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褒めてほしい男、分かってほしい女

なんか、昔々流行った本のタイトルみたいですね。
男脳、とか?
地図が読めない女、とか?

個人的に能力は、性差より個人差の方が大きいと思っています。
また「性はスペクトラムで、生きている間にも揺らぐことがある」という説が最も腑に落ちます。

そんなわたしが何故こんな、男女をパッキリ分けるような題名を付けたのか。

周りの男どもが
褒めて
褒めてと
うるさいからです!

なんでこんなにも褒めてほしいんだろうと
いい加減、うんざりしてきたのですよ。

彼らの基本的な手口はこんな感じです。

昨日、草野球でホームラン打ったんです。
あれ?俺、今いいこと言わなかった?
このメール、文章完璧じゃないですか?

彼らはそういった言葉を口にしたあと、チラッとわたしを見るのです。

…「すごいね」と言って!…

という心の声が、聞こえ過ぎて慄くほどに。

たまに、ならカワイイと言えなくもありませんが、頻度が多いと面倒になってきて、もはや生返事です。

なんなんだね、君たちは。

一方、褒めてほしいことを匂わせる女性は少ない(わたしの周りには)。
彼女たちは褒められると逆に困惑したり、居心地悪そうな態度すら見せたりします。

これは何となく、分かる気がするのです。

褒めてもらった嬉しさを、上回る不安
(気を遣われているのではないか?)
(何か対価を求められるのではないか?)
があるから、だと思います。

女性には「褒めてほしい」人より
「分かってほしい」人が多いように思います。

失敗談やモヤモヤを話して
「わかるーわたしもよくやる!」とか
「あるーあいつ、ヤバイよね」とか
共感してもらえると安心する、という流れ。

この違いは何なのか。
本当に男と女の差なのか?

わたしはこれを、生物学的な性差というより
ジェンダー(社会的・文化的な性差)の
違いなのではないか、と感じています。

平均的な人間(なんていうものが存在するか否かは別として)をゼロとしたとき。

褒めてほしい、というのは
「1か2以上であることを認めてほしい」
という感情ですよね。

分かってほしい、というのは
「マイナス1か2なのは自分だけではないことを確認したい」
という気持ちのような気がするのです。

そもそもの自己認識が
ゼロより上か、下か。

その違いで、欲求が
「褒めてほしい」
「分かってほしい」
に分かれるのではないか。

男性は優れた人になることを求められ
女性は優しい人になることを求められる。

その期待に応えようとし続けることで、自分の欲求の種類すら変わってくるのだとしたら…

なんだか、ゾッとするなと思うのです。

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