笹塚 心琴 【す-19】

ここと と呼んでもらえたら|詩・短歌・俳句・小説|優しさをひと匙、そっと差し出せる創作…

笹塚 心琴 【す-19】

ここと と呼んでもらえたら|詩・短歌・俳句・小説|優しさをひと匙、そっと差し出せる創作を、いつも心に悪童を|(自選一首)犯人をホシと呼ぶから私でも輝ける気がしてやりました|文学フリマ東京に出没します→次回は5/19(日) 文学フリマ東京38!

マガジン

  • 【小説】陽羽の夢見るコトモノは

    ある日突然自宅が神殿になってしまったら。いつも通りアルバイトに行くしかないじゃないの。神さまとの、穏やかな日常生活のお話、なのかな?

  • 【短歌】操車場にオレンジ色の孤独たち発車できるとまだ信じてる

    心のままに詠んでみました。ベクトルを定めないスタイルで綴ります。

  • 笹塚的日常(日記・エッセイ )

    スパイシーだったりまったりだったり、安定感のない日常を綴ります。

  • 【小説】見習い魔女は魔王様と

    おばあちゃんの遺した呪文で召喚した魔王様は、記憶喪失でした。魔界への帰りかたがわからないらしいので、一緒に暮らすことになりました。魔王様は、意外に家事が得意です。

  • 【小説】掌編・短編(こころのかけら)

    これまでとこれからを見つめた、掌編小説や短編小説たちです。ひとつでも心に引っかかる作品があれば嬉しいです。

最近の記事

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【告知】5/19(日)文学フリマ東京38!【す-19】

5月19日(日)に開催される「文学フリマ東京38」に参加します。 ■日時:2024/5/19(日) 12:00〜17:00 ■会場:東京流通センター 第一展示場・第二展示場 ■サークル名:こことのこと ■ブース位置:す‐19 (第二展示場 Fホール) ※今回から、東京開催のみ一般参加の方は、入場料がかかるようになりました。税込1,000円です(18歳以下の方は無料)。詳細は公式サイトをご確認ください。 ▽文学フリマ東京38 (2024/5/19(日)) 一般入場のご案内

    • 陽羽の夢見るコトモノは(12)

      一話へ 前回へ 次回 (12)リメンバー過思考症候群<overthinking syndrome> DSM-13に初出。その症状を発見或いは定義したのはスイス人の医師、ハンス・フォン・ホーエンハイムである。不安神経症の一種に位置付けられ、症例の多くは投薬による「思考抑制」により改善可能。早期発見が重要なのは他の疾病と同様であるが、医療的介入が遅れた場合(しばしば高齢者である)、徹底した管理下に置く必要がある。 パラケルスス機構からの経済的支援の一切を絶たれて以降の生活は、

      • 短歌 たぶん犬

        空腹に炊き立ての銀シャリをかっこむ幸せ以外知らなくていい  たぶん犬じゃないかなそうじゃなかったらあの鳴き声は通報案件 あの人はいずれ教祖になるだろう履歴書にそう書いてあったし 自宅で使っている炊飯器の機能のなかに、「極うま炊き」というモードがあります。炊き上がりにとても時間がかかるため、普段はめったに使えないのです。しかし今日事情があって仕事を早退したため、そのぶん早く帰宅できたことから、「これは『極うま』チャンスでは」と気づき、意気揚々と米を研ぎ、たっぷりと吸水させ

        • 短歌 踏むアスファルト

          誰か見てきたんだろうか恐竜に水玉描けば修正される 定刻にわたし以外の声が沸く 喝采、喝采、(とされる悲鳴) ひんやりと踏むアスファルト人が人にしか傷かないこともう知っている 今日は珍しくまるっと予定のない日だったので、本を数冊かばんに詰めて、散歩に出かけました。時々やっているのが、「一駅さんぽ」です。季節が暑くもなく寒くもなく、風も心地よかったので決行しようとしました。 一駅間といっても、都心のメトロのそれとはわけが違います。東京駅を歩いているはずが有楽町線にたどり着

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        【告知】5/19(日)文学フリマ東京38!【す-19】

