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ヨガとトラウマ治療〜感情と五感、身体感覚はセットで記憶される

こんにちは、精神科医のはぐりんです。
※この投稿は3分で読めます。最後までお読みいただけたら嬉しいです。

今回は久しぶりにヨガのお話です。

以前にも書きましたが私は半年以上ヨガ教室に通っていて、その中で毎回いろいろな発見があって、日々の生活の中にも少しずつ変化や気づきを実感することが増えてきました。

最近は仕事終わりの平日夜に通っているのですが、同じ1時間のレッスンでも、内容によってはかなりの強度で体にもそれなりに負荷がかかります。

内容に関しては以前にも書きましたが、とにかく呼吸を丁寧に一番に意識して、様々なヨガのポーズをとっていきます。左右交互に行っていくので体のバランスも整えられます。

すると翌日仕事をしていると軽い筋肉痛体の張りを感じることがあるのですが、そんな時に「昨日のヨガ、だいぶキツかったからなあ」などと思っていると、

ふと前日に受けていたレッスンの雰囲気体の感覚や心地よさが甦ってくるのです。スタジオの臭いや、レッスン時のインストラクターの落ち着いたトーンの声なども思い出されたり、まさに体の感覚と感情、五感はセットで記憶されるというのを実感しています。

これと似たような精神科の治療法に、EMDRというトラウマの治療法があります。これはトラウマ記憶は映像、体の感覚、思考、感情とともに処理されないまま脳内に保存されているという考えに基づいて、眼球運動によって脳を活性化してトラウマ記憶を処理していくという治療法になります。

EMDRは1セッション1時間くらい、セッション中は辛い記憶や感情、その時の光景や音、匂いなどを思い出すことにもなり、本人にとっても大変辛い時間になります。脳の奥にあるトラウマ記憶を呼び起こし、脳の表面に運び消化するようなイメージの治療になります。

セッション中に危険な状態に陥った際には、事前に患者さんと決めておいた「安全な場所」に立ち返ることがあるのですが、まさに今回私がヨガで体験したような、映像や体の感覚を思い出すことで心地よさが甦ってくるような体験を指します。

トラウマ、特に幼少期から継続的にトラウマ体験を受けてきた複雑性PTSDの方の中には、そういった「安全な場所」の体験が元々なかったり、イメージできない方もいます。

そういった方にも、ヨガや瞑想(散歩やペットなどでもいいです)は必ずプラスの体験になると思うし、トラウマに限らず発達障害愛着障害などで何かしらの自己不全感を抱いている方、感情気分の浮き沈みが激しい方などにもぜひオススメしたいです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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