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新ユニフォームを観察しよう!【ロッテ篇】

 パ・リーグの最古参であるロッテは「最もユニフォームを変えない球団」として有名だ。タテジマにワンポイントでスタイリッシュな書体のMマークをつけたユニフォームを見ると一瞬で「ロッテだ」となるのだが、今回数箇所ほどマイナーチェンジが施されたのでそこを観察しよう。

伝統かつ王道のホーム・ユニフォーム

 冒頭でも書いた通り、ロッテのホーム・ユニフォームはマイナーチェンジを繰り返しながら30年近く同じデザインが使われている。平成の速球王である故伊良部秀輝氏が令和の速球王である佐々木朗希と同じデザインのユニフォームに袖を通すということなのだ。

 実はこのユニフォーム、セ・リーグとパ・リーグの2リーグ制が始まった毎日オリオンズ時代のユニフォームをオマージュしたものである。さらに、その毎日時代のユニフォームはMLBのニューヨーク・ヤンキースをオマージュしたものと言うので世にも珍しい「オマージュのオマージュ」ユニフォームという訳だ。これは古今東西を見渡しても他に類のないことなのではないか。

ビジター・ユニフォームは一新

 今回、最も大きく変化を遂げたのはビジター・ユニフォームだ。ホーム・ユニフォームからタテジマを外し、マークと生地の色をあべこべにしたようなデザインは非常に良く感じた。

 このユニフォームを見て1番最初に感じたことはMLBのシカゴ・ホワイトソックスのオルタネイト・ユニフォームに似ているなということだ。昨年から使用されているサード・ユニフォームの「CLM」のマークもホ軍の「SOX」のマークに似ているなという感じたが、今回は伝統のMマークながらもマークの場所やカラー構成を見ると本当に似ているなと感じた。また、袖ラインにも使用されている黒、グレー、白というモノクロのトリコロール・カラーで構成されたデザインは「シック」という表現が当てはまるだろうか、落ち着いた中に力強さを感じるデザインである。

刺繍復活

 今回のユニフォーム変更で驚いた点は昇華プリント方式で印刷したものからきちんと糸で刺繍してデザインされたものへと変更された点だ。「ロッテは屋外球場ではあるものの、海が近くにあり涼しい浜風が吹く千葉マリンスタジアムでは汗も直ぐに乾くのか?」と考えてみたものの、元々のデザインが非常にシンプルなので汗が溜まりにくいのではないか。

 今回の変更は千葉マリンスタジアムと昇華プリントのユニフォームの相性が悪いからなのではないかと考える。最近は少しサイズの大きいユニフォームを着ることが流行りやので、強風の吹く千葉マリンスタジアムではまるで鯉のぼりのようにヒラヒラと揺れ動いてしまうのだ。従って、それただの「柄」でしかない昇華プリントとなれば、当然選手の見栄えが悪くなってしまう。それはここ数年、実際に証明されていたことなので今回久しぶりに刺繍のユニフォームを採用したのではないかと推測する。

個人的な感想

 今回のユニフォーム変更に独断ながら点数をつけるのならば、100点満点である。長年、袖につけられていたカモメが羽ばたいているマークが広告に変わってしまったことを嘆く方も多くいらっしゃることと思うが、ユニフォームの広告はいわば球団の生命維持装置。蔑ろにしていいものでは無いのだ。ただ、その点数を差し引いても素晴らしいユニフォームということなのだ。

最後に

 中日の新ユニフォームの回でも書いたが、いいユニフォームは何度でも見返したくなる。僕はこのユニフォームを何度も見返すこととなるだろう。

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