けみにゃん

読書記録。思ったことを素直に書きつつ、調べ物のメモも兼ねて。

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マガジン

  • ライオン

    ライオンを見に行った話

  • 浄瑠璃・文楽

  • 近松門左衛門

    岩波『近松全集』の読書記録

  • 大菩薩峠

    再読完了。3回目はいつになるやら。

  • 平家物語

    講談社学術文庫の新版平家物語全訳注を読んでいく。積ん読中。

最近の記事

大内山動物園

大内山動物園に公共交通機関行ってきた。 浄瑠璃を読んでないと思ったら、そんな旅をしていたのである。 これは個人的な記録であり、他者による再現可能性は考慮していません。実際に赴く場合はダイヤや天候など、最新の情報を確認し、十分な準備の上で遂行してください。実際に発生しうる諸問題について、一切の責任を負いません。 …と、免責文言を入れたくなるくらい、交通トラブルが怖い行程だった。スムーズに動けたので苦労せず楽しめたけれど、万が一の移動手段はかなり検討した。 まず、アクセスは3

    • 菅原伝授手習鑑

      再読完了したのでメモを。 最初に三大浄瑠璃を読もうとしたときは、これを最後に読んだはず。菅原道真が左遷されて最終的に神様になった話をどう浄瑠璃に?と思っていたし、『浄瑠璃を読もう』を先に読んでいたので概要はなんとなくイメージしつつも、上場あまり面白そうではなかったので。 出来事が盛り沢山な物語だし、あらすじを書き留めなくても、あれこれ転がっている有名作品なので、気になったところだけ書く。 菅丞相が独特なキャラクターで、どうもつかめない。人間が神様になった、あるいは、神様

      • 丹波与作待夜のこむろぶし

        今年の上方文化講座のテーマでもある作品。日程が合わず、応募さえできず。 上之巻では、江戸行きを承知しない姫君を道中双六で宥める。双六を見せた三吉=与之介と、姫君の乳母の滋野井の親子関係が明らかになるが、姫君への遠慮から堂々と名乗れない。 作中で江戸まで行くわけでもないし、道中双六は地名の折り込みを楽しむ場面なのかな。 物語の悲劇の1つである、与作/滋野井/与之介の親子問題。元々、与作と滋野井の許されぬ仲をどうにか夫婦になるが、山谷通いから与作切腹となるところを、乳母の役目の

        • 心中重井筒

          岩波文庫にも収録だがわ文楽では思ったよりやっていないようで。2016年にながと近松文楽で道行血潮の朧染を復曲公開だったそう。 上之巻の徳兵衛は、人を騙して金を借り、それを庇ったおたつの不義まで疑い始めるどうしようもない男。あれこれ迷いながらも結局重井筒屋に足が向く場面は、冥途の飛脚を想起した。発表の順序では、勿論こちらが先行だけれども。 中之巻では、おふさの不幸が明らかになり、おふさは独りで死を覚悟する。徳兵衛と合流し心中を決心するも、火責めに合う。ひたすらに可哀想な姿が

        大内山動物園

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        • ライオン
          2本
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          2本
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          13本
        • AXE THROWING
          1本

        記事

          五十年忌歌念仏

          久し振りの浄瑠璃読書タイム。 飽きて積んだ訳じゃないぜ!! タイトルの「五十年忌」は本文を読んだだけでは分からないが、実際の事件で処刑された清十郎の五十年忌。 史実のおなつは狂ってその後どうなったのか? 上之巻ではおなつ清十郎は登場せず、勘十郎と左治右衛門(清十郎の父)のやり取りから、清十郎が主人の娘=おなつに手を出したらしいことが分かる。同時に、勘十郎が左治右衛門を騙していると伸べられる。 何がどう嘘なのか?と思ったところに、中之巻。蚊帳での密通。妊娠騒ぎは大袈裟過ぎ

          五十年忌歌念仏

          ライオンコテージ

          ノースサファリのライオンコテージに泊まってきたがおー!! クラウドファンディングの時、ライオンコテージができると知った。その段階では2022年春のオープン予定とされていたので、それから待ち続けて、今年の夏のグランピング予約時にライオンコテージが出てきたときには嬉しかった。 値段はなんと、1~2人だと1人4万円から(曜日などで変動)、3人、4人だと少し安くなる。 いやー、クラウドファンディングのペア6万円を買っておけばよかったwww 勿論行きますとも!! できたばかりで分

          ライオンコテージ

          卯月の潤色

          「いろあげ」って知らなきゃ読めないよな。 上巻は卯月紅葉の末期の道行ほぼそのまま。最後の発見されて与兵衛だけ生き残る所が少し書き足されている。 中之巻では、伯母らがおかめの口寄せを頼む。おかめは伝三(伝三郎)らの悪事を非難するとともに、与兵衛が試し物になることを恐れ、出家させることを願う。 出家した与兵衛のもとにおかめが現れて、呼び出してもくれないなんてと責める。おかめが去った後、与兵衛は後を追うことを決意。伯母からもらった白縮緬で位牌と手を縛って自害。 下之巻の書き置

          義経千本桜 浄瑠璃を読もう/義太夫を聴こう

          義経千本桜の記憶が薄れる前に、『浄瑠璃を読もう』『義太夫を聴こう』の該当箇所を読み返した。 『浄瑠璃を読もう』 賢い弁慶像は勧進帳以降とのこと。 浄瑠璃以前の知識なども復習しつつ。 浄瑠璃姫の話はよく知らないので、どこかで読みたい。牛若丸時代の話は全体的に把握しておきたいな。 『義太夫を聴こう』 現行詞章は削除や挿入がありますよ、との説明。 そんな話を読んだ記憶はあったのだが、初めて義経千本桜を読んだときには詳しく確認していなかった。自分が読んでいるのは元の詞章。 現在で

