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消滅都市 タロットシリーズ考察まとめ

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スマホゲーム「消滅都市」に登場するタロットシリーズの考察およびYouTube動画の補足記事です。個人活動の励みになりますのでぜひシェア&フォローお願いします💜 カバラ・占星術・… もっと読む
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記事一覧

【消滅都市】タロット&キャラクター考察 ベオの正体*伝令の神ヘルメス説【世界】

「結局ベオは何者だったの・・・?」 消滅都市をプレイした方なら 一度はそう思ったことがないでしょうか? ゲームマスターが創造したタロットカードを使い、消滅都市の世界に住む人々、観測者(プレイヤー)を巻き込み物語を掻き乱した謎の少年ベオ 『審判』以外の大アルカナ21枚タロットカードを拾ったベオは、 適性のある人物にタロットを渡して人の運命を変える 並行世界を見つける(作る)など 消滅都市の世界にカオスを生み出しました。 今回はそんなベオについて、西洋占星術、錬金

【消滅都市】愚者が辿り着いた旅路の終着点【カノ】錬金術とヘルメス主義

スマホゲーム「消滅都市」に登場するキャラクターおよびタロットシリーズに関する記事です。 メインストーリー(天上の世界〜epilogue)をクリアした方に向けて書いてますので、ネタバレを多く含んでいます。まだストーリーを読み終えていない方はご注意願います。 天上の世界で ソウマの前に現れたカノ カノは旅の途中にベオと出会い「愚者」のタロットカードを受け取ったタロット所持者でした。 「消滅都市0.」のテーマは"罪と向き合う物語"ということで、今回は消滅都市0.の中心人物【

【消滅都市】タロット&キャラクター考察 タイヨウの正体*黒い太陽説【太陽】

この記事はスマホゲーム「消滅都市」に登場するキャラクター「タイヨウ」とタロットカード「太陽」に関する個人的な見解と考察です。 タクヤとユキに敵対する悪として 消滅都市のストーリーに登場するタイヨウ 謎の組織の目的とは? タイヨウの正体 タイヨウは「悪人」だったのか?など 今回は錬金術の観点からタイヨウの人物像と タロットを所持した形態のモチーフについて解説します。 ▶️タイヨウが闇に堕ちた姿を解明する記事ですので、最後まで読んでもタロットカード「太陽」の意味・解説

【消滅都市】タロットシリーズ考察 ゲームマスター【審判】

この記事はスマホゲーム「消滅都市」に登場するキャラクターおよびタロットシリーズの考察となります。 -------------------------------------------- 🔽この記事について 当記事はメインストーリーをクリア済みであることを前提に作成しております。ゲームマスターの正体とサトルとの関連性など、物語の核心に触れる部分やネタバレが含まれていますので予めご注意願います。 また、当記事に関しましてタロットカード所有者ゲームマスターの人物像に焦点を当てて

【消滅都市】タロット&キャラクター考察 ツキの正体【月】

この記事はスマホゲーム「消滅都市」に登場するキャラクター「ツキ」の解説および月のタロットカードの個人的な見解と考察です。 ・原作版(スマホゲーム) ・AFTERLOST(スマホゲーム) ・小説版 ・アニメ版 それぞれのツキの設定についても解説しますのでイメージに合えば参考になさってください。なお、一部ネタバレも含んでいます。 ツキはどの世界線からやってきたのか?「消滅都市」すべてのコンテンツにおいて、タイヨウとツキは本編の舞台タクヤとユキが住む世界とは別の並行世界

