おいしいものと出合う年末年始
今日の私は、ほくほくしている。
目の前には、いただきものの【GRAMERCY】New Yorkのお菓子詰め合わせ。そのなかに入っているフルーツタルトがとても、とてもおいしかったのだ。自分で詰め合わせを購入することはあまりないから、ニューヨークチーズケーキしか食べたことがなかった。
これがしっとりしていて、クランベリーの風味にオレンジの香りが重なっていて、めっぽう美味。きゃー、これ好きだわー、と騒ぎながらいただいた。娘たちはチーズケーキをハイテンションで食べていた。
私にとって、年末年始はおいしいものが集まってくる機会だといっても過言ではない。昔から、訪れる人が持ってきてくださるお菓子や珍味を虎視眈々と狙う、食いしん坊だった。
父が大好きだという名古屋のお菓子「ダイナゴン」をはじめて食べたのも、遠い昔の年末年始だ。7歳くらいだったと思う。小豆の入ったカステラは優しい味で、小豆やあんこが苦手な幼い頃の私もぺろりと食べられた。以来、名古屋から郷里に帰省してくる大叔母を待つのが楽しみになったのをよく覚えている。
「BOUL'MICH」のトリュフケーキが大好きなのだけれど、それも年末年始に持ってきてくださった方がいたから知った。どっしりと重厚感のある甘さが一年のご褒美らしくていいなあ、と思った。その後はときどき自分で買っている。
阪急うめだ本店に「HAPPY Turn’s」(ハッピーターン専門ショップ)ができたのを知ったのも年末年始。あれは衝撃的なおいしさだった。話題性もあった。選んで楽しい、食べて楽しい、の代表格みたいなお店だ。
こういうお菓子との出合いにはやっぱり、久しぶりに顔を合わせる人たちとの語らいがついてくる。一年ぶりにお会いする誰それさんと話に花が咲くとき、いいお菓子はもっとおいしさを増していく。
あとになって、あらためて「このお菓子、おいしい!」なんて舌鼓を打ちながら、実はその人たちとの交流を味わい返している。あの瞬間がどうにも好き。
今年は喪中なので、お祝いごとも派手なこともしない予定だ。けれど、久しぶりに会える人たちとおいしいものをひそかに、ちゃっかり楽しむことは忘れないでいようと思っている。
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