見出し画像

肩甲胸郭関節について

こんにちは!今回は肩甲胸郭関節についてお話ししていきます!

5つある肩関節の一つで、肩甲骨と胸郭の間の関節を言います。

腕をあげる時や力を発揮するときなど、この関節は大きな役割を果たします。

肩関節のインピンジメントがあるという場合でも、肩甲骨周りの可動性が上がるだけで痛みが治まる場合もあります。

全く目立ちませんが実は重要な関節なので、しっかり押さえておきましょう!!



肩甲胸郭関節

肩甲胸郭関節は関節という名前がついていますが、機能的・生理学的関節で解剖学的関節ではありません。

どういうことかというと、主に関節と呼ばれるにはある一定の条件をクリアしている必要がありますが、肩甲胸郭関節についてはその条件をクリアしていないため、解剖学的関節とは言えません。

しかし、機能的・生理学的には肩甲骨の可動には欠かせないものとなっているので、関節という扱いをされます。これは肩峰下関節も同様です。




肩甲骨の角度

肩甲骨はご存知の通り、胸郭にくっついています。この胸郭というものは丸みを帯びているため、当然肩甲骨もその角度に合わせて付着しています。

その付着角度は、横から見たときにまっすぐついているのかというとそうではありません。胸郭体に沿って大体30〜45度ほど傾いて付着しています。つまり内旋しています。

この角度のことを肩甲骨面あるいは肩甲平面と言います。

腕を外転(横からあげる)する際、肩甲平面状に上腕骨があるときが一番関節的に負担が少ないと言われています。

つまり、サイドレイズなどはその人によって上腕骨の角度が変わってきます。

その人にあった角度を見つけて、正しいフォームでトレーニングすることで肩関節の怪我予防や改善につながります。

特に一般の方は肩甲平面を理解していないことが多いので、無理やり変な角度であげて肩痛を誘発している場合があります。

ですのでトレーナーがしっかり見極めて、キューイングする必要があります。




肩甲上腕リズム

腕を上げて行く際に、上腕骨と肩甲骨が一緒に動くことを言います。

肩関節30度外転までは、肩甲骨は動きません。

肩関節30〜90度外転時は肩甲骨は30度動きます。
肩甲骨:上腕骨=1:1 
の割合で動きます。

肩関節90〜180度外転するときは肩甲骨は30度動きます。
肩甲骨:上腕骨=1:2
の割合で動きます。

最終的に肩甲骨は60度動きます。
(この動き方を上方回旋と言います)

このときのポイントですが、肩甲骨が単体で60度動いているわけではありません。

腕をあげるときは当然鎖骨も動きます。

そのため、肩鎖関節と胸鎖関節が合わさって動き、その結果肩甲骨も動いていると考えた方がわかりやすいです。

外転時では、胸鎖関節が30〜40度、肩鎖関節は20〜30度動きます。

これらが合わさって、合計60度肩甲骨が上方回旋します。

ということは、鎖骨の動きが悪いと肩甲骨の動きも悪くなりますし、反対に鎖骨の動きが良くなるだけで肩甲骨の動きも改善されるということが言えます。

このとき、動く関節の順番というものがあります。

最初は主に胸鎖関節が動き、150度以降では肩鎖関節がメインで動きます。

これはどちらかのみが順番に動くというわけではなく。あくまでグラデーション的にどちらかがメインで動くというようなイメージです。

つまり、外転動作の初期であれば胸鎖関節、最終域であれば肩鎖関節にアプローチするなど、どのタイミングでエラーが出るかによってアプローチ箇所は変わってきます。

このように動く順番を知っておくと、あらゆる仮説を立てることができます。




エビデンス的には微妙?

肩甲上腕リズムですが、色々調べて行くとエビデンス的には微妙なのではないかという声もあります。

利き手と非利き手では違う。症状があるかないかで違う、加重しているかどうかで違う。スピードにもよる。などなどまだまだわからないことだらけなのも事実です。

しかし間違いなく言えることは、上腕骨を動かすためには肩甲骨は超重要です。





このように肩甲骨の重要性と働きをしっかり理解した上で、トレーニングや指導にあたってみてください!!

それでは!




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?