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チューハイでも飲んで、待つ、夏

会社で、花火大会で余った缶チューハイをあげるから持って帰ってね、と社長に言われた。

仕事帰りに予定があることが多かったので、数日は持って帰れず金曜日になってしまい、さすがに持って帰らないと!と冷蔵庫に向かった。
すると、社長が冷蔵庫の前で何やらごそごそとやっていて、あー!すみません、と叫ぶ私。
社長は、私にくれる4本の缶チューハイをビニール袋に入れて、その上から紙袋に入れてくれていた。

「これで持って帰るの恥ずかしくないでしょ」と、言われ、

「ありがとうございます」と、恐縮する私。

飲み方知ってる?と言われたので、飲み方とかあるんですか?と聞くと、

「グラスに氷を入れて、そこに注ぐ。そうしたら2、3杯は飲めるからね。で、グラスに注いだお酒を、まずは、見て楽しむ。それで、その横に缶も置いて、缶も見ながら飲む。柿ピーとかおつまみを摘みながら飲んで、そのあと食事が出てきたら、それを食べながら飲む」

へ〜、という感じ。
へ〜といっても興味のない棒読みのへ〜とは違って、感心を含む方のへ〜である。

なんだか、風情があっていいなと思った。
一週間、仕事をやりきった金曜日っぽいし、冷えた缶チューハイと氷の入ったグラスが夏っぽい。
透明感があってヒヤリとしていて、氷のカランという音も綺麗に響く、というようなイメージが頭の中に浮かぶ。

液体や缶を見て楽しむ、という感性も面白いし、社長のそういうところが好きだな、と思った。

そんな話をしてから、帰るために外に出ると、外は蒸し暑くて曇っている。

6月末に、梅雨が明けるよ7月が始まるよ、というようなことを書いたのに、まだ梅雨が続いている。

もうすぐ8月が始まりますね。

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