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        • 【小説】陽羽の夢見るコトモノは
          12本
        • 【短歌】操車場にオレンジ色の孤独たち発車できるとまだ信じてる
          671本
        • 笹塚的日常(日記・エッセイ )
          122本
        • 【小説】見習い魔女は魔王様と
          2本
        • 【小説】掌編・短編(こころのかけら)
          99本
        • 【俳句】春をまつ君のとなりで編む光
          62本

        記事

          短歌 バニラ

          バニラってとても正しい気がしてて選べずにいる春の駅前 ウブゴエカラ灰トナリテマデ焦りが消えないハードモードライフ 「わかりやすいのは猿山と病院よ偉そうなのほど上にいるわね」 少し前の休日、一人でブックカフェに訪問しました。ソイラテで読書を楽しんだのち、テイクアウトで、夕飯のためにサンドイッチを選んでいたら、見知らぬ女性に声をかけられました。 どうやら、ブックカフェ併設の地下ギャラリーで「五人展」を開催しているそうで、その日が最終日とのことで、せっかくなので寄ってみるこ

          短歌 うめおむすび

          発狂のボタンがあったわけじゃないそっとほつれて繰られただけだ 春ひなた返却期限の迫る本うめおむすびの美味さに気づく 全自動タマゴ割り機で好きなだけ卵を割って暮らすのが夢 気がつけば4月も半分を過ぎました。この時期になると、新緑が街に溢れてくるので、通常なら「爽やか」とか「いい季節」とか、そういう感想が出てくるのだとは思います。 ですが、この季節に私が思い出すのは、通院していたクリニックの主治医から入院を宣告され「でも今、提携先のベッドが空いてないから、それまでは死なな

          短歌 うめおむすび

          短歌 ミスターX

          チロルチョコ23円。青春がそろそろ歴史の本に載る頃 「変ですよ、それ」と言い出せなかったし誤解のほうがたぶん平和だ 世の中はいつになったら慣れるんだミスターX(旧Twitter)倦む 地元の商店でものすごく久しぶりに、チロルチョコを見かけました。あ、と思って値段を見ると「23円」。ただし税抜きです。 更新をサボっている私の感覚だと、チロルチョコは一個10円のイメージだったので、少し驚きました。でも、経年と昨今の物価高を思えば、それでも良心的なお値段です。 昔、住んで

          短歌 ミスターX

          短歌 降る三連符

          六弦が切れたからって真夜中に笑い出す 降る 降る 三連符 舞い落ちて踏みにじられて側溝に吹き溜まってもさくらはさくら 広辞苑に「癒し」が載らないことでさえきっとそのうち美談にされる 昨日の大荒れの天候で、案の定おおかたの桜は散ってしまいました。鋪道を歩いていると、側溝の穴を埋めんばかりに、桜の花びらが詰まっていました。 咲いているときならまだしも、側溝に吹き溜まる花びらをスマホで撮影する人は、ほとんどいないんだろうなぁ。かくいう私も、レンズは向けないもんなぁ。 でも

          短歌 降る三連符

          短歌 刻んであげる

          名は体を表すなんて赤い嘘。真っ直ぐ笑う奴はみな敵 つらいよね「万能」ねぎなんて呼ばれてでも好きだから刻んであげる 赤い鳥 血まみれの羽 そういえば女であると気づく 葉桜 朝からとんでもない暴風雨に見舞われ、気圧もたぶんひっちゃかめっちゃかで、どうがんばっても寝床から起き上がれずに、どうしよう……とテンパっていたら、職場の同僚からLINEが届きました。 「無理せず在宅で⭐︎」 ありがたい😭お言葉に甘えて、急きょ在宅ワークと相成りました。お仕事自体はがんばったのですが、

          短歌 刻んであげる

          短歌 もう散るね

          もう散るね とっても嬉しそうなきみ終わりってそう、救いだからさ ピカピカの一年生かおめでとう今が一番輝いてるよ すべりだい滑り落ちてく楽しさを大人になっても忘れていない 夫の強い勧めで、燃え殻の「夢に迷ってタクシーを呼んだ」を通勤のお供に読んでいる。夫はとにかく本を読むけれど、人に勧めることは滅多にないから、よほど私に読ませたいのだろうな、くらいの気持ちで借りた。 燃え殻の著書は、「ボクたちはみんな大人になれなかった」を読んだことがある。うっかり電車の中で読んでしまい