          義経千本桜 浄瑠璃を読もう/義太夫を聴こう

          堀川波鼓

          先日の卯月紅葉に続けて卯月の潤色を読もうかなとも思ったのだが、収録順に堀川波鼓を。文庫でも読んでいるので再読。 世話物だけピックアップして年代順で読んでいるのだが、成立年が資料によって異なる影響で、どの順で読むべきか分からなくなっている。素直に全集の収録順に従えばよかったかな。 姦通物の中でも一番リアルというか、酒の勢いで姦通、しかも妊娠までするのがその名も「おたね」である。 「姦通しました」が、「思はず誠の恋となり」と表現される。 口止めするはずが、何をどう考えて帯をほど

          義経千本桜

          義経千本桜を再読した。 三大浄瑠璃は過去に読んでおり、義経千本桜は国立劇場が公開した動画の歌舞伎を一通り眺めたことがある。文楽でも通して上演したばかりだが、観ていないのである。 Kindleで購入した『義経千本桜 浄瑠璃傑作集』は、振り仮名もかなり細かく、台詞を鉤括弧で括ってあるので、非常に読みやすい。 近松ばかり読んでいては栄養が偏るので、出先で読むように選んだらあっという間に読み終えてしまった。 実は正体は○○で、とか、実は嘘で、といった展開を繰り返すので、息つく暇も

          義経千本桜

          卯月紅葉

          「廿二社廻り」から始まる構成は、曾根崎心中を彷彿とさせるが、こちらは片生きの心中に終わる。 まず、片生きの心中という表現があると知ったので使ってみたくなっただけである。 題に心中とないのに心中に向かう時点で察することができるわけだが、生き残った方のことを思うと堪らないな。 陥れられて信用を失った後、蔵に閉じ込められて脱出したために放火の疑いをかけられ、更には心中に及んで脇差しを落とす与兵衛、不運が続き過ぎではないか。 急所を知らなくて、おかめをも徒に苦しませるのは酷く情け

          心中二枚絵草紙

          第4巻に戻って心中二枚絵草紙。 題に心中とあると安心するのは何だろう。 曾根崎心中と用明天皇職人鑑が用いられている。観客は、あぁ先日観たな!!となったのだろうな。 用明天皇職人鑑は心中二枚絵草紙の1つ前に収録されているのだが、ついでに読むには長そうなので見送る。 弟の策略にはまり、親の金を盗んだとみなされて勘当される市郎右衛門。天満屋通いで半分勘当のようなものだったというので、盗人となれば勘当するのも致し方ないだろう。 実は養子であることが明かされて、養子故に大切にしよう

          心中二枚絵草紙

          薩摩歌

          世話物2作目、のつもりだが、第6巻まで飛んだ。 初演年の特定が難しいという話は、月報で触れているようだ。月報だけでもちょっとした読み物なので保留して薩摩歌へ。 導入があっさりしている感じはしたものの、登場人物の事情が一通り説明され終わるまでが長い。 地名を折り込むのはよくあるけれど、薬を折り込むのは面白いなと思っていたら、最後に繋がっているということかな? 華佗が名前だけ出て来て三国志が懐かしくなった。 途中からおまんと源五兵衛だけの話へと移行し、そこに残りの登場人物が順

          曾根崎心中

          とりあえず世話物24作を先に読んでいこうということで、まずは曾根崎心中。 心中に関して疑問に思うことは色々あるので、その辺も少しずつ整理しつつ読んで行きたい。 近松全集では第4巻の1作目。 作品自体は文庫で読んでいるので、もう何回目だろう。 近松を何作か読んだ中でも、曾根崎心中は確かに面白いと思う。といっても、思い入れがあって、一番好きなのは冥途の飛脚なのだが。 天満屋を抜け出す際の緊迫感、曾根崎にて脇差しを抜き放してから断末魔までの苦しい胸のうち。 特に道行は哀しいな

          出世景清

          全集2作目。 わりと分かりやすかったな。やはり、事前の知識が物を言うか。 登場人物が基本的に潔く行動するのも読みやすさの要因だと思う。 阿古屋と言えば壇浦兜軍記の方が有名だろうか。 出世景清においては、嫉妬により景清訴人を後押ししてしまう(迷ってはいるけれど)ので、女の浅ましさ、救われなさを表現する役割のよう。 この嫉妬を引き起こしたのは、小野姫と阿古屋の双方に良い顔をする景清の態度が根本的な原因なのだが、浄瑠璃では(時代的に?)男のそういった曖昧な態度は許容されるもので。

          世継曽我

          近松全集1作目は時代物。忠孝要素満載。 道行はやっぱり語りで聞きたくなるね。真似したくなるのも分かる。地名の折り込みが凄いが、既にこの時代からこんな感じなのだなと。 登場人物がよく分からん。歴史知識が足りないと、浄瑠璃単体では飲み込みにくいのが時代物が難しく感じる原因か。歴史を手玉に取るのが浄瑠璃の面白さだとは思うのだけれども。 朝比奈はねぶた頻出の力持ちだよね?くらいの知識で読みきってしまった。 下敷きとなる史実なり別の物語なりについては、都度調べるか、諦めてどんどん読む