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ストイックさのおすそわけを

ほそぼそと筋トレを続けている。筋力アップに取り組んでいる最中なのだ。

以前から筋トレは少しだけやっていて、ここ数年は体脂肪率18%くらいを維持していた。しかし、体脂肪率がだんだんと上がりつつあるので、最近は筋トレのメニューを増やしている。

正直「面倒くさいなあ」と思う夜もある。そんなときに思い出すのが、私と一つ違いの妹夫婦のこと。

妹とその夫は、高校から大学院まで陸上部にいた。二人とも中距離の選手だった。大学入学後、妹は「マネージャーとか、やりたいな」と陸上部を訪問した。けれど、いかにも陸上向きの体形と走りっぷりを買われ、選手として入部することになったそうだ。

義弟は、いまだにフルマラソン出場を趣味としている。たまに入賞もする。フルタイム勤務かつ育児中の妹は、もう少し落ち着いたら自分もマラソンに出たいと話す。

そして、二人とも体づくりに意欲的。筋トレはもちろん、時間が空いたら川沿いを走っている。日曜日など、私が「はーい、いま何してるの?」と連絡すると、妹からはランニング中との返事が来る。

義弟のことは大学時代から知っているけれど、この20年で体形がほとんど変わっていない。トレーニングの成果だろう。多忙を極める専門職でよくそんな時間と体力があるなあ、と感心してしまう。

だらけた私はマラソンなんてとうていできっこない。ただ、二人のストイックさ、走ることへの情熱にはいつも刺激を受ける。

好きなこと、叶えたいことには真剣にならなくちゃね。そう教えてもらえている気がする。

私の場合、階段をすいすい上がれる60代になりたいし、好みの洋服を着こなせる体形でありたい。そのために筋力をたもつ必要があるのなら、ぶつくさ言わずやってみなくては。

義弟が言っていた。「ランニング中、あそこの坂を登りきるとね、すごくいい景色が見えるんだよね」。きっと、そこまで走った人にしか見えない光景がある。

もうすぐ春。軽やかな体で、あたたかな風を受けるのは気持ちがいいだろうなあ。カモシカのような脚を持つ二人を見ては、心のなかで背筋を伸ばす私。ストイックさをおすそわけしてくれる人がそばにいることに感謝である。


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