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『漁港口の映画館 シネマポスト』
令和6年1月6日(土)から本年仕事始めとなります。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

話題作のフィンランドの名匠アキ・カウリスマキ監督、6年ぶりの新作『枯れ葉』の公開とあって初日からおかげさまで賑わっております。
ご来場の皆さまには心より感謝申し上げます。

中でも本日3回目の上映終了後、お客様との尽きないアフタートークはまた有難いものです。
顔に見覚えがあっても、今まで会話をしたことが無い者同士が語らい、そしてその方々が知り合いとなって帰路に着く後姿を見送りながら、映画『枯れ葉』の制作動機にもなぞらえて、町の‘ともしび’の役割をほんの僅かでも務められているならば、素直に嬉しい気持ちが湧き上がります。

年始早々、今年の日本は能登半島における大規模自然災害に始まり、北九州小倉の象徴的エリアにおける繰り返される大火、同じ日の羽田空港旅客機事故等々、何となく明けましておめでとうとは言い難い、暗雲棚引くこれからの日本をどこか暗示されているかのような、軽く考えてはいけない焦燥的な得も言われぬ見えざる原因があるように思えてなりません。

そこで人の心に現われやすいのが疑心暗鬼です。これに左右されても駄目なのです。
アキ・カウリスマキ監督『枯れ葉』のコピーは‘愛を、信じる’です。
このシンプルかつ人生の核とも言える、そのコピーから発せられる魅力を今だからこそ、訪ねていただきたいと思わずにはおれない、実際私がそんな心境にあるのは確かです。

世情不安を解析するに全てを環境側面にするべきではありませんが、政治は避けられないと考えます。
政治は元来、‘まつりごと’と言います。
このまつりごととは文字どおり祭政一致を表すものであり、為政者は神の名代として国を治め人民を安心させることをもってして、政治という形に収斂されたのです。
どれだけ現在の政治家でそうした意識でいる人がいるのだろうかと、何かおかしい方向に流れているきらい…根拠のない直感で語るには憚りますが、司る人たちにはそうした思いも受け止めて欲しいと感じます。

一方で先程来からの安息を求める思い、その思いの多さ、集合想念を受け止められる映画は人の感性によりけりですが、私は動機からして、カウリスマキ監督の『枯れ葉』こそ相応しい一本だと推奨します。

新春第一本目を『枯れ葉』でスタートできたのは心境的にも幸いなことでした。
ぜひ鑑賞後の皆さまとの語らいを楽しみに漁港口の映画館でお待ちしております。


【インフォメーション】
山口県交通政策課によるJRローカル線利用促進PVの監督を務めました。
ローカル線理解にぜひご関心いただけたらと思います。




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