見出し画像

都会という温室育ちのわたしはいつも、地方の夜の暗さに慄く

車でずっと北上して、実は今秋田にいる。
そう、これまた全然Gotoとかでなくオシゴトなのだけれど、出張というよりも出稼ぎというか、遠征ということばに近い感覚(いろいろと予算面で厳しい部分があることも含め)。だって新幹線こまちじゃないのよ、マイクロバスなのよ、移動で一日費やされちゃうのよ。

東京を出発して、走っても走っても外は変わらない暑さだった。途中、宮城県内でちょっと車のエアコンの調子が悪くなるというトラブルに見舞われたのだけれど、東京とほとんど変わらない暑さで皆ぐったりしていた。直ったからよかったけれど。

わたしは全く運転ができない(免許すら持ってない)ので、ぼんやりと車窓を眺めながら大部分の時間を過ごすことになる。一時期は暇にまかせてTwitterやInstagramをちょいちょい更新していたら、あっという間に速度制限がかかってしまったり、通信料がなかなかなことになったりしてしまったので、SNS系はほどほど嗜む程度にしている。スマホにはdTVから動画を数本DLしておいたけれど、小さな画面で手で持ちながら見るのは厳しい。(スマホを固定する台もないので)最終手段として持っているだけ、という感じ。PCは持ってきたものの、wi-fiがないとこれも大したことはできず、noteを書くこともできない(下書きだけでもメモ帳に残そうかと思ったのだが結構車が揺れるのでキーボードを打つのは断念した)ので、結局ホテルについてからいつもと同じような時間にこうして書いている。

前夜いろいろと作業をしていたので寝ていなかったこともあり、今回は結構な頻度でうとうとしていたせいか、あまり退屈さは感じなかった。一応、このご時世だから浮ついた気持ちにもなりにくいというのもあるのかもしれない。東京から東北地方に向かっているので、ご迷惑をかけないように車内でもマスク着用だし、降りたら降りたで消毒や検温にも気を配らねばならないから、気が張っていたせいもあるのか、車が走り出すとふっと緊張が緩むのか眠くなる、、、というのを繰り返していた。


さすがに9月ともなると外はまだまだ暑いけれど、日はずいぶん短くなった。それに東京と違って、田舎に行くと夜はあっという間に暗くなる。東京と違ってキラキラしたネオンなどもないから、当然車内も真っ暗。たまにわびしくぽつぽつ灯が申し訳程度にしか見えないような暗いなかであれこれ想いを巡らせるとどうしても負の方向にメンタルが引っ張られるので、それならば眠ってしまおうと眠気に襲われるように目を閉じてやりすごしていた。


どうしていつまでもこんなふうに苦しまなければならないの。

消えない憎しみをシャットダウンすべく深呼吸する。

眠ることができていたぶん、少し救われていたような気がしている。


そういえばこの時期は東北に縁がある。
昨年のちょうど今頃も数日岩手に滞在していた。このときのわたしは本当にボロボロだったので(気を紛らわせるためとシゴトを入れてた感じだったけれど心ここにあらずだったと思う)やはり夜の暗さがこたえた。夜、山のなかを走っているときはほんとうにどうしていいかわからないような不安と悲しみに押しつぶされそうになっていたものだ。

だからという訳ではないけれど、東北地方の夜はいっそう暗くて闇を濃く感じてしまう。

けれども、
“夜明け前が一番暗い”ということばをかみしめながら、まずは今夜を乗り切りたい。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?