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佐川美術館での樂直入展で感じたこと ー茶道雑誌三月号を見ながらー


茶道雑誌3月号 現代語で読む『不白筆記』をお茶と共に

「不白は茶の湯における守破離を、

守 下手
破 上手
離 名人

のように下手・上手・名人の三段階に比定し、さらに守破離のそれぞれの要地を諺や経文で示しています。(中略)さらに最後に「夫茶道在心不在術、在術不在心、心術双忘、一味常顕、是茶道之妙道也」と書き加えていますが、その意味は「茶の湯というのは心の中に術があるのではなく、また術の中に心があるのでもない。心と術をともに忘れ去ったところにこそ茶の湯の真実が現れ出るのであり、これこそ茶の湯の至上の境地である」といった意味になるでしょう。」

茶道雑誌 2023年 三月号 現代語で読む『不白筆記』
谷 晃 第十四回 川上不白の茶の湯論⑦より


「守破離(しゅはり)」という言葉は今までに度々耳にしてきたが、なかでも昨年来参加している樂美術館のギャラリートークで樂直入(らくじきにゅう)さん(=第十五代 樂吉左衛門さん)が仰った言葉が印象に残っている。


その樂直入さんの展覧会を見に佐川美術館に行ってきた。日差しは柔らかくても、琵琶湖畔を強くて冷たい風が吹いている、そんな日だった。4月からオンラインでの入館予約が必要とのことで予め携帯電話に入れておいた二次元バーコードを係の方に読み取って貰って入る。


山下清展もやっていたが、私が楽しみにしていたのは樂吉左衛門館。『守破離の彼方』と題してさまざまな作品が出ていた。展示室に掲げられていた『破の破』という言葉が頭に残った。


全ての部屋を見た後、今度は光の量を抑えて薄暗い空間に茶碗が浮かび上がる景色をゆっくり感じたくて、展示室の椅子に座ってみた。幸い人が少ない時間帯でほぼひとりじめというような空間。手のひらに収まる茶碗から出てくる大きな力を感じたような気がした。


茶碗が手のひらサイズといっても直入さんの手は御自身でも仰っているように大きめで、私には茶碗の物理的なサイズも大きく見えたのだが、ガラスの向こうにいた茶碗たちは時にはダイナミックに、時には静かな景色に見え、温かさや優しさも感じるような力強さを堪能した。


感覚的に見ていたが、ふと『このお茶碗、飲みやすそうだな』と思う瞬間が何度かあった。直入さんの『茶碗は飲んでなんぼだから』と仰っていた言葉が聞こえたような気がした。



目に焼きついているあの景色。茶碗を見に美術館に行き、それが目に焼きついていることを思い返す日が来るなんて、お茶を習い始めた頃の私は全く想像もしなかった。あの頃の自分が知ったらなんと言うだろうか。先のことはわからない…ふとそんなことを思うひととき。



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