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【消滅都市】タロットシリーズ考察 ホシ【星】

この記事はスマホゲーム「消滅都市」に登場するキャラクターおよびタロットシリーズの考察となります。 ホシに関しましてタロットカードの星→月→太陽と連動する内容になっています。 ぜひ、消滅都市のストーリーやキャラクターたちと重ね合わせながら読んでいただきたいです。 また、ホシ・ツキ・タイヨウを別視点で知っていただくため このキャラたちは ・西洋占星術 ・ユング的思想(心理学) ・錬金術 ・ギリシア&ローマ神話 これらの解説を中心に掘り下げています。 後半の記事にはノスタルジアに関わるセリカ・ソルも少々触れていますので、よければ併せてお読みください。 -------------------------------------------- ■タロットカードに描かれた星の数と形 -------------------------------------------- もしお手元にウェイト=スミス版のタロットがありましたら消滅都市のタロットと見比べて欲しいのですが ウェイト=スミス版には 小さな星→7つ 大きな星→1つ 合計8つの星に八芒星をかたどった形状があります。 人によってさまざまな解釈がありますので断言はできませんが、ウェイト版を考案したアーサー・E・ウェイト氏によると ・小さな星7→7惑星(曜日の由来となった惑星) ・大きな星1→シリウス(恒星) だと示しています。 ▼参考書籍 ・The Pictorial Key To The Tarot Arthur Edward Waite  (著:アーサー・E・ウェイト) ・シークレットオブザタロット  (著:マーカス・カッツ/タリ・グッドウィン 訳:伊泉龍一) ウェイト氏は自身の所属していた魔術結社「黄金の夜明け団(the Golden Dawn)」で使用していたタロットのデザインを改変して8つの星を採用しました。 これは神秘主義思想や彼らの理念が絡んでいるようなので、もし気になる方がいましたら調べてみてください。 元のデザインを考慮すると 消滅都市は物語に関連性がないデザインを 敢えて独自のアレンジに変えているように見えます。 たとえば、 消滅都市に登場した星のタロットでは 小さな星→5つ 大きな星→1つ 合計6つとなっています。 これは属性の数(火・水・木・光・闇)のようにも考えられますし大きな星を自らの【希望】として捉えることもできると思います。 (ただし、そうであるか定かではありません) ただ、私はホシの立場で考えたとき 大きな星は輝く星の性質として【金星】ではないかと思い動画ではシリウスと一緒に金星も紹介させていただきました。 これはツキの話にも繋がりますので 次回の動画投稿の際にお確かめください。 -------------------------------------------- ◾️★5旅の果てホシのイラストに描かれた星の意味 -------------------------------------------- タマシイに描かれたギザギザの星は、おそらく「ベツレヘムの星」を模しているのではないかと思います。キリスト教ではキリストの誕生を知らせた特別な星だとされています。 -------------------------------------------- ■ホシが憧れたもの -------------------------------------------- ベオからタロットを受け取り失われし世界に渡った以降(通称:大人ホシ)と 別の世界線として書かれた『小説版 消滅都市』を読んだ際の感想ですが ホシがユキに惹かれた理由は ①母親と父親の元で暮らせずに実験室に閉じ込められていた ②知識を得られないよう本が読めない環境にいた ③たまたま同じ研究所で同じような境遇の少女を見かけた ④自分と同じ家族がいない境遇だと思い親しみを感じていた 1度目の消滅が起こった世界では 子どもの直感的な感覚でユキに家族的な親しみを感じていたのではないかと推察しています。 自分のように、孤独で両親もいないと思っていたユキのもとに突然タクヤが現れて研究所から連れ去った。子どもの感情ではいきなりタクヤが親近感を覚えていたユキを連れ去ったとなると肯定的な気持ちになりづらいかと思います。 ですから、このユキに抱く家族的な感情のまま成長した姿で失われし世界のユキと出会ったときには、子ども心のなかにも愛情が芽生えていたのかもしれません。 ホシが本当に憧れていたものとは ユキのなかにみえた家族的な愛情もあるのかと思いました。 -------------------------------------------- ■ホシ=星? -------------------------------------------- 星のタロットを受け取る以前のホシ(子ども)が 何の実験を受けていたのかを知るには、 少しだけ錬金術の話をさせてください。 錬金術とは、 化学の技術を用いて 卑金属を黄金に変えたり 不老不死の身体を手に入れようとする 一攫千金形式でお目当ての物質を作ることを目的とした業です。 (ただしこれは表向きです) その錬金術の最初の工程に 様々な文献や著者のなかには ・孤児または息子 ・寡婦=父と死別や離別した母 を示すものもあります。 