見出し画像

【なりきりみぜさん企画】「ショートショート」-『薄紅色の双翼』

 脳髄を貪食する晦冥の如き居睡から覚醒したものの周囲は依然として黒一色である。
 深沈と更け渡る全き夜の中、漆黒が耳目ばかりか全身の毛穴から体内に浸食する甘い感覚に抗うかの如く、私は自分の頬を抓った。
 ……丑の刻、鬱蒼とした森に幽閉されたしじまを力なく切り裂くかそけき声を聞いた気がした。
 刹那、知覚した虚無の如き闇に舞う薄紅色の双翼、鬼哭が如くピヲピヲと鳴き荒ぶ今際の際の叫びは、確かに私の五感が認識したものか、惑乱する精神が創出した幻影か。
「……君は何故、こんなところで焼かれているの」
 私は先程まで鳥の姿であった者に問うたが、すでに丸網の上の物言わぬ肉塊と化している。
 生者必滅、会者定離は浮世の習いにて候なり……と先刻足元の不憫な薄紅色の亡骸に手を合わせた私の心も、今は既に業火に焼かれる鳥の匂いを賞玩している。
 嗚呼、人心もまた無常なり。
 はかなさをほかにもいはじ薄紅鳥 舞いては散りぬあはれ双翼……。
(了)

薄紅色の君。。。

うぉい!

いきなりどうしたピンク鳥🐦?!

始めて私のアカウントにヲ越しいただいた方から、私がいつもこのような文体で投稿している人だと思われたら非常に面白い^^;

さてさて、フォロワーさまのみぜさん、あの「日本人形の月子さん」のみぜさんである。
私はみぜさんの文体や世界観がスキであり、noteに投稿しておられる作品もコンプしそうな勢いである。
いつかマネしてみたいと思っていた。
なので、マネしてみた。
本記事にも「やってみた」タグを付けようと思う。

雰囲気だけ「何とな~く、みぜさんっぽくなったよね?」と思うのだが、どうでしょうか^^;
いやいや、みぜさんは幼少の頃から小説ヲ書かれているので、そりゃ~同じクォリティーのモノは書けませんぜ。
あくまで「なりきったモン勝ち」の試みである。

ご存じない方のため、みぜさんが書かれる小説の多くは、大まかに言うと怪奇・幻想といったカテゴリーである(みぜさんもご自身の小説ヲ「ホラー小説」「幻想小説」と括られているので間違いない!)

私が好きな小説家が江戸川乱歩、夢野久作、谷崎潤一郎、筒井康隆、村上龍あたりなので、私が嵌まるのもムリはないというところである。

※※※※※

早速、お勧めの2作ヲご紹介させていただく。

~1作目:『月をすくう』

私のお気に入り作品である。
みぜさんは格調高い文体が魅力であるが、本作は比較的読みやすい作品であると思う。
ホラーと幻想がバランスよく盛り込まれ、何と言ってもタイトルにもある月🌕が何かカワイイ!💕のである^^;

始めての方は恐らく、最初の数行ヲ読んだ時点で「ん? 何か普通ではない空間に飛び込んでしまった……」と感じられると思う^^;

~2作目:『ちゅらら(前編)』

私は本作に衝撃ヲ受けた。
上の少しほんわかした『月をすくう』とは、かなり趣向が異なり、序盤からおどろおどろしいムードが漂い、、、ちょっと怖い。。。
童謡が恐ろし気な雰囲気ヲ煽る1つのエッセンスにもなっているため、感性の鋭い方は聴覚的な恐怖も味わうことになるかもしれない。

2作目はホラー耐性がある方であれば、「ヲ~! みぜさんすげ~!」になるのであるが、精神的に少し削られる方がおられるかもしれない(←みぜさん、ごめんなさい^^;)ので、体力がそこそこあるときに読んだ方がよいかもしれない。
1作目が無難に勧めることができる話であるとしたら、2作目は読む人ヲ選ぶかもしれない。。。
そう言う意味で「前編」のみ貼ったので、行けそうだったら「後編」も楽しまれてはどうかと思う。

さて!


このタイミングで「みぜさん祭り」ヲやっているのには、もう1つ理由がある。

「助さん、拡散してしまいなさい!」


企画情報ヲ拡散するが、みぜさんは現在、「小説募集中(感想書きます!)」でスタンバイの状態である。

何と、みぜさんがnoter様の小説ヲ読んで、感想ヲくださるとのことである。
これは貴重だ!

どうやらタイミング的に、私の『[本読んだ] 『夜市』と『玩具修理者』を読み比べた。ついでに『酔歩する男』』の記事にて、大好きな小林泰三さんの小説のことが書かれていたことから熱いパトスが止まらなくなったようである^^;

以前に投稿した私のショートショートの感想ヲいただきたいところではあるが、これまでも私の小説にはコメントヲいただいているので、これ以上、私の「アヒル口」とかの小説ヲ読ませるのも何だか忍びない^^;

ぜひ質の高い小説ヲ書かれる各位は、みぜさんに「この作品読んで~ん💕」とヲお願いされてはどうだろうか?

幼少の頃から創作ヲ続けてヲられるみぜさんが、同じく質の高いnoter様によって紡ぎ出された小説ヲどのように評価し、そしてどのような感想ヲ書かれるのか?
私も大いに気になるところである。。。

因みに、みぜさんは少しコワモテな作風であるが、コメント欄ではめっちゃ気さくな方なので、きっと心地良い感想ヲくださると思う。
従って、冒頭の『薄紅色の双翼』についても、「人の名前使って、ヘンなピヲピヲ🐦小説書いてんじゃねー!」とのヲ叱りは受けない……筈……^^;


この記事が参加している募集

眠れない夜に

やってみた

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?