見出し画像

不思議な夢 10年前の卒業

不思議な夢をみた。
夢の中の私は高校の卒業式を終えて、ひとり家に帰るところだった。ちょうど10年前にあった本当の出来事だ。

高校時代の友達とは次いつ会えるんやろ。クラスの子の中には今日の卒業式を最後にもう一生会わん人もおるんやろな。ストレイテナーのMARCH、今の気持ちにピッタリやな。そんなことを思いながら、iPodでストレイテナーのCDジャケットを眺めてぼんやりし、いつもの最寄駅でいつものように降りた。

中学時代の友達と行く卒業旅行、めっちゃ楽しみやな。あと1ヶ月後には大学生か。一人暮らし、全然楽しみじゃないな。山梨県でちゃんと生きていけるんやろか。山梨から三重ってどうやって帰ればええんやろ。友達とは次いつ会えるんやろ。

センチメンタルと少し浮き足だった気持ちがないまぜになり、なんだか感情が色濃くなりすぎて息がしづらかった。さみしい、さみしい、さみしい。

高校生活を終えた私はまだ、大学生活でどんな経験したのか、社会人になりどんな仕事をして生計を立てているのか全く知らない。教育実習でまた高校を訪れることになるなんて、想像だにしない出来事だ。

そんな夢から目を覚ますと実家のベッドではなく、ダブルベッドの上にいた。
隣には夫が寝ていて、三重でもなく山梨でもなく、長野にいた。
私の頭の中は完全に浦島太郎状態で、現実に戸惑った。そしてこの10年で何があったのか、熱い飲み物を少しずつ口にするようにじんわりと、思い出していった。その作業は結構苦痛だった。嫌な思い出が結構多い。道を間違えたこと、言葉を間違えて誰かを傷つけてしまったこと、社会に出た自分があまりに使い物にならなかったこと、色々と思い出した。

だけど自分なりに不器用にもがいて、見つけた居場所がきちんとあることも思い出した。過去の自分が頑張ったから辿り着けたやさしい居場所が増えている。そのことを誇りに思った。

毎日夢を見るけれど、10年という長い年月のメモリーを消失した状態で、当時の気持ちが今生産された感情かのように思い出されるという体験は初めてで面白かった。また10年後に同じようなことがあったら面白いのにな、と思ったり。

この記事が参加している募集

私は私のここがすき

今こんな気分

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?