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【140字/空想】ある午後の頼まれごと

傘を貸していただけますか?
月が私に尋ねた。
まあ。宇宙にも雨が降るのですか?
月はほんのりと笑った。
ええ、あふれた想いという名の雨が降るのです。
素敵な素敵なものですが
濡れてしまうと平等に愛せなくなりますから。
私は頷き、薔薇色の傘を差し出した。
これは愛の色です。
きっとお役に立つでしょう。

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