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一生勝てっこない。けど、妥協しないモノづくりを来年もしよう。

怒涛の稲刈り&はぜかけから早くも2ヶ月が経とうとしています。
今年も稲刈り時期に雨が降り、足場の悪い中での作業となりました。

令和4年度 新米和子米(わこまい)の詳細は、下記PDFよりご覧の上、メールにてお問い合わせ・ご注文くださいませ。有り難いことに、「今年の新米も美味しい!」とお声をいただきました。新しい品種も仲間入りし、品種ごとに全く異なる味わいとなっております。その日の気分やお料理によって、お米を変えてみるのも楽しめますよ。

稲刈り後は、休む暇もなくえごまの収穫が始まりました。
1日で目の前の山々の紅葉が進むのだから、えごまだって、茶色くなります。昨年よりも収穫量は増えたものの、まだまだ目標の反収100キロまでは遠い道のり。

刈り取り前のえごまの実

4月から新規就農し、気づけば今年も1ヶ月ちょっと。
2月が終わる頃に、知り合いに「今年も残り10ヶ月だ…」と話したところ、「そういう風に考えたことなかったです笑。」と言われました。
年々、1年が早いと感じているのは年のせいだと思っていたけど、最近そうでもないかなと思いはじめました。

農業をやっていると、春にはこれ。夏はこれ。って感じで必ずやることが決まっていますが、農業者として経験値ほとんどゼロベースのわたしは、予想外のことが多々起こるんです。
その都度、頭を抱えてどうしよう~と考えて壁をよじ登ってまた転げ落ちての繰り返し。

機械除草中
除草の甲斐もあって、順調に分けつしていたが…

今年の夏、最高分げつ期までは雑草に負けじまいと、必死に除草作業して、順調に稲も成長していました。その後、まさかその田んぼでいもち病が発生するとは夢にも思わず、さすがに参りました。ここまでの苦労も水の泡になってしまうのか…田んぼの畦で腰に手を当てて、正直ため息しか出ませんでした。「農薬は意地でも撒かない。」と決めていたので、苦肉の策、ストチュウに初挑戦。これを撒いたところでいもち病が収まるという補償もなく、13キロ近くある噴霧器を合計110リットル撒きました。あまりに重すぎて、腕とれるかと思った…

「何撒いてるだ?!」
「酢と焼酎です」
「そんなんで効果あるの??」
「あるらしいです…(知らんけど!笑)」

効果があるかどうかなんて、私だって知らんのだよ。
本当かどうかもわからないネットや本の情報から、抜粋してますから。
こういうとき、農薬不使用の田んぼをやっていると、情報収集にものすごい時間と労力がかかる。

結果は、ですね。
やってよかったです。
やってなかったら、ほとんど収量なくなっていたと思います。
あきらめたらそこで試合終了(収量)ですよ。のお言葉通り。

憧れの農家Mさんがいるのですが、その方に
「どうやっていもち病止めただ?」と聞かれました。
他人様がみても、いもち病が止まったとわかったようです。

出来るなら、いもち病にならないのがいちばんなのですが、
なったことで今後いもち病対策として、事前に出来ることや事後の対策等、結果的に自分にとって、マイナスからのプラスになれたかなと思います。

ちなみにこの憧れの農家Mさんのひとめぼれ、とっても美味しい。
両親と一緒に食べたところ、(娘が作ったお米よりも)ひとめぼれが美味しいと容赦ないカウンターパンチを入れてきた笑。正直言って悔しい気持ちでいっぱいでした…

この話を憧れの農家Mさんにしたところ、笑いながら
「今年は俺の勝ちだな!」とひとこと。

なんか冗談でも胸にこみ上げるものがありました。
一生勝てっこない。けど、妥協しないモノづくりを来年もしよう。と
大豆を収穫し、枯れ草にまみれながら思った日でした。

話は戻って、年々1年が早く感じてしまう話ですが。
こどもの頃に楽しかった時間ってあっという間に過ぎてしまう、この感覚に似てるんだと思います。
正直、忙し過ぎて記憶があまり残ってない就農1年目。
大変だし、身体も堪えるけど、全部ひっくるめて楽しいから、あっという間だったんだと思います。

次から次へと反省、課題、やりたいことが湧いて出てくるうちは良しとして、偉大なる先輩方から学ばせていただきながら、妥協しないモノづくりを今後も楽しんでいきます。


ちりえん - 縁あれば千里 - wako