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待合室は怖くないのか

こんにちは、精神科医のはぐりんです。精神科医のリアルな日常とホンネをお届けしています。
※3分で読めます。

精神科病院の待合室というと、叫び声が聞こえてきたりして物騒なイメージをお持ちの方も多いかと思います。

まず申し上げておくと、私が勤めている急性期の入院患者さんを受け入れているような病院でも、頻繁にはそういったことはありません

また例えそういった場合でも過剰な心配は無用である理由を、いくつか具体例を挙げながら説明していきたいと思います。

①大声で何かにつけてクレームをつける方。
「待ち時間が長い!」「診断書の内容に納得がいかない!」「あなた、対応がなってない!」

あまりの声量と剣幕に、待合室の他の患者さんも萎縮し静まり返っています。またその分余計に声が響き渡ります。

実はこの方、薬物中毒で感情や理性のコントロール
を失っていました(脱抑制)。この方のようにアルコールや薬物絡みで騒いでいる方は少なくありません。

②人目はASDの方。「リセット癖」、定期的に自暴自棄になるような方で、ある時大暴れして待合室の物品を破壊しました。

③最後に、よくあるケースとして親子で口論になっているケース。病院に無理やり連れてこられたとか、些細なことをキッカケにヒートアップしたり。あとは最近では認知症の方が大声を挙げていることも少なくありません。

今回ご紹介したケースを通して何を言いたいのかというと、特定の第三者/たまたま来院したあなたに敵意が向くことはほぼないということです。

外来で怒っている方を大別すると、病状が悪くて暴れている方と、個人的な怨恨やイザコザ、つまり親子や家族間、他には主治医や病院スタッフに対して怒っている方で、第三者である他の患者さんに向くことはほぼないと言えます(ニュースになるような第三者を巻き込んだ事件は極めてレアケース)。

ただ例え自分がトラブルに巻き込まれないにしても、そうした光景を目の当たりにすること事態がそもそも難しい方(HSP、トラウマなど)もいるでしょうし、怖いか怖くないかは個人によるところかもしれません。

そういった方も事前におっしゃっていただければ別室で待機することもできますし、(入院施設がない)クリニック等では比較的そういったことが少ない傾向にあります。

まとめ

・待合室が騒がしいこと自体そもそも頻繁にはない
・例えそうであっても、第三者に被害が及ぶことはほぼない
・それでも心配な方は別室待機もできる。事前に電  
話等で待合室が普段どういった雰囲気かを確認しておくとより安心

最後までお読みいただきありがとうございました。











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