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諸行無常

母校の近くで仕事があって久々に降りた駅。2、3年ぶりくらい?
ここに限らず、同じ都内でも、距離的には近くても、行かないときは行かない場所というのが結構ある。

JR、私鉄に加えて地下鉄も通ってる駅なのでいつ行っても大抵混雑しているはずなのに、やはり今日は人も少なめ。というか若い大学生風の子があまりいない。そっかオンライン授業で通学してないからか、と気づく。いつもは猥雑な感じがするのにちょっとおとなしい感じさえする。まぁ、この暑い時期にはそれくらいのほうがいいのだろうけれど、なんとなく街のエネルギー自体も減っているような。わかりやすくいうと、純粋に静かというか。

仕事の合間に辺りをちょっと散策してみたら、数年前に気に入って結構通っていたお店がなくなっていたのは残念だった。やっぱり、学生がいなかったりして厳しいのかな。タピオカやちょっと珍しいお茶を売っているお店もがらーんとして誰もいなかった。
代わりに、ドラッグストアがめちゃめちゃ増えていて、なんだか今の時代をまさに反映している感じだなぁと痛感。大通り沿いの徒歩ほんの1、2分内の間に3軒!最近新しく開店したらしいところは、かつて本屋さん?いや旅行代理店だったような気もする。あぁ、さもありなんという感じ、、、

大きくは変わっていないようでも、やはり街というのは時の流れとともに変貌していくのだなぁと感慨にふけって仕事場に戻ったら、ちょうど安倍首相が退陣するとのニュース。やはり、でも、まさか、みたいな気持ちがごっちゃになって思わず会見に見入ってしまう。連続在任期間歴代最長、という記録を作って、数日後に辞意とは。すっかり肩の荷がおりたのか、なんだか逆に人間らしい?表情をしているような気がしたけれど、このタイミングかぁという思いは拭えない。

2020年、いろんな意味でほんとうに予想がつかないことが立て続けに起こって、間違いなく歴史に刻まれる年になるのだろう。こんなにも不確かで、先が見えないこの時代は不幸な時代と思われてしまうのかな。どうせなら、明るい方向に向かっての変化ならいいのだけれど。新しいことに対しての興味や希望はまだまだ失われていないから。



歳をとったせいか、“変わりゆくもの”に対しての耐性が弱くなってきている気がする。できることならそのままであってほしい、かわらないでほしい、と思ってしまう。見慣れた街並みとか、今自分が置かれている時代とか世相とか、人の心とか。
自分だけはいつも同じ場所にいて変わらないつもりでいても、そんなことはなくてやっぱり自分だって変わっているのだろう。昨日の自分とはほとんど代わり映えしなくても、数年前と同じ服に身を包んでいても、容姿も中身も変わっているんだよな、悲しいことに。考え方に至っては、変わってないことはつまり“何も成長がない”ってことなのだと愕然とする。

そんな今の自分を、例えば数年ぶりに見た知り合いはどう思うのだろうか。




ゆく川の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず、、、

ーーどこかの清流のせせらぎを聞きながら、『方丈記』をあらためて読み返したくなった夜に




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