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【クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ】東京都現代美術館

ふわふわ~って花びらが舞っている中にいるような。
キラキラ~って眩しい輝きの中にいるような。
ブランドに疎い私ですが、夢心地にさせてもらいました。

まずドレスがすごい(当たり前)。人間を引き立てまくる(言い方)。
人のデザイン力、立体化力(?)、縫製力。

展示空間もフロアぶち抜きあり、天上鏡張りの広がり感あり。
テーマ毎にそれぞれ魅力的で、進んでゆく毎に楽しい。

更に更に。
香水の歴代CMやブランドムービーなどの映像が流れていたのですが、私はこの展示会の中でこれが一番グッときた!
ブランドが発しているメッセージをこんなに雄弁に伝えるクリエーターさんたち、本当にすごい。
なかなか見られないお宝アーカイブ、最高でした。

と、大変充実した内容で「こりゃ混むわ」と納得しました。

●イベントの概要(Webより)※ちょっと省略

パリ装飾芸術美術館での成功に続き、ロンドン、ニューヨークと世界を巡回してきた「クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ」展を開催します。本展はディオールと日本との真摯かつ貴重な絆を称える特別な展覧会となります。

建築家、重松象平氏が日本文化へのオマージュとしてデザインした新しい空間演出に導かれ、フロランス・ミュラー氏のキュレーションにより再考案されたこの回顧展では、創設者クリスチャン・ディオールが影響を受けた芸術から、彼の庭園に対する愛、豪華な舞踏会の魔法、ディオールのコレクションに最初から影響を与えていた日本の豊かな創造性への魅力など、素晴らしい発見を伴う75年を超える情熱にスポットが当てられています。ユニークなコラボレーションと相互への賞賛によって結ばれたこの揺るぎない友情は、ほとんどが初公開となる貴重なアーカイブ資料によって映し出されます。

●感想①:空間とドレス。

「美しい」って何?って改めて考えるとよくわからない。
けど、これを「美しい」と言わずしてなんと言おう、と思っちゃいました。
それくらいの「ほわ~」という感覚。

神話の女神様のようなイメージ。
花、動き、軽やかさ、柔らかさ、瑞々しさ、曲線。
なのかな?

空間は無限の広がりを感じるスペースと、キュッと集中させてくれるスペースが両方配置されていて飽きませんでした。
広がる系の空間では、天上が高くて、時に鏡になっていたりして、神話か夢かのような幸福感。
集中系の空間では、静かな気持ちで人の内面までのぞけるような気持ちになり、その歴史まで思いを馳せてしまいました。

●感想②:ブランドの世界観を伝える。CM、コンセプト映像が私たちとブランドをはっきりとつなぐ。

地下に行き、カーテンに仕切られた部屋に入るとそこは暗い部屋で、大きなスクリーンがあって映像が流れていました。

なんかレトロな映像。
そう。歴代香水のCMが流れていました。
MISS DIORのナタリー・ポートマンと、J’adoreのシャーリーズ・セロンは比較的長い期間に渡ってCMに登場しているので、馴染みがありましたが、その他の俳優さんは知らなかったし、それこそ自分が生まれる前のCMなど初めて見たので興味津々でした。
それぞれの俳優さんの個性、時代、CMの作り方がありつつも、「全部ディオールだ。。」とはっきりわかる。
ディオールってこういうブランドだよって、具体的なシーンで、物語で、超わかる。
その伝達力、表現力に感動しました。

そして。
私が一番グッときたのはコンセプト映像です。
20分~30分くらいあったかな?
恐らく神話の時代の設定(ヨーロッパ?)。森の中に妖精のような、神々のような者たちが登場してきます。
彼らは裸であったり、木や毛皮を荒く身にまとっていたりと原始的ないでたち。
そこへ、2人の兵隊さんが担架のようなものに家の形をした駕籠(かご)のようなものを乗せて歩いてきます。その中にはドレスがいっぱい。
兵隊さんたちは、歩いてゆく先々で神々(or妖精)にドレスを与えていきます。

森の中で池のほとりではしゃいでいた者、水の中を泳ぐ者、木と一体になって人目もはばからずずっとキスしているカップル、ややもすると動物のようにも感じられていましたが、

ドレスをまとってその行動をすると。

全く違う光景が立ち上がってきます。
人間が服を着る意味。しかも人を美しく見せる服。
この映像は、服、ファッションが社会的で文化的な営みなのだと強く感じさせてくれました。
森、という背景はちっとも変っていないのに。

制作者についてメモってくればよかったな~。これ作った人、すごい。

●まとめ

製品はもちろん豪華で優美でしたが、
CMやコンセプト映像を含めたブランドイメージの完成度の高さにやられました。世界の頂点にいるデザイナー、プランナーなど制作者の力にただただ圧倒された展示会でした。
ためいき~。






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