そのせいか、 世の中の物語には未婚や未亡人、孤児など 同様の題材やテーマを組み込んだ作品も多く存在するのではないかと思います。 それは消滅都市にも同じことがいえます。 孤児をモチーフとした孤児院の子供たちが登場し、 組織の実験体として命を落としていきました。 いわゆる賢者の石という物質を錬成することが錬金術の最終目的ですが、 この工程通りの実験を組織が行おうとしていたのなら、サイドストーリーの孤児院の登場人物は錬金術の原理を成すために孤児でなければいけなかったのかもしれませんし、孤児を見守る先生はママでなければならなかったのかもしれません。 同様に、 ツキとホシも組織の実験を成功させるためには 夫のいない女性とその息子という条件が成り立たなければなりません。 (父)タイヨウ (母)ツキ (子)ホシ ですが、タイヨウとツキは夫婦ではありません。 ゲーム設定や物語でもこの2人を夫婦と言及している描写がないためです。 みなさんもご存知の通り、タイヨウには実験中に命を落とした本妻がいました。 この男女の関係性は倫理的に好ましくはありませんが、錬金術の原理だけでいうと ツキは【夫のいない母(寡婦)】でなければならないのです。 これは天体の太陽・月・星に対応しており、太陽と月の子どもが星の子=ホシであり錬金術の到達するべき第一原質の石(ラピス)となるのです。 しかし、私はタイヨウとツキを太陽と月だと考えていません。 その理由は追々の記事で書いていきたいと思います。 -------------------------------------------- ■セリカとソル -------------------------------------------- 別ストーリーですが、セリカとソルを中心としたストーリーの構成と設定にはツキとホシを連想させるセリフを繰り返したり類似する設定が見受けられました。 この理由はノスタルジア組織が企てたソル計画と呼ばれる目的が、量産化されたソル(太陽の子)の中から完全な存在(太陽)を生み出す必要な前提条件だからだと考えます。 ▼錬金術の原理になぞられたセリカとソル  セリカ(母元型)→寡婦  ソル(レプリカント)→孤児 個人的な意見ではセリカとソルにツキとホシの意思が宿ったわけではなく、2度目の消滅が起きたやり直しの世界で再び同じ条件下の実験が行われていたひとつの再現ではないかと受け取りました。 しかし、セリカにはひとつ疑問があります。 錬金術の意味合いでソル(太陽)の完全体を複製したかったのでしたら、女子高生のセリカを母(寡婦)とみなすには若すぎます。 セリカには予知夢を見る能力があり普通の女子高生ではなさそうですが、ストーリーもこれ以上の言及はありませんでした。 (参考:降臨クエスト静穏への祈り) この予知夢の能力がもし、world:Aに存在するセリカの記憶の流入だったら…? セリカはworld:Aに存在したタイヨウの元配偶者やその関係者と縁があったのかもしれませんが、これから話す内容には確固たる根拠がないため憶測で進めていきます。 例えば、心理学でいわれる母元型(※)の精神が少女のセリカに宿っており、そのような母の素質や記憶の流入している彼女をノスタルジア組織が狙っていたのでしたら、セリカの名と由縁のあるギリシア神話の地母神だった可能性もあるかもしれません。 (※)ユング心理学では、女性の心のなかに母元型と呼ばれる様々な女神・母性・魔女などの性質を抱えていると考えられています) どちらにしても、特殊な環境のなかに置かれた少女セリカはソルたちと接するうちに、心のなかに存在する母性が芽生え【母役&寡婦役】の役割を担ってしまった。 セリカのような少女でさえ、強制的に特殊な環境下に置かれると母の代役を担う。 ノスタルジアの実験には セリカとソルたちをツキ&ホシのような特殊な環境に母子を置き、「完全な生命体」いわゆる錬金術の賢者の石を錬成する材料「ラピス」を生み出す実験も兼ねていたのかもしれません。 ▼太陽・月・星の関係性  =父・母・子 ※月は暗闇に輝く天体なので本来、母は闇属性のような存在です。 -------------------------------------------- ■ホシの体に生えた鉱石と意味 -------------------------------------------- 錬金術のあるひとつの過程によると、 第一原質に石=ラピスが必要だと記述されています。 鉱石の説明によると純粋なラピスは青々とした輝く石だそうです。 逆に不純物が混じったり失敗したラピスは緑色に変化するといわれています。 消滅都市で組織の実験に利用された子どもたちに もし、犠牲を払う意味でも第一原質の石として見出すものがあったのなら ラピスを象徴とする石は 【青色】でなければなりません。 つまり、不純物が入った石 【緑色】は失敗作というわけです。 そうであれば 緑色の鉱石が生えた姿のホシとソルたちは 組織の被験体として成功していると言えるのでしょうか? もっとも、ホシとソルたちにはこういった石の資質ではなく、 もっと別の原理が働き、特別な力と資質があったとみています。 それが【未婚の女性】と関係性のある子だったのかもしれません。 ▼お願い この記事が参考になりましたら引用またはシェアしていただけると幸いです。ご自身の考察およびゲームの感想などご自由に活用してください(こちらへの報告は不要です) 文章をそのままコピペ・自作発言・盗用・剽窃は為さらぬようお願いいたします。

