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【第1回】チャンネル開始に当たって

質問 地区防災計画チャンネルとは、どのようなものですか。

概要

 地区防災計画チャンネルには、以下の3つのポイントがあります。
 ①地区防災計画学会は、内閣府の防災担当官や東京大学京都大学等の大学教員等によって設立された学術研究団体です。
 ②本チャンネルは、「地区防災計画学会」に所属する有志の大学教員等の研究者が執筆しています。
 ③東日本大震災の教訓を受けて、災害対策基本法改正によって創設された地区防災計画制度に関して執筆しています。

解説

①地区防災計画学会は、内閣府の防災担当官や東京大学、京都大学等の大学教員等によって設立された学術研究団体です。

 「地区防災計画学会」(会長:室﨑益輝 神戸大学名誉教授)は、内閣府、総務省消防庁、国土交通省、地方公共団体等の防災担当官や東京大学京都大学をはじめとする全国の大学教員等の研究者によって設立された学術研究団体です。
 この学術研究団体は、2011年の東日本大震災の教訓を踏まえ、2013年の「災害対策基本法」の改正によって創設された地域コミュニティの共助による防災計画づくりに関する「地区防災計画制度」の普及啓発や調査研究等を目的としています。この地区防災計画の概要ですが、住民主体で実施されるボトムアップ型の共助の活動であり、強制や義務ではなく、あくまでも自発的な活動です。
 設立から8年間で機関誌「地区防災計画学会誌」を23号発刊し、掲載された査読論文、寄稿論文、予稿等は400本以上にのぼります(2021年12月時点)。
 従来は、大学教員等の研究者を中心とした「正会員」による活動が中心でしたが、公開シンポジウムに参加された一般の方々からの希望を受けて、2020年からは、「サポーター(連携会員)」の仕組みを設け、地域コミュニティの現場で活動されているコンサルタント、防災士、自主防災組織、町内会、公務員やそのOBの方々等にも幅広く学術研究の支援者として参加していただいています。

②本チャンネルは、「地区防災計画学会」に所属する有志の大学教員等の研究者が執筆しています。

 本チャンネルでは、専門的な議論の一端を公開し、防災活動に興味を持っていただくことを狙いとしています。なお、学術研究団体としての出版方針の関係で、本チャンネルでは、有料記事とさせていただいている部分があります。
 本チャンネルの執筆者たちは、「地区防災計画学会」に所属する有志の大学教員等ですが、学際的な観点から、できるだけ一般の方にもわかるような用語で、防災に役立つような短いストーリーをお伝えしたいと思います。本チャンネルを通じて、一人でも多くの方に防災に興味を持っていただき、いざというときに自分自身やまわりの方の命を守っていただければと考えています。
 本チャンネルに掲載される記事はあくまでも、各研究者の学術的な見解に基づくものであり、各研究者の過去及び現在の所属組織の見解とは関係がありません。また、知財関係の権利は、原則として、執筆者に属します。

③東日本大震災の教訓を受けて、災害対策基本法改正によって創設された地区防災計画制度に関して執筆しています。

 2011年の東日本大震災では、被災者を支援するはずの行政自体が、津波によって大きな被害を被って、被災者を支援することが難しい状況が生じました(公助の限界)。そのため、被災者たちは、行政の支援がくるまでの間、地域コミュニティで相互に助け合って、避難所等で厳しい状況を乗り切らなければいけませんでした。公助の限界を迎える中で、地域コミュニティの自助・共助が大きな役割を果たしたわけです。その教訓を踏まえ、2013年に内閣府によって「災害対策基本法」が改正され、地域コミュニティの住民や地元企業の共助による防災活動に関する「地区防災計画制度」が創設されました。
 この「地区防災計画制度」は、地域の住民等が主体となって、地域の特性に応じた計画を作成するとともに、計画に基づく防災活動を実践し、継続していくことによって、地域防災力を向上させることを第一の目的としています(地区防災計画と地域防災計画は違うものです。)。既にいくつかの地区では、地区防災計画を作成していたため、住民の命が助かった事例が報告されています。また、このような住民等による自発的な共助の防災活動は、地域コミュニティの活性化やまちづくりにもつながっています。
 そのため、現在、地区防災計画づくりは、コミュニティ防災の関係者から注目を集めており、全国に「燎原の火」のように広がりました。そして、既に5,000以上の地区で地区防災計画づくりが進んでいます。

内閣府「みんなでつくる地区防災計画」のHP

まとめ

 ①地区防災計画学会は、内閣府の防災担当官や東京大学京都大学等の大学教員等によって設立された学術研究団体であり、②この「地区防災計画チャンネル」は、地区防災計画学会に所属する有志の大学教員等の研究者が、執筆しています。③なお、地区防災計画制度は、東日本大震災の教訓を受けて、災害対策基本法改正によって創設された地域コミュニティの防災計画に関する法定計画の制度であり、2014年に地区防災計画制度が施行されて以来、内閣府の「地区防災計画ガイドライン」やその概要に基づき、地区防災計画の策定数は伸びており、全国5,000地区以上の地域コミュニティで地区防災計画づくりが進んでいます。そして多くの地区防災計画づくりの素案がつくられ、多くの事例や課題も出てきています。
 この3点が地区防災計画チャンネルのポイントです。
 なお、地区防災計画の意味や必要性からはじまって、防災意識を持つようになったきっかけ防災への取組の重要性計画づくりの課題まで取り上げてみたいと思っています。地区防災計画学会誌の発行情報、地区防災計画学会シンポジウムの開催情報、地区防災計画学会の地区防災計画モデル事業等の情報も掲載させていただきます。



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