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【教育現場の課題解決】合同会社Quicken.を設立します。

初めまして!
小谷瑞季(こたにみずき)と申します。

まず、本投稿を閲覧してくださってありがとうございます。
普段はTwitterをメインに発信していますが、140字では書ききれない足跡をまとめて残していきたいと思い、noteを始めることにしました。

さて、タイトルにもある通り、この度合同会社を設立いたします。
社名は「Quicken.(クイッケン)」です。

普段は大阪大学に通う学生の僕が、なぜ起業を決意したのか。
目次はありますが、そのまま流れで読むとスムーズかと思います。ぜひ最後まで読んでいただけると嬉しいです!

※正式な会社設立日は8月4日になります。

そもそも、「教育現場」に興味を持ったきっかけは何か?

高校時代の原体験

僕は生まれも育ちも奈良県で、小中高はずっと公立学校に通ってきました。その中で、高校時代に「自分が何かしたところで、社会を変えることはできないんだな」と感じた体験から、問題意識を持ち始めました。

高校2年生の頃、学校でとあるニュースが話題になりました。

それは高校再編問題で、少子化に合わせて公立高校数が減らされることになりました。私が通っている高校は耐震性が全国トップクラスに低かったので、削減対象になると思っていましたが、実際には違いました。実際、母校(奈良高校)の校舎は閉鎖することになりましたが、削減されることになった別の高校(平城高校)の校舎に奈良高校の名が移転するという措置がとられたんです。

この報道があってから、当然一部の方が猛反発。
SNSを開けば、奈良高校の生徒に対して心許ない発信が散見され、根拠なしに自分たちが攻撃対象になっていることが容易にわかりました。この状況に問題意識を感じ、僕はSNSで生徒当事者の素直な気持ちを発信したり、校長室のドアを叩き直接お話を聞いて意見交換したりしました。(この件を端緒に耐震性の問題が明るみに出て、対応としてプレハブ校舎が建てられ校舎が使用禁止になる中、校長先生も教職員の方も不利な立場なのに生徒ファーストで行動されていました。)

しかし、現状が何も変わることはありませんでした。
いくら真実を訴えても、無根拠な攻撃的発言はネットから無くならないし、県教育長と県知事が責任の押し付け合いをしているのを見ながら、当時投票権がなくなす術がないことにもどかしく感じていました。

この当事者経験から、「自分が何かしたところで、社会は何一つ変わらない」とどこかで思うようになりました。

大学入学後の転機

大学に入ってすぐ、前期に1コマだけ割とハードな授業をなんとなく選択し、そこで出会ったアクティブな友人に感化されて、夏休みに「自分たちしかやらない挑戦をしよう」とソーシャルビジネスに挑んでみる、という経験をしました。

毎日がワクワクの連続でした。
右も左も分からない中で、前のめりで壁打ちに付き合ってくださった起業家の方々に出会い、いきなり電話したにもかかわらずやってみようと背中を押してくださった商店街の理事長や店舗オーナーの方々に出会い、その活動を発信したいと取材してくださった地方新聞記者の方に出会いました。

このように、自分たちがゼロから考えたアイデアが、沢山の方々を巻き込みながら、1つのカタチになっていくのを見て、「自分でも社会を変えられるのかもしれない」と感じるようになりました。

この経験を通して

僕が感じたワクワクの正体は、自己効力感でした。

大学での勉強や就活での自己理解を通して、改めて「子どもたちの意見を看過してしまう教育行政」に課題意識を持つようになりました。

さらに自身の経験から、子どもたちが自己効力感含め「自主性」を喪失してしまう教育現場になっていないかと、学校教育にスタンスを持つようになりました。

そうして、大学3年の冬に実践活動を始めようと決意しました。

どのようにして、会社設立に至ったのか?

2022年8月〜12月

とある企業にて、4ヶ月にかけて新規事業立案に取り組むインターンに参加しました。最終的に発表したアイデアは「学校が企業に簡単に出前授業を依頼できるポータルサイト」で、脱炭素教育を推進するためのものでしたが、新規性は低いものの最優秀賞をいただくことができました。

インターン終了後も、このビジネスアイデアをどうにか事業化したいと思い、数名のチームメンバーとともに事業化に向けたブラッシュアップを始めました。

2023年1月〜2月

出前授業の実態をもっと知ろうと思い、企業の出前授業を見学したり、文科省主催キャリア教育シンポジウムに参加したりしました。

出前授業は、学校と企業が関わる接点を創ります。

親・先生以外の社会人が教育現場にアクセスできることで、子どもたちが人生の選択肢は沢山あることに直面し、生き方を前向きに検討できるという教育現場を実現できるのではないかと考え、改めて「キャリア教育の促進」に興味を持ちました。(ここで、教育現場に対する問題意識と合流します。)

また、学校に通う子どもたちやその保護者にインタビューしてみても、STEAM教育やキャリア教育といった施策が関心の対象になっていることが分かりました。

2023年3月〜4月

関西に特化した、出前授業のポータルサイトを立案しました。

企業と学校の接点として「出前授業(出張授業)」に着目し、どの企業でも出前授業を簡単に掲載でき、どの学校でも簡単に依頼できるプラットフォームを作ろうとしました。

そこでマネタイズ案の一つとして、出前授業立案をお手伝いしようと考え、まずは一つ作ってみようと、吹田市の小学校の子どもたちに出前授業実施の機会をいただきました。

そうして、企業様に出前授業をつくらせてもらえないか提案を重ねました。しかし興味を持ってもらえても実施には繋がらず、「出前授業ができるのは一部の余裕がある企業であり、大部分の企業は様々な経営課題もある中でわざわざ出前授業を実施するインセンティブがない」という課題を認識しました。(結果、自ら出前授業を行う形を取りました!貴重な経験でした。)