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【消滅都市】タロットシリーズ考察 トラオム【塔】

この記事はスマホゲーム「消滅都市」に登場するキャラクター「トラオム」の解説および塔のタロットカードの個人的な見解と考察です。 ※2021/11/13更新 世界線の解説に誤りがありましたので修正しました。 -------------------------------------------- ■天上の世界の住人となったイリアス(トラオム) -------------------------------------------- イリアスがどのような経路を辿って天上の世界まで渡ってきたのか? 塔のタロットの力は何だったのか? 個人の感想と憶測に過ぎませんが 並行世界や塔のタロットカードの性質について書き記しました。 もし、どれかひとつでもご自身の感性やイメージと合うものがありましたら参考になさってください。 -------------------------------------------- ■別の世界線のイリアス(トラオム)はタロット無し? -------------------------------------------- ゲーム内のベオの発言で考えると、 トラオム以外の世界線の彼はベオに介入されることもなく、 タロットの存在さえ知らないと思われます。 ▼ベオとトラオムの会話にて ベオ 「やっぱりキミはどの世界線をみても」(省略) ベオ 「でも全キミの中でも」 「処刑から逃れて」 「復讐のチャンスを得られて」 「ボクによってトラオムと名付けられた」 「キミが一番幸せじゃない?」 ※ランキングThe Nightmare Never Ends【上級】終わらない悪夢の会話より これは、ベオが数々の世界線に存在するイリアスを観測し、どの世界線でも拷問や処刑される彼をみていたための発言だと推察します。 したがって、ベオが直接介入して塔のタロットを渡したのは王子イリアス(ランキングThe Nightmare Never Endsの彼)のみで、それ以外の世界線のイリアスと同一の人物はどのような過程を経ても残酷な拷問&処刑の末路を辿ってしまうのだと受け取りました。 ※タロットを所有していないキャラ(ミウ・レオン・ヨミ)が並行世界に存在したのも、ベオの介入があったか&なかったのかの違いだと考えています。 あるいはベオ以外の観測者がみつけた 彼らのもう一つの可能性かもしれません。 -------------------------------------------- ■パラレルワールドは過去・現在・未来と同時に存在する? -------------------------------------------- 近年の量子力学で語られる並行世界は、現在の時間軸と同時に進行し、過去と未来が重なり合いながら存在するものだと考えられているそうです。 相対性理論から発展したブロック宇宙論(説)と呼ばれる仮説では、過去・現在・未来が同時に同じ空間に存在し、時が流れるという概念がありません。 この仮説で例えると、塔のタロットを受け取ったイリアスはベオの所持する世界のタロットの力によって数百年分の時代と世界線を瞬時に移動し、天上の世界に連れてこられたのだと深読みしています。 過去・現在・未来が同時に進行する仮説があるなら、世界のタロットを所有するベオがイリアスを連れて天上の世界へ移動するのも容易だったのではないでしょうか? これはイリアスが中世の時代から数百年分の時間を過ごしてカタリナ達と出会ったわけではなく、世界のタロットを所有できる不思議な資質を持ったベオと肉体ごと移動したという持論です。 -------------------------------------------- ■イリアスは時を越えないままイデア界へきた? -------------------------------------------- 上記の通り、過去・現在・未来が同時に存在するとされるブロック宇宙論の仮説で考えるなら、イリアスが瞬時に世界線を移動することも可能だったのではないでしょうか? カタリナに出会うまでの間、ベオと数百年間の時をどこかで過ごしたのではなくイリアスのストーリー後に天上の世界に渡った…と考えています。 またはイリアスが受け取った塔のタロットの影響もあるのかもしれませんが、肉体ごと時空を越えることができたのはタロットの力とべオの存在があったからだと思います。 仮にブロック宇宙論を鵜呑みにすれば、過去も現在と重なり合って存在するでしょうし、ベオが所持する世界のタロットには時間軸を移動する力もあったのなら、私たちが映画で観るようなタイムスリップの映像より簡単かもしれません。 ※この量子力学の分野は専門外のため、これ以上の説明は控えさせて頂きます。過去と現在が同時に進行するテーマについて、クリストファー・ノーラン監督の映画『TENET(テネット)』がそれらしい描写をしています。それを観て頂けるとすこし時間軸の考え方について分かるかも知れません。 -------------------------------------------- ■塔のタロットの力と代償 -------------------------------------------- なぜトラオムが 塔のタロット=『惨禍』の力と言ったのか? これは塔のタロットが災いや破壊の意味を持つカードであるためです。 遠い時代、塔の破壊された描写は忌み嫌われるものと考えられていました。 そもそも、マルセイユ版以前の古いタロットには塔のタロットが存在しなかったのではという説があります。 (現存するタロットの中に塔のカードが見つかっていない為、存在したのかが分からない模様) ウェイト版タロットはこの塔のタロットに占星術の火星を対応させて不吉かつ破壊的な含みを持たせています。 ただ、火星が凶星や災いの象徴と考えられていたのは古代思想によるものです。 現代解釈の火星はエネルギーや活力などポジティブな捉え方をすることが多いように感じます。 -------------------------------------------- トラオムの力の代償とは? -------------------------------------------- 塔のタロットには雷のような衝撃や破壊的な力がある一方、衝撃には心身に痛みを伴います。 痛みは物理的な衝撃を受けたとき以外にも、新しい価値観や発見を見つけたときに既存の価値観を覆されて精神的なショックを受けることもあります。 物理的な衝撃だったのかは不明ですが、失われし世界に渡った大人ホシがworld:Bのユキと接触した際に、肉体ごと世界線を越えるのには負担がかかると言っていました。 もしかすると、パラレルワールドから肉体ごとイデア界に連れてこられたトラオムには大きな衝撃だったのではないでしょうか? このタロットに描かれた衝撃に対する「痛み」がトラオムにとっての力の代償だと思います。 ---------------------------------------------- ■イリアスとトラオムの属性について ---------------------------------------------- イリアス→木属性 トラオム→光属性 カタリナとイリアス(トラオム)のみ、タロット所持前と後では属性が変化しています。 これについて、疑問に感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか? おそらく、この2人は死にゆく宿命をベオからタロットカードを受け取ったことで、本来進むべき未来を捻じ曲げられた可能性があります。 タロットカードの解釈だけだと、この属性の変化の説明がしづらいのですが、カバラの生命の樹(セフィロトの樹)にウェイト版タロットを照応させると属性の変化が見られます。 カバラの象徴体系も見方によっては、力のタロットと塔のタロットに暴力的で破壊的な似た性質の力を併せ持ったものとして読み取ることもできるのです。 カタリナとトラオムの相互の災いの力に関して、カバラの象徴体系を別記事にて説明したいと思います。 消滅都市とカバラに何の関係が・・・と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが作成まで少々お待ちください。 -------------------------------------------- ■睡眠欲を失ったトラオムに残されたもの -------------------------------------------- 仮に肉体と結びつく三大欲求(食欲・性欲・睡眠欲)が消えても、プラトンが説く思想では人間の根源的な知識欲と魂は一緒に存在し続けるそうです。 つまり、他の機能で生命維持ができるのなら、もし三大欲求を失っても死ぬことはなく、知識欲などの欲求で人は生きることができるのです。 なぜそう言い切れるのか? それは個人的な体験の範囲内でしか話せませんが、 何かの機会があればまとめます。 消滅都市に戻りますが、もし三大欲求のひとつである「睡眠欲」が無くなっても魂と共に知識欲が存在すると仮定するのでしたら… ベオの執事として仕えながら 本を読む=知を愛する トラオムにとって睡眠欲を奪われたあとも、以前のように読書を好むこと この行為が、眠れない体になった後の最大の楽しみだったのかもしれません。 (ソクラテスは知を愛する活動をフィロソフィアと呼びました) カタリナとトラオムは他のタロット所有者と違って ・タロットを受け取らなかったら死ぬ運命だった 更にトラオムは ・どの世界線でも処刑される運命だった ・本来、どの世界線にも存在しない (カタリナは並行世界の描写がないため不明) ベオからタロットを受け取ることが良くも悪くも現世を生き、前に進む唯一の手段だったのだと思います。 -------------------------------------------- ■エピローグ後、トラオムは眠れるようになったのか? -------------------------------------------- ストーリーを読む限り、タロットの影響で眠れなくなった訳ではないので眠れないままだと考えます。 (イリアスと呼ばれていた際の拷問とベオに悪趣味だと言われた治療の跡はタロットを受け取ったあともエピローグ後も運命が変わったような描写がなかったため) 塔のタロットとトラオムの動画はゲームのストーリーとスタッフ本以外に、トラオムとカタリナのデザイナー様がSNSに投稿されていた裏設定を考慮しながら制作しました。 トラオムについて気になる点がありましたら追加修正します。 この記事が少しでもお役に立てばうれしいです。 ▼お願い この記事が参考になりましたら引用またはシェアしていただけると嬉しいです。また、ご自身の考察およびゲームの感想にもぜひご活用ください(こちらへの報告は不要です) ただし、この記事は消滅都市ユーザー【海鮮かきあげ】の個人的見解であります。引用元を明記せずに文章の改変・自作発言・盗用・剽窃は為さらぬようお願いいたします。

