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【最終回】全て自分が悪い…のかな?「対人関係にひそむ10のゆがみ」


【イントロダクション】あなたは気付いてる?「対人関係にひそむ10のゆがみ」
【第1回】考え方のグラデーション「対人関係にひそむ10のゆがみ」
【第2回】そのハプニングはレアケース「対人関係にひそむ10のゆがみ」
【第3回】あなたの世界はネガティブ?「対人関係にひそむ10のゆがみ」
【第4回】早とちりと予測のマリアージュ「対人関係にひそむ10のゆがみ」
【第5回】自己肯定感が低いワケ「対人関係にひそむ10のゆがみ」
【第6回】裏切りの『〇〇すべき』!「対人関係にひそむ10のゆがみ」
【第7回】レッテルってなんだ?「対人関係にひそむ10のゆがみ」



はじめに


こんにちは、元手術室看護師で心理カウンセリング・コーチング業HOLISTIC CURE JAPAN代表のChica Yoshikawaです。今回で最終回となりました。8回目の今回まで長くご愛読いただきありがとうございます。前回は【第7回】レッテルってなんだ?「対人関係にひそむ10のゆがみ」の「レッテル貼り」についてでしたね。読まれていない方はシリーズをぜひお読みください。
少々長くなりますが、最終回として「個人化」についてお話しします。


「個人化」personalization


「個人化」は罪悪感の元になる考え方です。良くない出来事を自分のせいにして考えてしまうことで、自分が原因でないことに責任を感じる認知の歪みです。「個人化」では他者に対するあなたの役職・肩書き、存在などの「影響」と他者の行動を操る「操作」ごちゃ混ぜになっています。
他者の行為の結果は、結局はあなたではなく、他者の責任なのです。


簡単な例でいうと、

  • 子供が何か問題を起こした時に「全て私の育て方が悪かったんだ」と考える。

  • プロジェクトの失敗は「うまく率いることができなかった私の責任だ」と罪悪感を覚える。



次に例をより具体的に、今までに学んできたことを組み合わせて考えていきましょう。


あなたはパートナーを思うが故の行動で、むしろパートナーが傷ついたとします。
よくある状況に置き換えるなら、

パートナーがアイロンがけをしている状況で、あなたが「綺麗にアイロンしてくれてありがとう」と言ったとします。するとパートナーは「いつもはそこまで丁寧じゃないものね」と言いました。あなたはパートナーの様子を見て、自分の行動が不適切だったことと結論づけて、自分を責めてしまうとします。



しかし、冷静にこの状況を捉えてみると、実際にパートナーがそう思ったのはあなたの行動ではなく、パートナーの「マイナス化思考」【第3回】あなたの世界はネガティブ?「対人関係にひそむ10のゆがみ」に由来しているかもしれません。
つまり、パートナーは言われたことを自分は役に立たないからだと考えて、自分は尊敬されるに値しないと結論づけている可能性があります。

なので、パートナーが思考し判断したことですから、あなたはその反応に責任を感じなくとも良いのです。

だからといって、もしあなたが浮気をしたり散財したり好き勝手をして、相手(パートナーなど)がひどく傷ついたりしても「それは相手の考えのせいだから、相手の問題だ!」と考えるのは間違っています。相手があなたの頭を殴ったら、あなたは「痛いっ!殴られた…!!」と思うでしょう。この場合、あなたの痛みの責任は相手にあり、あなたが傷つけられたという事実は変わりません。これと同じです。


あなたの感情を、あなたが正しく理解すること


上記しましたが「個人化」は「罪悪感」と結びつきやすいものです。自分が全て悪いんだという考え方の根本は、あなたの言動や役職から、他者へ与える「影響」はあなた自身であるという同一化にあります。その「影響」はあなた自身ではないのです。そして他者がその影響で行動することはコントロールできないものです。あなたは全ての未来過去現在を知る全知全能の神ではないでしょうし、他者の心や行動を全て予測することは不可能です。

まずは、全ての責任をあなたが背負いこむ必要はありません、とお伝えします。
あなたが与える「影響」があなたが他者を「操作」していることはありません。他者の行為は、他者の責任と頭の片隅に置いておいてください。

また、「良心の呵責」と「個人化」から生じる「罪悪感」を一緒であると捉えないことも大切ですが、長くなりすぎてしまうので今回はここまでにします。興味深いテーマでもあるのでこのことについてはいずれ書くかもしれません!


終わりに


最終回までお付き合いいただきありがとうございました。来年2023年も今回のようなカウンセリングのシリーズや書評なども更新しますので、末長くご愛読いただけますと幸いです。
個人的なご相談などは、以下からご連絡ください。

Instagram:@HOLISTIC_CURE_JAPAN
HOLISTIC CURE JAPAN HP

参考書籍:David D. Burns著『Feeling Good:The New Mood Therapy』





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