2023年5月〜6月

出前授業立案型インターンシップの提案を始めました。

企業の経営課題の中で新卒採用の課題をフックにしながら、付随的にその企業の出前授業が完成する仕組みとして、「企業の出前授業を就活生が立案し、地域の学校で実施する」というパッケージ内容の短期インターンシップをサービス化し、企業様に営業活動中です。

しかし、同時並行で自治体の方にも連携できないか提案活動をする中で、今のキャリア教育の取り組みは属人的で学校現場任せな実装にとどまっている上に、「そもそも学校現場の教員・管理職の方は労働環境といった目の前の課題が山積していて、キャリア教育の必要性を強く認識できていない」という課題に直面しました。

2023年7月現在

ただいま営業しているサービスに興味を持ってくださる企業様には、取引相手が法人のみというケースもあると知り、売上目処は全く立っていない段階ではありますが、8月に合同会社として法人登記する運びとなりました。

また、教育関係者の方が集まるカンファレンス等イベントに参加したり、ヒアリングしたりする中で、新しい課題解決アイデアも考えています。早く発信できるようにこちらも頑張っていきたいと思います!

Quicken.に込めた想い

CONCEPT

教育現場の課題を「倍速」で解決する。
そして、子どもたちの鼓動を「倍速」にする。

大学生って、もっと教育にパワフルであるべきだと思っています。
というのも、大学生は「教育を受ける最後の当事者」でありながら「自身の裁量で行動を起こせる大人」である段階だからです。
教育には様々な関係主体が存在しますが、”子どもたち”に当事者目線を肌感覚で持てるのは今が最後です。
その使命感を、ブランドイメージにしました。

MISSION

方法ミッション:教育現場に、さらなるロールモデルを。
将来ミッション:すべての子どもたちに、自己効力感を。

子どもたちの精神的自立を守るには、「ロールモデルの存在」が必要ですが、もっというと「ロールモデルが子どもたち一人一人に向き合ってくれる環境」が必要だと痛感しています。
子どもたちが自主性を失う要因の一つは、身近にいる大人が一人一人に向き合えていない実態があるからだと思います。

具体例を出します。

例えば、社会人。小中高で差はあれど、そもそも学校と企業の連携が15〜20年もの間改善が大幅に増えていません。また、連携していても講演1回など、本質的な連携には距離があります。

例えば、教員。そもそも業務量が多く、休み時間でさえ子どもたちに向き合えていない状況。OECD加盟国の中でも、子どもたちの成長に影響を与えられていると実感している日本の教員の割合はその世界平均の約半分。子どもたちの自己効力感が低くなるのは、教員自身の自己効力感が低いことが一因かもしれません。

そして、英語でエフィカシーという「自己効力感」ですが、似た言葉に「自己有用感」や「自己肯定感」があります。僕はこう捉えています。

・自己有用感:必要とされるなど、他者に対して自分の存在価値を認識している。
・自己効力感:自分ならできると信じ、計画・実行できる。
・自己肯定感:できてもできなくても、ありのままの自分を受け入れられる。

難易度は自己有用感→自己効力感→自己肯定感の順に難しくなると思っています。半分勘違いでもいい(というか勘違いこそ自己効力感:結果期待<効果期待)ので、自己有用感や自己効力感を持てる教育現場になればいいなと考えます。この感覚が、自主性や精神的自立を育むのではないでしょうか?

VISION

仕組みから、教育課題に向き合う集団。

構造から疑うことで、本質的な課題解決に執着します。
ソーシャルコンセプトをとことん追求し、修正し続けます。

MISSIONを達成した社会で、僕たちQuicken.は教育現場における相談窓口のような存在になりたいと考えています。

VALUE

Creative Shared Value.|社会の当事者であれ。
Show Resilience.|逆境に強かであれ。

CSVという言葉をご存知でしょうか?
CSVとはCreative Shared Valueといって、簡単にいうと社会的価値を追求することが経済的価値の発見に繋がるといった意味です。ビジネスにおける三方よしに近い概念です。
僕たちは、社会的価値を起点に物事を考えることを約束します。ここに、ソーシャルビジネスと呼ばれる理由があると考えます。

レジリエンスとは、強靭さと柔軟さを合わせ持った資質のことです。
僕たちは行政へのアプローチも諦めてはいけないので、課題解決のためには七転びも八転びも厭わない姿勢で、課題に向き合う必要があります。

最後に

ここまで読み進めていただいて、本当にありがとうございます。

改めて、いかがでしたか?

会社設立という機会を利用して、これまでの経緯を記述してみましたが、いかがでしたでしょうか。
一人でも多くの方に、Quicken.とその中の人を認知していただけていたら嬉しいです。

特に、Quicken.に込めた想いの部分では、この半年間で見聞きしてきたことを全て咀嚼して絞り出した言葉です。裏にある思想や僕らのパーソナリティを、少しでも伝えられていればと思います。

興味を持ってくださった方へ

活動を続ける中で、「自分ひとりでできることには限界がある」とひしひし実感しています。

些細な関心で構いません。もし興味を持ってくださった方が1名でもいらっしゃいましたら、ぜひNoteやTwitterにてご連絡くださると嬉しいです。

Twitter:
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※特にお話を聞きたい方
・現役で教員をされている方、元教員の方
・教職を志望している学生(教職課程)
・教育および社会問題に興味がある学生
・教育および社会問題に興味があり、プロダクト開発経験のある方(学生含む)
・自治体で働く、教育に関心がある方
・企業で社会貢献(CSR活動)に取り組む方、関心のある方
などなど、どうかよろしくお願いいたします。

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