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【消滅都市】タロットシリーズ考察 キズナ【悪魔】

この記事はスマホゲーム「消滅都市」に登場するキャラクター「キズナ」の解説および悪魔のタロットカードの個人的な見解と考察です。 消滅都市に登場するタロットカードは、マルセイユ版にならったカード順で番号が振られています。 しかし、番号以外のカードの絵柄やキャラの特性を考えると、個人的にはウェイト=スミス版に描かれたテーマを作品の中に反映しているのではと思っています。 今回も悪魔のタロットとキズナに思うところがあり、ウェイト版タロットのテーマからキズナの特性を読み解きました。 よろしければご参考にお読みください。 ---------------------------------------------- ■キズナと絆 ---------------------------------------------- 元来、日本では家畜を立木につないでおくための語源として、絆(きずな)という言葉が使用されていたそうです。 そのほかにも、「絆」にはしがらみや呪縛、束縛といった意味もあり、現在使用されている人との結びつきや助け合いの意味合いになったのは比較的最近であるとのこと。 そうなると、キズナの名前も悪魔のタロットの力も前述の呪縛的な意味の方が強いのかもしれません。 ---------------------------------------------- ■悪魔のタロットに描かれた「悪魔」とは ---------------------------------------------- 天上の世界にて登場するキズナの具現化した悪魔(レイドver.) 消滅都市の悪魔のデザインはウェイト版と大きく異なる箇所もありますが、これはエリファス・レヴィの思想や神秘主義に関連するデザインを避けた為だと考えています。 消滅都市では悪魔のタロット以外にも ・2.女教皇→2つの柱に描かれたBとJの文字 ・7.戦車→黒白のスフィンクス ・10.運命の輪→車輪のモチーフ&スフィンクス、ヘヌアヌビスと蛇 ・13.死神→馬に乗る骸骨と旗 など ウェイト版タロットのテーマや本質をなぞりながらも、神秘思想に関わる上記のデザインを省略またはアレンジを加えているのが分かります。 (ちなみに、3.女帝と14.節制はマルセイユ版のデザインを参考にした図像だと見られます) したがって、バフォメットを忠実に再現しなかった理由も神秘思想を含むオカルト要素があるだからだと推測します。 それ以外にも悪魔のタロットをギリシャ神話に登場する牧神パンだとする説もありますが、バフォメットと同一視されており、いずれも半獣半人型の山羊の姿をしています。 どちらの悪魔だとしても、ウェイト版タロットに描かれた象徴や背景を知ると、消滅都市のタロットシリーズやキャラをより楽しめますので一部紹介したいと思います。 ---------------------------------------------- ■メンデスのバフォメットとは ---------------------------------------------- メンデスのバフォメットとは、19世紀ごろフランスを拠点に活動した近代の西洋魔術師エリファス・レヴィが描いたバフォメットのことを指します。 デザインの特徴として、コウモリの羽に山羊の頭、人間のような胴体と両性具、動物の足を持つ姿をしています。 額に描かれた逆五芒星は、物質によって精神が支配されていることを示し、欲望や肉体的欲求の意志が理性や意識を支配することをあらわしているそうです。 ウェイト版タロットの制作者の一人であるアーサー・E・ウェイトは、エリファス・レヴィのデザインしたバフォメットを参考に悪魔のタロットに採用したと考えられています。 (ウェイト本人の著書にはメンデスのバフォメットだと表記されていますが、色々な解釈のなかにはギリシャ神話の牧神パンといった説もあります) ---------------------------------------------- ■ウェイト版タロットに描かれた悪魔とは ---------------------------------------------- 悪魔のタロットは心の中に潜む悪魔だといわれています。 心理学者ユングは、このような内なる欲求や葛藤を影(シャドウ)と名付けました。 ユング心理学の元型で指す影とは ・嫉妬 ・劣等感 ・憎悪 ・過剰な欲望 など 自分の中で抑圧している負の感情だとされています。 それが他者に投影され自分の目の前に現われたとき、自分の負の感情が何なのかを自覚するそうです。 ウェイト版タロットも内側に存在する悪魔は、このようなユング心理学の元型のひとつ影(シャドウ)の側面も表しています。 これは、消滅都市に登場するキズナの特性にも深く反映されているのではないかと思います。 ---------------------------------------------- ■ウェイト版タロットに描かれた男女 ---------------------------------------------- 男女は悪魔の誘惑や欲望に心を委ねて鎖に繋がれた状態です。 よくみると、繋がれた鎖はたるんでいるので簡単に取り外せそうですが、自らその状態を維持しているようにも見えます。 悪魔のタロットの構図は恋人のタロットの堕落した男女だといった説もあり、人間の弱い側面と何かに執着した姿なのかもしれません。 これはタクヤとユキがメシエの夢の中に囚われ、繰り返される日常に身をゆだねていた様子にも似ています。 チーフやカナト、アキラたちなど他者の力によってタクヤとユキも徐々に醒めない夢だと気づきながらも現状を維持したい想いや葛藤に、何か悪魔のタロットに通じるものを感じました。 ただ、消滅都市に登場する悪魔のタロットを見ると男女の首に縄がしっかり縛られているので、正直なところマルセイユ版の解説に合わせるか悩みました。 本動画では、ウェイト版に主軸を置いている関係や緩くなった鎖から敢えて抜け出さない意味を伝えたかった想いもあり、ウェイト版のまま解説しています。 ---------------------------------------------- ◾️西洋占星術と悪魔のタロットの関連性 ---------------------------------------------- タロットと西洋占星術を結びつけて考えた際、悪魔に照応する惑星(天体)は土星です。 西洋占星術では土星を個人の課題や試練・忍耐などをあらわす惑星として、一度問題を解決しても公転周期の影響でめぐり巡って何度も試練を与えるといった特徴があります。 時々、コンプレックスやネガティブなものから目を背けたくなることや問題を先送りにしたいときもあるかもしれません。 これを個人の試練や課題と捉え、それぞれのタイミングとペースで向き合わなければならない場面をあらわすのが土星です。 普段フタをしている自分のネガティブな部分を見つめ直したり認めることによって自分自身の精神的な成長を促せるのかもしれません。 ---------------------------------------------- ◾️キズナが悪魔と呼ばれる理由 ---------------------------------------------- 「今のままでいい」 「頑張りたくない」 「あきらめたい」 など 人間が抱える表に出せない抑圧した願望や欲求を、無自覚ながら相手へ問いかけるキズナ キズナが善かれと思って投げかける言葉には、相手の思考や行動を縛ったり依存や支配してしまう力がありました。 これが悪魔と呼ばれるキズナの性質だったのではないかと思います。 ゲーム内では 「やさしい悪魔はここにいるよ」 とのボイスも収録されており、受け取り方によって善にも悪にも変わるキズナの言葉の矛盾性が感じ取れます。 これこそが、キズナに対して抱く悪魔の側面で、他人の心の影(シャドウ)となる場合もあるのではと考えました。 3分動画としてYouTubeに投稿している都合上、悪魔の全貌を全て解説できませんでしたがイメージの補完としてこの記事が参考になればうれしいです。 消滅都市のタロットシリーズ動画を完結させた後に、これらを更に深掘りした動画を作っていこうと考えています。 オカルト・魔術・魔女術などがお好きな方は引き続きチャンネル登録お願いします。 ▼お願い この記事が参考になりましたら引用またはシェアしていただけると嬉しいです。また、ご自身の考察およびゲームの感想にもぜひご活用ください(こちらへの報告は不要です) ただし、この記事は消滅都市ユーザー【海鮮かきあげ】の個人的見解であります。引用元を明記せずに文章の改変・自作発言・盗用・剽窃は為さらぬようお願いいたします。

