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【更年期体験談:その2】思わぬ症状が「更年期障害」だった

すみません。更年期障害体験談の続きを書く予定がだいぶ遅くなってしまいました。今回は少々シビアな内容になるので、お読みになる方はご注意ください。

更年期障害あるあるな症状は意外と軽かった

更年期障害あるあるな症状として知られているのは、「生理の異常」「ホットフラッシュ」「めまい」「イライラ」あたりでしょう。

私も一通りそれらの症状は出ましたが、倦怠感以外は意外と症状が軽かった記憶があります。

しかし、精神の症状にはかなり苦しめられました。それが更年期障害の症状とは思いもよらなかったので、症状が出てから更年期外来にたどり着くまで5年以上かかってしまいました。

ここからは、更年期に私を襲った症状についてお話していきます。

一番長く悩まされたのは「倦怠感」

更年期に一番長く悩まされたのが、起き上がれないほどひどい「倦怠感」でした。特に朝から正午にかけて倦怠感がひどく、毎朝起き上がるだけでも難儀しました。

それでも、気力だけで子どものお弁当作りや掃除などの必要な家事を行うことはできました。しかし、それが終わるとボロ雑巾のように倒れ、指一本動かすのも辛いくらいのだるさに包まれたまま1日が終わった感じです。

そんな自分が情けなく思えて何度泣いたかわかりません。

ただ、その程度の症状で更年期外来を受診することは全く考えず、命の母などでしのげると思っていました。

今考えればそれは甘かった!!

その時点でさっさと更年期外来を受診するべきだったと後悔しています。今さらですが。

うつ症状に悩まされて精神科にGO

心がどん底まで落ち込むようなうつ症状にも長く悩まされました。
この頃ちょうど子どもの反抗がひどくなって辛かったですね……「夫に子どもを押し付けて離婚したい願望」や「今すぐ死にたい願望」がしょっちゅう脳裏をよぎりました。

ただ、そこそこ健康なアラフィフがピンピンコロリすることは不可能ですし、離婚するなら経済的な自立が必要です。そこで専業主婦だった私は職探しを始めましたが、倦怠感で結局職探しは中断せざるを得ませんでした。

あの頃はまったく身動きが取れず、リアルに死ぬことばかり考えていましたね……(遠い目)

ただ、これまでの人生で最大級に辛かった銀行員1~3年目のセクハラパワハラ地獄よりはまだ全然ましな辛さだったので、何とか持ちこたえられました。

また、同年代の友人や更年期障害を経験した母親が私の辛さに共感してくれたので、心理的な孤立は避けられたのも大きかったです。

さらに幸いだったのが、「これはヤバい。医療の力を借りねば」と判断する力が私にあったことです。

私は精神科受診に強い抵抗がある年代ですが、それ以上に自分が危ないところまで追い込まれていることに危機感を抱いていました。

その危機感が最終的に私の背中を押して精神科受診につながり、うつ症状は大きく改善されました。

……まあ、これもまた本来進むべき方向性からずれてはいるのですが……

思春期から続いていた摂食障害が精神科の治療で寛解したのでよしとします。

うつの改善後新たに「ザワザワした不安感」が…

うつ症状が改善されたのと入れ替わるように、新たな精神症状として「ザワザワした不安感」が到来。不安感は服薬治療を受けてもなかなか改善されませんでした。

そうこうしているうちに、通っていた精神科に大きなトラブルが発生して急に閉院。連絡すら取れなくなりました。(その理由は私も知っていますが身バレ防止のためにここでは伏せます)

そこで処方された残りの薬を飲んでいるうちは問題なかったのですが、薬が終わったあとしばらく放置していたら激しい動悸やめまいで立っていられないほどひどい状態になりました。

そこで、あわててかかりつけ医に相談し、医師に紹介された別の精神科に行ったら「薬の離脱症状ですね。うつ症状はもうないようですから減薬しながら半年で断薬しましょう」と言われました。

その時「ザワザワした不安感」が止まらないことについても医師に話したところ、「それは更年期障害によくある症状です。まずは更年期外来で治療を受けてみて、それでもだめならうちで治療を始めましょう」と言われました。

また、医師は「うつ症状も更年期障害が原因だったかもしれませんね~」とも言いました。

そこで初めて、「更年期障害ではイライラ以外の精神症状もあるんだ!」と気づいた次第です。

結果的には2番目の精神科医が指摘したことがビンゴでした。

更年期外来では問診や血液検査の結果を見た医師がびっくりするほどひどい状態だったようです。

そのせいか、医師からは「ホルモン補充療法(HRT)でいきましょう!」と言われ、さっそく貼るタイプと飲むタイプの薬の服用を開始。なんとたった2週間で「ザラザラした不安感」がうそのように軽減されました。

同時にずっと悩まされていた倦怠感もほとんどなくなり、「長く苦しんだあれはいったい何だったんだ?」と思うほど劇的に症状が改善されました。

それを機に中断していた仕事探しを再開。結果的に今の仕事にたどり着きました。その仕事が自分に合っており、かつ、経済的な自立につながる「手に職」であったことが自信につながって心がさらに安定しました。

その間に子どもは学校を卒業して社会人になり、今は結婚して子ども(孫)も生まれました……思えば非常に長い更年期でした。

現在も更年期障害の治療は続いていますが、そろそろ終息に向かっています。

いよいよ高齢者の仲間入りかぁ……と思うと複雑な気持ちもありますが、心身ともに楽になってきたので、今はそれなりに人生を楽しんでいます。

思いも寄らない症状が更年期障害の場合も

私は昔から不調があればすぐ病院を受診する人間ですから、典型的な更年期障害の症状が強く出ればすぐに更年期外来に行ったでしょう。

しかし、それをしなかったのは私に強く出た更年期障害の症状が思いもよらないものだったからです。

まさかうつや不安感などの精神症状が更年期あるあるな症状だなんて考えもしませんでした。

今はそのような情報もネットなどでよく見かけるようになりましたが、10年前はそれほど周知されていませんでした。

おかげで長く更年期障害で苦しむ羽目になりましたが、それもまた貴重な人生経験だったと思うしかありません。

ただ、これから更年期を迎える人や現在更年期真っ最中の人に私と同じ思いをしてほしくはありません。だからこそ、少々言いにくい精神症状で苦しんだ話をここでしました。

もし、40~50代で私と似たような症状に苦しんでいる人がいたら、早めに更年期外来の門をたたくことをおすすめします。数週間~数ヶ月の治療で症状が改善されて楽になる可能性が高いでしょう。

今心身の不調に悩んでいる人は、更年期外来で相談してみてくださいね。


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