。 それでは結局資金力のあるチームが有利でサラリーキャップの意味はないのでは? ということで存在してい

          ラグジュアリータックス

          サラリーキャップ、ミニマムチームサラリー

          こんにちは。cba manです。 今回はCBAの中で最も基本的な概念とも言えるであろう、サラリーキャップ(Salary Cap)について書いていきます。 サラリーキャップというのはNBAに限らず多くのプロスポーツで採用されている制度で、 各チームが選手に支払う年俸の合計に上限を設けるというものです。その額はリーグ全体の収益に基づき、 シーズン毎(7/1〜6/30までを1シーズンとする)に決定されます。 これによって、資金の豊富なチームがその財力で有利に選手を集めるこ

          サラリーキャップ、ミニマムチームサラリー

          CBAとは

          こんにちは。cba manです。 今回は最初ということで、そもそもCBAとは何かという部分に触れていきたいと思います。 プロフィールにも記載しましたが、CBAとはCollective Bargaining Agreementの頭文字を取ったものです。 日本語に訳すと「労使協定」となります。 社会に出て働いていらっしゃる方には当たり前の内容であるとは思いますが、 簡単に言えば労働者(選手)と使用者(リーグ)との間で交わされる契約のことです。 NBAではそのエンターテイン

          CBAとは

          ご挨拶と自己紹介

          はじめまして。cba manと申します。 私はNBAのニューオリンズ・ペリカンズのファンであり、 NBAにおけるCBA(Collective Bargaining Agreement…労使協定)のファンでもあります。 CBAに興味を持ったのは、実にマニアックな事例ですが2017年のオフシーズンにペリカンズとダンテ・カニンガムとの交渉が難航して、9月まで契約が決まらなかったことがきっかけでした。 決まらない背景にはどのようなルールが影響しているのか? 疑問に持った私は勉強

          ご挨拶と自己紹介