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【消滅都市】タロットシリーズ考察 サヤコ【節制】

YouTubeにて消滅都市のタロットシリーズをウェイト版タロットに描かれた象徴や背景と結び付けてキャラの特性や性質を深堀りしております。 本記事は、YouTubeにアップした動画と節制のタロットについての補足です。 14世紀頃に描かれたとされるヴィスコンティ=スフォルツァ版タロットの節制には、2つの杯を持った女性が描かれていました。杯の中にはそれぞれワインと水が入っているといわれています。 これには中世ヨーロッパの時代的背景が関係しており、趣向品としてワインが高級だったこの時代、人々は水を加えて節約しながら楽しんでいたといった理由があります。 ワインに注いだ水が多すぎても少なすぎても美味しく飲めない。 この節約術と絶妙な水加減で調整する技が節制のタロットの原点となりました。 それもいつしか錬金術の原理に置き換えられ、大いなる業(おおいなるわざ)として性別のない天使が超人的な技術力で液体を注ぐ描写へと変化しました。 ちなみに、節制に描かれた天使は 大天使ラファエルだと考えられています。 ウェイト版タロットの節制に描かれた天使は 片足ずつ水面と地面に触れており、 地面=物質世界(意識) 水面=精神世界(無意識) を意味するそうです。 (キアヌ・リーブス主演の映画「コンスタンティン」で地獄を幻視・視覚化するとき、両足又は全身を水に浸すシーンがあります。映画の演出的にスクライングのような手法だったのかもしれませんが、私は水面に片足を触れている節制のタロットを思い出しました) ■節制のタロットとサヤコの関連性 天上の世界で一部ストーリーに登場したものの人物像や背景が語られていない為 ・ウェイト=スミス版タロット ・トートタロット 動画内では、上記の2デッキの節制からサヤコの能力や立場を考えました。 ウェイト版タロットは右手側にアイリスの花が描かれています。 アイリスとは虹の女神に由来する名前で ・虹 ・架け橋 ・和解者 ・仲介者 などの意味があります。 この花が持つ意味のように、サヤコは地上の人々の想いをアーティファクト(ガワ含む)と共にイデアに渡った本来の想いの持ち主へ、記憶と想いを移し替える或いは渡す仲介者や架け橋的な役割があったのではないか?といった主旨で動画制作しました。 消滅都市のタロットカードだけで考えると、マルセイユ版の絵柄の方が似ているのですが、サヤコの特性を考えてウェイト版とトートタロットに描かれた象徴と背景で解説しています。動画も併せてご覧ください。 ▼お願い この記事が参考になりましたら引用またはシェアしていただけると嬉しいです。また、ご自身の考察およびゲームの感想にもぜひご活用ください(こちらへの報告は不要です) ただし、この記事は消滅都市ユーザー【海鮮かきあげ】の個人的見解であります。引用元を明記せずに文章の改変・自作発言・盗用・剽窃は為さらぬようお願いいたします。

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【消滅都市】タロットシリーズ考察 スグル&サユ【死神】

YouTubeにて消滅都市のタロットシリーズをウェイト版タロットの象徴や背景と結び付けてキャラの特性や性質を深堀りしております。 今回はYouTubeに投稿した死神のタロットについての補足です。 死神のタロットについて、YouTubeの説明欄に記載した内容と一部重複していますのでご了承願います。 ■時代によって変容した死の象徴 ほぼすべてのカードが残っているとして最古のタロットと呼ばれている 「ヴィスコンティ・スフォルツァ版タロット」というバージョンのカードがあります。 このタロットの死神には弓を携え鉢巻をした骸骨が描かれていました。 ※鉢巻には目隠しと同じ意味合いがあるようですが、目を隠すと眼球がない骸骨の特徴が失われてしまうため鉢巻にしたという説があります。 ヴィスコンティ版タロットが制作された時代は、中世ヨーロッパを中心に疫病(ペスト)が猛威をふるっていた時期でした。 そのような疫病の被害を受けて当時は「死は誰でも平等に突然訪れる」として死の擬人化を描いた骸骨姿の絵画や音楽作品などが広まっていったそうです。 ちなみにカード名に死神やDEATHという名称はありませんでした。 ■マルセイユ版タロットの登場 その後、16世紀から18世紀にかけて普及したマルセイユ版タロットは鎌を持った骸骨に描写が変わりました。 こちらもカード名は無題ですが「死と税金からは逃れられない」として肉体や精神の死の象徴として刈り取る骸骨が描かれています。 ■ウェイト(ライダー)版タロットの登場 対してウェイト版タロットは大きくデザインが変わり、大きな旗を持ち白馬に乗る骸骨が描かれました。 19世紀に制作されたウェイト版タロットは物理的な死ではなく、象徴的かつ精神的な死をあらわしていると考えられています。 カードの図像には倒れた王や立ち尽くす聖職者、周辺には目を背けている少女や骸骨を真っすぐ見ている子供も描かれており、それぞれの立場で死と向き合っていることをあらわしています。 みなさまは、死神のタロットを初めて見たときに不気味さや怖いイメージを持つかもしれません。 しかし、このタロットは人間関係を断ち切ったり仕事を辞めて転職するなどといった新しい巡り合いやスタートを切れる、前向きな意味合いに捉えることもできるのです。 時代の流れとともに死の象徴も変わり、ウェイト版タロットでは神秘主義の思想を取り入れた図像に変化しました。古代エジプト文明の儀式にあるように、死の形態は常に変容し多様化しているもののようにも思えます。 ◾️消滅都市のスグル&サユ 消滅都市の死神のタロットは『刈り取る者』としての意味で考えならばマルセイユ版タロットの解説が適していたのかもしれませんが、消滅都市のストーリーや意図を汲みとるためウェイト版タロットメインで進行させていただきました。 スグルがベオからタロットを受け取ったとき スグルの天使の力=再生、復活 サユの死神の力=死、破壊 として、本来の2人の力がタロットにも反映されたのかもしれません。 ▼お願い この記事が参考になりましたら引用またはシェアしていただけると嬉しいです。また、ご自身の考察およびゲームの感想にもぜひご活用ください(こちらへの報告は不要です) ただし、この記事は消滅都市ユーザー【海鮮かきあげ】の個人的見解であります。引用元を明記せずに文章の改変・自作発言・盗用・剽窃は為さらぬようお願いいたします。

