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身体感覚を研ぎ澄ませる技法、ボディスキャン。

セラピスト的なお話し。

『感覚派』と『理論派』、技術について教えるとき、だいたいどちらかに割れる。

どうやらぼくの周りだと女性は感覚派、男性は理論派が多いみたいだ。かく言う自分も、ボディケアなどの技術を教えるときは理論で教えることのほうが多い。「ここは、こうして、こうだから、このほうがいいんじゃない?」という具合に。きっとぼく自身、理論で教えてもらったほうが「ああ、なるほど」と納得出来るから、そういう方法を使用しているのだ。

逆を申し上げると、感覚。

良い施術をしようと思うと『感覚』は外せない。大事だ。感覚はうまく言語化できない。

ボディケアにあたって、

施術者の「これくらいが、痛気持ちいい圧だよな」という感覚と

受け手の「痛気持ちいい圧」とが

一緒ではないといけない。

施術者が「これは気持ちいいだろう」と思っていても、

受け手が「痛いっ…」と感じていては何もコミュニケート出来ていないのだ。

そして実際にそういった事例は多々ある。(特に新人セラピストは圧加減がわからなかったり、指が施術用に出来ていない為起こりやすい⇒それを防ぐために会話でのコミュニケーションをとりながら、徐々に指先でも相手にとって適切な圧というものを覚えていく)


感覚というものはデリケートだ。

拇指(親指)が感知する触覚を、この仕事につくまであまり気にしてはいなかった。ざらざらする、つるつるする、なんかこのへん突っかかる、ピンと張っている。など。

子育てをして思うのは、こどもは会話が出来るようになるまでは触覚優位だ。大人は視覚優位。毛布に安心感を覚えたり、抱っこしてほしいとスキンシップを求めたり。

触覚を使うようになって、触覚の世界、非言語のコミュニケーションも非常に豊かなのだと感じる。

もっと良い施術をしたいと思うとき、その感覚を研ぎ澄ませたいと思うのは、必然であろう。(料理人が味見の際、味覚を研ぎ澄ませるのと同じで)

感覚を研ぎ澄ませたいとき、

『ボディスキャン』という技法をぼくは使う。

瞑想の一種で、本来は横になり眼を閉じ行うものだけど、立ったままや電車で座っているときなどに応用している。

深い呼吸をしながら、身体の各部位に意識を向ける。

頭~、眼~、鼻~。と順番に。指先も親指~、人差し指~、中指~という感じで。

日ごろ全身をボヤッと包んでいる意識を、集中させて感度を上げるイメージ。続けることで、「今日は右腰が張っている気がするな」とか身体の情報を繊細に感じ取れる。

右手と左手、のように2カ所に意識を向けるのも面白い。

仕事前に、ボディスキャンをすることで感覚を研ぎ澄ませ、準備をする。呼吸法でもあるので緊張や不安も緩和して、ととのう。

他の業種の方もぜひ取り入れてほしい、心身の準備体操でございます。


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