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小さな町が住みやすいと思えるには

「便利で豊かな街で生活したい」
あなたはそのように思ったことはありますか?

高校を卒業すると、東京や大阪、名古屋、札幌、福岡といった大都市で進学や就職をする方は多いと思いますが、「選択肢の多い都会で生活して、自分の視野や可能性を広げたい」と想像するだけで夢が膨らむと思います。

都会ではない「小さな町」では豊かな生活が難しいと感じてしまうのか、一方で海外の映像を見ていると小さな町でも豊かに生活しているように見えるのはなぜなのか、そして小さな町が住みやすいと思えるために必要なことを述べていきたいと思います。

①都会はなぜ便利で豊かに見えるのか
東京や大阪には昔から多くの人が集まっていましたが、なぜ都会生活は便利で豊かに見えるのでしょうか。それには以下の理由があると思います。
・仕事の種類や量が多い
・鉄道等の公共交通機関が充実しており、車がなくても生活できる
・若い人が多く、活気がある
・街並みが洗練されていて綺麗な場所が多い
・あらゆる地域から物が集まるので、デパートや百貨店等が充実している
・病院が多く、専門病院も充実している
・流行が広がりやすい
・大学や専門学校が多い

一般的に10代の若年層にとっては学びの場所が多く、流行の先端にあること、20代~50代くらいの働き盛り世代にとっては仕事の種類や量が多く、便利な生活ができること、60代以上の高齢の方にとっては病院や医療施設が多く、安心して生活できること、というように世代ごとに都会に魅力を感じて多くの方が集まるのではないかと考えられます。
また、様々なマイノリティやマイナーな趣味を持つ方にとっても、同じような仲間が一定数いるので、暮らしやすいと思うのではないでしょうか。

②小さな町では豊かな生活が難しく感じてしまう理由
①では都会生活が豊かで人が多く集まる理由を述べましたが、小さな町では都会生活とは真逆の立ち位置にあるのではないでしょうか。
・コミュニティが狭く、プライバシーがあまりない
・仕事の種類や量が少ない
・車がないと生活できない場所が多い
・伝統的な価値観を持っている方が多い
・学校や病院、デパートの選択肢が少ない

小さな町では都会と比べて選択肢が少ない環境で、進学先は特定の場所に限られている、出かける場所がいつも決まっている、といったように安心感と閉塞感の両側面があるのだと思われます。また、一人1台車を所有することや地域の風習に従うこと、自治会に参加することが普通だと見なされる地域も点在し、都会とは違う生活スタイルも価値観も異なっています。
一方で、小さな町には、都会にはあまりない魅力もあります。
・地場産品・特産品がある
・広い公園がある
・水田や畑、牧草地が広がっている
・アウトドアな趣味を楽しめる
・方言が残っている
・人と人との距離が近い

③小さな町が住みやすいと思えるには
テレビや雑誌で海外特集をされることは多く、ヨーロッパの田舎町が好きな日本人は多いのではないでしょうか。
ヨーロッパの田舎町のイメージといえば、煉瓦や石を積み上げた建物やオレンジ色の屋根、タイルや石畳の路地、中心にある広場と噴水、小さな教会、伝統ある喫茶店とレストランといった町並みを思い浮かべます。
歴史を大切にしており、現代まで町並みを保存している部分が魅力に感じるのではないでしょうか。
また、喫茶店で何時間も談笑していたり、市場で買い物をする文化が残っている部分も、人とのつながりや好感を持ち、好印象にさせているのだと思います。

もちろん、このようなヨーロッパのイメージは旅行者目線からの視点が大きいことは否めないですが、ヨーロッパの田舎町が豊かに見えるのは確かだと思います。私は日本の小さな町でも豊かに生活できるにはどうすればいいのか、ハード面とソフト面の両方から考えてみました。

☆ハード面
・生涯学習ができる教育機関がある
→(目的)大都市と変わらない学びの場を提供できる
→(方法)外部講師とオンライン講座の両方を整備
→(場所)学校、交流センター等  

・交流型の集合住宅を増やす
→(目的)プライバシー確保と一人暮らしの寂しさの両方を解消できる
→(設備)個人の部屋と共同空間を設ける
→(引っ越し)引っ越しのハードルを下げ、比較的簡単に入居・退居できるようにする・
→(住民間)住民間は家族に準じる関係
→(旅行者)ゲストハウスとして、旅行者の部屋も設ける
→(犯罪抑止)住民間は人見知りのため、犯罪抑止に繋がる

・私有地から公有地へ移行する
→(目的)個人が管理していた土地を公有地にし、農地や空き家を集約する
→(効果)農地を集約することで、作物の生産性向上に繋がり、また空き家を集約することで、その空間を再開発できる
→(雇用)農地集約によって農業法人を築くことができる(農業参入のハードルを下げる)。また、空き家集約と再開発をするために必要な雇用を築ける。

☆ソフト面
・地域の歴史や文化を守ると同時に、外部の方との交流を増やす
→(目的)地域の歴史や文化を学び、愛着を持つ方が増える。
→(比較)他の地域や国に行くことで、地域の魅力や課題について学ぶきっかけを築けたり、また他の地域から人を呼び寄せることで、地域を活性化させる。

・制度ではなく、社会が分配型になる
→(目的)住民間で思いやりのある社会を目指す。
→(対象)衣服や食べ物等

大都市には自由と多くの選択肢があり、小さな町には限られています。
現在はネット社会になり、どのような場所でも世界中の情報を得ることができますが、住む場所による差は依然として存在しています。
私は小さな町が住みやすいと思うために必要なことは2つあると考えています。
1つ目は伝統や文化を守りつつ、外部との交流を積極的に設けることが大切だと思っています。
例えば、他の地域で勉強・定住する機会を作ることや、外部の方に来てもらい、生活体験してフィードバックを得るといったことです。
外部との交流を行うことで、自分の地域について客観的に見つめることができるのではないでしょうか。
2つ目は私有を公有にし、分配と共生を目指すことが大切だと思っています。
現代は自由資本経済主義によって、モノやカネ、資本が重要とされる社会ですが、格差拡大によって貧富の差が広がってきています。
小さな町においても例外ではないと思います。
私は小さな町だからこそ、共生して生活することは大切ではないかと思っています。自分にとって必要なものは私有にして良いと思いますが、使われていないものは他の必要としている人に譲る寛容な社会も良いのではないでしょうか。

今回は私の理想論が中心となってしまい恐縮ですが、町づくりを考えるきっかけとなれば幸いです。

ありがとうございました!


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