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【選挙ウォッチャー】 衆院補選2019・大阪12区レポート。

思いがけず、めちゃくちゃ面白い選挙になってしまいました。自民党の元環境大臣・北川知克さんの死去に伴い、大阪12区では衆議院議員の補欠選挙が行われることになったのですが、これほど面白い選挙は滅多に見られるものではありません。しかも、これほど応援したくなるような人が立候補してくるのは珍しいため、いつになく大盛り上がりの選挙になりました。共産党出身のオッサンが奇跡の大金星を飾ることはあるのか。この大勝負からは目が離せません。

北川 晋平 31 新 自民党推薦
樽床 伸二 59 新 無所属
藤田 文武 38 新 日本維新の会推薦
宮本 岳志 59 新 無所属(共産党出身)

宮本岳志さんは、共産党の比例代表近畿ブロックのオジサンでした。国会で最も森友学園問題を熱心に追及していたのは宮本岳志さんであり、熱心に国会中継を見ている皆さんにとっては、これほど頼もしい国会議員は他にいないのではないでしょうか。真面目で仕事ができて熱血漢。今の日本で、こういう国会議員は極めて希少であると言えます。宮本岳志さんは今回の立候補のために共産党を辞め、今後も共産党に戻ることはないと明言しています。まさに退路を断っての挑戦です。


■ 無謀な挑戦をする共産党の裏事情

国会でちゃんと仕事をしている数少ない国会議員の宮本岳志さんが、その議席を譲り、わざわざ大阪12区の補欠選挙に出てくるというのは「共産党の闇」だと考えています。沖縄3区の補欠選挙は選挙序盤から屋良朝博さんが優勢であると伝えられていましたが、大阪12区の補欠選挙は選挙序盤から宮本岳志さんの圧倒的な劣勢が伝えられていました。実はこの選挙、宮本岳志さんが勝つ可能性は極めて低く、ほとんど人間魚雷のような選挙になっていたのです。せめて人間魚雷なら敵国の戦艦を沈めるぐらいのことをしてほしいものですが、実際には宮本岳志さんが一人で旅立っただけに過ぎません。宮本岳志さんは共産党の近畿比例ブロックで立候補しているため、この衆院補選に立候補すると自動失職となり、共産党の次点である清水忠史さんが引き継ぐことになります。宮本岳志さんが辞職することになっても共産党の議席は守られるというわけです。宮本岳志さんは共産党の中で「キャリア組」ではなく「ノンキャリア組の実力派」といった感じです。清水忠史さんは「キャリア組」なので、優等生に席を譲って、自分は玉砕覚悟の大阪12区の衆院補選に立候補し、ワンチャン狙うという形になったのだと思います。いつまでもエリートの清水忠史さんを一般人にしておくわけにはいかないという共産党の連帯意識みたいなものがあるのかもしれませんが、実力派の宮本岳志さんが挑戦してくるあたりは「共産党の闇」ではないかと思います。


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