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『短歌往来』2020年8月号

①加藤治郎「誌上シンポジウム」〈小池は「人生に対する姿勢」を問い「本当に人間が切り離されていけると思っちゃ、それは思い上がりだよ」と言う。〉1991年の話だから小池光の考えは20年近くブレていないことが分かる。そんな小池は誰より劇的に短歌の言語を変えてきたのだ。

 1990年代に文語に軸足を置いて詠った歌人、例えば河野裕子や小池光らによって口語も変わった。それは口語中心で作歌していた歌人たちより影響が大きかったのではないか。その辺り、いつかじっくり考えてみたい。

山に飲まれてしまつた隣(となり)ん家(ち)のことを語ればウケる都会の人に 田村元 なぜウケるんだろう。想像を絶するからだろうか。韻律も破調で、七・八・五・七・七と読んだ。十一・九・七・七もアリか。上句で土砂崩れのように言葉がなだれ、下句は定型で軽く収めている。

2020.8.7.~8.Twitter より編集再掲