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ピエール・ガニェール・パリ本店***

2019年7月。

パリのミシュラン3ツ星レストラン、ピエール・ガニェールの食事体験記録です。

6品の料理と2度に分けて提供されるグラン・デセール からなるデギュスタシオンのコースを選択しました。デザートは2度に分けてサービスされ、4皿からなる1回目と2皿からなる2回目のサービスで計6皿からなるデザートを楽しみました

レストランに到着したのは20時。ガニェール氏のレストランではアペリティフを注文してサービスされた後、メニューやワインを選んでいる間、テーブルには10品ほどのアミューズと数種類のパン・バターが並べられていきます。

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ワインは白・赤それぞれ1本ずつセレクトしました。全体的にワインの値段は非常に良心的。

白はエリック・モルガン氏(Eric Morgat , Litus .2015  )シュナン・ブラン100%。私の大好きな造り手です。ガニェール氏の料理の魅力、お皿ごとにある酸味や野菜の風味と寄り添えると思い選択しました。酸のバランス、ミネラルたっぷりで、かりんや蜂蜜の香り。時間と温度とともに、ヨード香も広がってきます。

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赤は、ドメーヌ・ロッシュ・ヌーヴ、テュエリー・ジェルマン氏の(Domaine Des Roches Nouves, Les Mémoire )カベルネフラン100%

こちらも同じく私の大好きな造り手。ワインは2時間前に開けてもらい、5皿目、6皿目以降の料理とともに楽しませてもらいました。2本とも若いですが白は始めから最後まで楽しめピュアさから包容力も現れてくる。

樽から用いられるボルドーワインのようなニュアンス、ベジタルで程良いタンニン。10年以上寝かしたものを味わっみたいと思いました。

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ガニェール氏の料理哲学、精神、流動的な料理は時に調理場のピカソと例えられることがあります。

理由の一つとして、提供される料理は常に複数の食材から構築され非常に複雑な味わいに表現されていることがあるからです。

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一見シンプルな料理でも、一皿の中には異なる食感、酸味、風味を引き立てる香辛料が複数使われていることもあります。また日本も含め世界中に数店舗レストランを展開されています。世界を飛び回りながら各国にある特徴的な食材や調味料に出会う機会に恵まれています。

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多くの料理人が料理を作る際、美味しいを前提として料理を表現しますが、ガニェール氏はそれと同じくらい、いやそれ以上に料理に対する【愛情・歓び・楽しい】が料理に盛り込まれているように感じ取れます。

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だからフランス料理にある調理法や食材にとどまらず、世界中の魅力あふれる食材・調味料・調理法をも用いて表現されることは不思議なことではなく、いたって自然なことなのかもしれません。

そんな彼の哲学が詰まった料理を味わうと、世界を旅しているかのような体験や心打たれるお皿に出会うことも珍しくありません。

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食材、盛り付け、切り方やお皿の変更は幾度となくあり、料理を仕上げている最中に急遽変更することも珍しくありません。

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私個人の意見ですが、一皿新しい料理を創造してから繰り返し作っていくと、味と盛り付け面で目指していた理想の完成度は高まってきますが、自身の創造したものに対して退屈さを覚えることがたたあります。

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それはどこか、趣味や、普段の食事の時に感じる感覚のようでもあります。

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どんなに楽しい事、好きな事や今この瞬間に食べたい料理があったとしても、自分自身の毎日、毎分、大袈裟かもしれないですが毎秒と変化する心情から常に新しく、より楽しい物を探している感覚にとても近いです。

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世界を旅し数多くの食体験を多く重ねているガニェール氏は、常に多くのアイディアに満ち溢れています。

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いつの時代も料理人がお皿に込める思いは、旬の食材の持ち味を引き出す最高の調理法であったり、食材の組み合わせからの新しい味覚や触感の発見などシンプルなものだと思います。しかしこれら全てを追い越し、置き去りにするのがガニェール氏の料理なのです。

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私が好きな詩の一つに

人が気晴らしに書いたものを、他の人が緊張と情熱をもって読む。
人が緊張と情熱をもって書いたものを、他の人が気晴らしに読む。

という詩があります。

こちらはフランスの詩人ポール・ヴァレリーの詩です。
ガニェール氏の料理はまさに前者のようであると勝手に解釈しております。

ガニェール氏は料理人に必要な3つの才能を上げています

①人を好きになること

②勇気を持つこと

③精神的に強いこと

料理人に限らずこれら3つの要素はどんな職業、どんな場面にでも役立つのではないでしょうか?

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ガニェール氏の料理の本当の魅力を理解できることは、料理人に限らず我々自身も、いつだって自由で楽しいを創造できる存在なのだと気づくヒントになるのかもしれません。

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Chef ichi

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