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【消滅都市】タロットシリーズ考察 ハヅキ【吊るされた男】

YouTubeにて消滅都市のタロットシリーズをウェイト版タロットの象徴や背景と結び付けてキャラの特性や性質を深堀りしております。 本記事は、YouTubeにアップした動画とハヅキについての補足です。 ハヅキはサトルやシズマ、フミコ、マミなど関連するキャラ(タマシイ)が多いことを念頭に、吊るされた男のタロットの象徴や意味から兵器ハヅキとして読み解ける部分を解説&考察しました。 タロットとハヅキ(タロット所有者)を解説するにあたり下記クエストを参考にしました。 ・ランキングストーリー『私を忘れないで』AFTERLOST込み ・ランキングストーリー『君を忘れない』AFTERLOST込み ・降臨クエスト☆6『伸ばしたその手を先に』 ・ランキングストーリー『One Last Love』 ・天上の世界『第11話』 ※タロットに焦点をあてた動画のため、1度目の消滅およびOne Last Love主体な点を何卒ご理解願います。 ■『吊るされた男』のタロットについて 現存する最古のタロット『ヴィスコンティ・スフォルツァ版タロット』は、イタリア語で裏切り者という名称のカードでした。 そのため、最古のタロットは絞首台(処刑用の台)のデザインになっています。 マルセイユ版も同様に絞首台のようなデザインです。 (なぜタロットに描かれた男性が吊るされているのかについて様々な解釈があるため、ここでは省略させていただきます) ■消滅都市版の『吊るされた男』のタロットについて ハヅキが受け取ったタロットを見てみると、カードに描かれた男性は吊るされているもののマルセイユ版やヴィスコンティ版と異なる部分があります。 それが絞首台のデザインです。 消滅都市版のタロットでは木の枝に宙づりにされているように見えます。 どちらかというとマルセイユ版のデザインに近いかと思いますが、木の枝に葉が生い茂っており、これはマルセイユ版やヴィスコンティ版にない描写です。 一方、ウェイト版タロットの吊るされた男はT十字に形作られた木に縛られ、その木には緑の葉も生えています。 ウェイト版タロットはこの緑葉に意味が隠されており、 枝の緑葉=木が生きている=男性が生きていると解釈する場合もあります。 細かい点ですが、緑葉があるかないかでタロットの力を使ったハヅキが一時的に停止状態になったとわかります。 ウェイト版タロットに描かれた吊るされた男は聖人と捉えられています。 もし、この人物が小休止の意味で吊るされているならハヅキに奇跡が起きると考えてもよいのかもしれません。 サトルとハヅキ関連のストーリーは様々なクエストを読み返さなければならなかったので、今回はタロットシリーズとして掘り下げました。 ▼お願い この記事が参考になりましたら引用またはシェアしていただけると嬉しいです。また、ご自身の考察およびゲームの感想にもぜひご活用ください(こちらへの報告は不要です) ただし、この記事は消滅都市ユーザー【海鮮かきあげ】の個人的見解であります。引用元を明記せずに文章の改変・自作発言・盗用・剽窃は為さらぬようお願いいたします。

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【消滅都市】タロットシリーズ考察 カタリナ【力】

YouTubeにて消滅都市のタロットシリーズをウェイト版タロットの象徴や背景と結び付けてキャラの特性や性質を深堀りしております。 本記事は力(剛毅)のタロットを受け取ったカタリナについての補足です。 タロットが意味する「力」を知るため、まずはカタリナの過去を簡単に説明させていただきます。 -------------------------------------------- ◾️world:B(マナカ)から天上の世界(カタリナ)へ -------------------------------------------- カタリナは不治の病を患いながら妹や主治医のサポートのなかで治療を続けていました。 ある日、火事に巻き込まれたカタリナは重度の火傷を負い命が助からない状況に陥ります。 不治の病に重度の火傷 災厄や不幸が重なるカタリナでしたが… その様子をみていたベオからタロットカードを受け取り一命を取り留めることができました。 しかし、力のタロットの能力はカタリナにとって不向きな性質です。 ベオはその事実を知りながらカタリナにタロットを渡しています。 力のタロットは自分自身と向き合い意志や勇気をあらわすカードでもあります。 この不向きな性質をカタリナの ・生きたいと願った本能(欲望)=火属性 ・過去と現実を受け入れる勇気を理性=水属性 と捉えました。 過去の記憶を閉じたまま現在の居場所に(ベオのメイドとして)逃避するような状況におかれたカタリナ タロットの力を手に入れた彼女の初期の属性は火属性でした。 ⭐︎6進化に描かれたカタリナは もし、火属性の力を解放したときの未来の図像なのかもしれません。 天上の世界にいたカタリナは ・レイドバトル ・3章12話〜14話 過去の記憶を思い出して過去と現実を受け入れる勇気を手に入れ水属性となっていました。 動画ではカタリナの心の移り変わりを火と水で表現してみました。 火と水の2属性については、カバラの体系である生命の樹(セフィロトの樹)を確認していただけると更に納得していただけるのではないかと思います。 ※生命の樹に対応している5ゲブラー(剛毅/峻厳)と4ケセド(慈悲)の球体とそれをつなぐ道です。 (書籍やネット記事によって名前が違うこともありますが…) 余談ですが、ウェイト版の力のタロットに描かれた女性のモデルは78枚のタロットをデザインしたスミス自身だといわれています。 もしかすると、力の本質を理解していたスミスが、このタロットに自分を重ね合わせていたのかもしれません。 カバラ体系の生命の樹について、 YouTube動画の概要欄に記載しました。 よろしければ動画を観ながら読んでみてください。 ▼お願い この記事が参考になりましたら引用またはシェアしていただけると嬉しいです。また、ご自身の考察およびゲームの感想にもぜひご活用ください(こちらへの報告は不要です) ただし、この記事は消滅都市ユーザー【海鮮かきあげ】の個人的見解であります。引用元を明記せずに文章の改変・自作発言・盗用・剽窃は為さらぬようお願いいたします。

