見出し画像

からっぽにできる場所

子どもは、部屋の隅っこが好きだ。

友だちとケンカした時。
かけっこで1番になれなかった時。
ちょっと疲れた夕方。
大好きなパパの顔が上手く描けなかった時。
せっかく作った積み木のタワーが壊れた時。

隅っこまで行き、
背中を丸めて小さくなって座る。

しばらくするとそこから立ち上がり、
いつの間にか、笑っていたりする。

ある日、すごく落ち込んだ日。
子ども達が帰って、誰もいないクラスの部屋の隅っこで気がすむまで泣いた。

無自覚に我慢していた悲しい気持ちを出して、なんだかスッキリした気分になった。

しばらくすると、私はそこから立ち上がり、
いつの間にか笑っていた。

子どもたちもみんな、心の中を空っぽにしてたのかな。

大人は子どもに、『そんなことで怒らないよ』『痛くない、泣かない泣かない』『怖くないよ』などと言ってしまう。

大人になると、無自覚に自分自身に言ってしまい、感情を我慢してしまっている。

『怒っていいよ。悲しくていいよ。怖くていいよ。』と、私は子どもに言ってあげたい。

どんな感情も我慢しなくていい。
心のコップが溢れてしまわないように。

子どもは無自覚に、隅っこは我慢しなくて良い場所だと知ってる。

子どもにとって、部屋の隅っこのような先生でありたいと思う。

#日記 #エッセイ #子ども #保育 #保育士

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?