          短歌 もう散るね

          短歌 とことん

          読まれずにほこりをかぶる美味しんぼ7巻だけがない町中華 自販機に参鶏湯ありシチューあり明大前に多様性あり 痛みより痒みがつらいときがある傷つけるならとことん頼む 日曜日でした。桜は満開だったそうです。気候も穏やかで、絶好のお花見日和だったようです。 😭 10時〜17時でガッツリ会議でした。。もらすとしずむの「らいぶとらいふ」にも参戦できず、当然ながら「TAMAコミ」に顔を出すことも叶わず……。 対面とzoomのハイブリッド会議だったので、資料を見てスクリーンを見て

          短歌 いろんなこと

          立ち止まるために理由が要りますか進化を拒否し生き延びている 「遺影にはどうか加工をしないでね」いろんなことに気づいてしまう ネクタイがあなたを絞める日は近い出来得る限り遠くへ逃げて おかしいことを「おかしい」と思うこと、ましてやそれを発信することに対して、ますます息苦しさを覚えているのは、果たして私だけなんでしょうか。。 主張を押し付けあったり、相手の至らない点を突いたりして鼻の穴を膨らませるのは、大人の所作じゃないと思うんだけど、、(ゆえに「はい、論破w」は、お子様

          短歌 いろんなこと

          短歌 そうでもないか

          ついでって押しつけられたたい焼きの消費期限をまっさきに見る 会いたいね そうでもないかサブスクでとりま細川たかしを探す メントスとコーラで祝う誕生日あの子にもあったはずの誕生日 新年度、もろもろが矢のごとく過ぎていきます。今日はあまり天候が安定しないなか、外回りに出ていた同僚が「ついで」とぶっきらぼうに、事務所にいた人数分のたい焼きを買ってきてくれました。 たい焼きには「天然」と「養殖」があるそうで、今日いただいたのは天然ものでした。聞くところによると、大きな型に生地

          短歌 そうでもないか

          短歌 なんてったって

          人間の都合など意に介さずに咲きたいときに桜は咲いた あ、枝毛。あまりいろいろ気にしても生きていくには変わりはないか また枝毛よくよく見るときれいかもなんてったって私の一部 年度末のバタバタを言い訳にして、美容室に行くのをサボっていたのですが、今日滑り込みで予約が取れたので、すっきりとカットしてもらいました。 今はショートボブで、かれこれ一年近くこの長さをキープしているのですが、お手入れ(セットやドライヤーでの乾燥など)がとても楽で助かっています。 忙しい平日の朝も、

          短歌 なんてったって

          短歌 飛び蹴り

          この国はじき戦争をするだろう(ただし私が死んだ後でね) 幸せを定義すること平等な春など来ない三月尽は 当たり前とか常識をノックする腹が立ったら飛び蹴りもする 某所のミニシアターに映画を観に行ったのが先週末。そこに併設されているカフェで偶然手に取ったのが、寮美千子・編「空が青いから白をえらんだのです 奈良少年刑務所詩集」でした。 更生プログラムの一環として、重罪を犯してしまった少年たちが懸命に綴った詩作品と、そのプログラムで彼らに本気で寄り添い続ける詩人によるコメントが

          短歌 泣けるよ

          ほんとうにこれ公式のアカウント? 見たことのない漢字があるよ 現れる「たたんでくれてありがとう」だけで泣けるよ疲れているよ しがみつく者の姿はいつだって見苦しいもうテレビは消そう 今日、昼食にコンビニで買った紙パックの日向夏ジュースを飲みました。無性にビタミンCが欲しかったので、酸っぱさが心地よく心身に沁みました。 飲み終わって捨てる際、紙パックをたたんだら「たたんでくれてありがとう」の文字が現れました。よくあるやつといえば、そうなんですが、この時の私にはじーんと響く