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【消滅都市】タロットシリーズ考察 チーフ編【運命の輪】

YouTubeにて消滅都市のタロットシリーズをウェイト版タロットの象徴や背景と結び付けてキャラの特性や性質を深堀りしております。 本記事はYouTubeにアップした動画の補足を記しました。 運命の輪のタロットと紐付けてどう読み解くか。 実のところチーフの動画は現在までに作った動画の中で一番悩みました。 ウェイト版タロットの制作者であるウェイト自身が「運命の輪は自分よりも読み手の方が上手に解釈している」と述べています。 なので、タロットを忠実に解説するよりも消滅都市の開発者様やシナリオを書いたスタッフ様がどのようにタロットとチーフを関連付けたかを重視する必要がありました。 まず、消滅都市では元のタロットデザインと異なる箇所があります。 ウェイト版運命の輪のタロットとの相違点 ・車輪をリボルバー銃に置き換えられている ・車輪の中に五行思想の体系図が加えられている ・車輪の周りに木の根が生えている ・スフィンクスが居ない(剣のみ) ・蛇とヘルマヌビスの変更(蛇と犬) さらに、独自の解釈ですが チーフ(タクヤ)の放つ銃弾の演出やタロットを受け取るシーンなどからウェイバーの「魔弾の射手」というオペラ作品を思い出しました。 ※この作品のストーリーが似ているのではなく、悪魔の力が込められた魔弾に着目しています。 今回はタロットの解説を重点にしたので6分動画になりましたが、普段は3分に収めて制作しています。興味がある動画がありましたらぜひご覧ください。 ▼お願い この記事が参考になりましたら引用またはシェアしていただけると嬉しいです。また、ご自身の考察およびゲームの感想にもぜひご活用ください(こちらへの報告は不要です) ただし、この記事は消滅都市ユーザー【海鮮かきあげ】の個人的見解であります。引用元を明記せずに文章の改変・自作発言・盗用・剽窃は為さらぬようお願いいたします。

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【消滅都市】タロットシリーズ考察 ヨミ【隠者】

この記事はスマホゲーム「消滅都市」に登場するキャラクター「ヨミ」の解説および隠者のタロットカードの個人的な見解と考察です。 前半の動画部分でタロットの解説をしていますが、隠者のタロットの性質を考えると様々な事情でヨミというキャラクターが必要だったんだろうと想像します。 --------------------------------------------- 探偵トモコが「隠者」のタロットの所有者に適さなかった理由 --------------------------------------------- 消滅都市に登場するタロットカードは番号こそマルセイユ版タロット順となっていますが、それぞれのキャラクターの資質や物語を鑑みるとウェイト=スミス版タロットに描かれた象徴や本質になぞられていると考えています。 ウェイト版タロットの「隠者」は一見、暗闇へ自ら身を投じて選んだ老人のような印象がありますが、老人が持っているランプは『他者を照らし、知恵を持った者のみここへ辿り着ける』といった意味が込められています。 その「知恵」とは「善」を為すものであり 「正義」が必要だと解釈されること場合もあるからです。 この隠者のタロットカードに隠された意味は 古代ギリシア時代の哲学者ソクラテスやプラトンまで遡りプラトン著「国家」に書かれた「四元徳」へと繋がります。 これがトモコとヨミが異なる方向性の「知恵」であり、隠者のタロットを手にする資質があるかの判断になったのではないかと推測しました。 2人の職業を比べると、四元徳に通じる「正義」を為す「知恵」はどちらにあるのか想像することができるかと思います。 【トモコ】 職業:探偵…探求心による知恵 【ヨミ】 職業:ジャーナリスト…悪を暴く知恵 当初は隠者のタロットをトモコに渡す予定だったのかもしれませんが、タロットに込められた意味や背景を調べていくとヨミでなければならなかった理由があるのでしょう。 タロットを所持せずともトモコには予見する能力があったので、知らないことを推測する「知恵」は正義に通じる「隠者」とは少し特性が異なると考えています。 --------------------------------------------- 隠者のタロットの力と代償 --------------------------------------------- ジャーナリストとして不正を暴く情報を探していた頃、ベオから隠者のタロットを受け取ったヨミはタロットの力を使います。 この力とは、任意の情報を拡散する遍満でしたが、この力を使うことで自分と他者の記憶の結びつきを失い大切な人から順に代償の力が作用します。 ゲーム内ではこの代償の力を「廃忘」と呼んでいました。 これがもし、独りで「正義」を為すのではなく仲間と協力して善悪に立ち向ったのであれば、また違った展開がなされたのかもしれません。 その仲間と正義を体現したifの世界として、浪漫世界のヨミは仲間と協力&団結することでタロットカードが無くても遍満の力を発現させていました。 もしかしたら、元々ヨミには隠者のタロットを所有せずとも「正義」を為す「知恵」があり資質があったのかもしれません。 これが本人とタロットと一致するときに作用するのが能力であり、力も過剰に使えばそれが代償に変わるのではないでしょうか? この記事が参考になりましたら引用またはシェアしていただけると嬉しいです。また、当記事をもとにご自身のブログで考察およびレビューにもぜひご活用ください(こちらへの報告は不要です) ただし、この記事は消滅都市ユーザー【海鮮かきあげ】の個人的見解であります。引用元を明記せずに文章の改変・自作発言・盗用・剽窃は為さらぬようお願いいたします。