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短歌 そうでもないか

ついでって押しつけられたたい焼きの消費期限をまっさきに見る

会いたいね そうでもないかサブスクでとりま細川たかしを探す

メントスとコーラで祝う誕生日あの子にもあったはずの誕生日


新年度、もろもろが矢のごとく過ぎていきます。今日はあまり天候が安定しないなか、外回りに出ていた同僚が「ついで」とぶっきらぼうに、事務所にいた人数分のたい焼きを買ってきてくれました。

たい焼きには「天然」と「養殖」があるそうで、今日いただいたのは天然ものでした。聞くところによると、大きな型に生地を流し込んでいっぺんにたくさん作るのが「養殖」、一匹ずつの型に生地を流し込んで焼くのが「天然」だそうです。

生地はパリパリと香ばしく、中身の餡も粒あんの甘さが絶妙で(こしあんでも、もちろんいいのです。くる餡拒まず、去る餡どこまでも追うスタンス)、午後の疲れてきた心身に優しく沁みました。

仕事の延長線上で、いろいろな人たちの録音した音声を聴いていたのですが、声というのは、発現された「言葉ではない部分」(ちょっとした呼吸や沈黙未満の空白、声色に如実に滲んでいる感情など)のほうが聴いている相手には届くんだな、と実感しました。

あまりに短時間に多くの方の感情に、そういう形で触れてしまったせいか、ちょっと気持ちがざわざわっとなってしまって。

一昔前なら、ここで安易にデパスを飲んでいたでしょう。でも、そこはもうフェーズが変わったと自負しているので(もちろん、必要に応じてお薬を利用すること自体を全否定はしません。でも割と、薬への精神的依存って、物事の本質を見落とす直接的な原因にはなりえるとは思うんです)、そもそもすでにデパスが自宅に存在しないことも手伝い、音楽の力を借りようと思いたちました。

好きなアーティストの曲でもいいとは思ったのですが、気持ちの安定には安定感のある歌声がよろしいだろうということで、夫に誰を聴いたらいいかと尋ねたところ、

「細川たかし」

と即答されたので、さっそくサブスクで検索しました。「藤原さくら」「エルスウェア紀行」「柴田聡子」「羊文学」といった検索履歴に、「細川たかし」が並びます。

いざ聴いてみると、これがなんと、良い……!細川たかしはずっと前から、それこそ私なんぞが生まれる前から歌っているので、やっとその良さがわかる年齢に、私もなったんだろうか。なんか安心する、、という体験をしました。

今度友達とカラオケに行ったら、「北酒場」を熱唱したいです。

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