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【140字/空想】ある日彼女は囁いた

びっしりと壁を覆い尽くす青い線。
描き出されるのは翼ある人々の日常。
遥か遠い砂漠の国の
燃えるような石壁の上に佇む
太陽に近い存在たち。
ねえ、素敵でしょ。
いつもいつも夢見るの。
閉ざされた部屋は秘密の告白。
歴史の中に埋没した真実。
微笑む友の背にも輝く翼が生まれ
私はそっと彼女を抱きしめた。




私の親友はとても魅力的な人です。
経済観念がしっかりしていて
家事もテキパキこなす。
だけど、すごくすごく、
時間枠にとらわれない何かを感じさせる人です。

ある夏、一緒に地方の美術館を訪れ、
古代アッシリアの彫刻を見ていたとき、
彼女がポツリと言ったのです。

この横顔がね、すごく好きなの。

その時、私の脳内ではただの嗜好を超えて、
夥しいなにかによって構築された
彼女の「好き」が展開されていました。
多分それは限りなく本質に近いものではと
勝手に納得しましたけどね。

後日、METでの午後を
一人で過ごすことになった私は、
迷うことなく二階南ウィングにある
メソポタミア文明セクションへと向かい、
翼のあるライオンの石像や
有翼人たちのレリーフを激写して
速攻、彼女に送りつけました。
表紙に使った写真もその1枚です。
恐ろしく満足しましたꉂꉂ(๑˃▽˂๑)

そんな彼女に贈る詩です。

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