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Adobe XD の異常な開発スピードを「見える化」/XDが「無料でフル機能使える(共有機能のみ制限)」プロトタイピングツールであることを知っていますか!

Adobe のプロトタイピングツール「Adobe XD」が、今まさに大きな進化を遂げようとしています。

国内でも、エンタープライズ領域においてはXD導入の長期計画が走り出しており、既存のワークフローにXDを組み込むための準備が進められています(既存ツールと併用しながら時間をかけて移行する計画)。XDのエコシステム構築の情報が公開されてから急激に増えていますので、2019年にはサードパーティによる業務特化型のXDソリューションも出てくるでしょう。

参考:
Adobe XDを拡張するための開発プラットフォームアクセス申請

XDの前身である「Project Comet」の発表は2015年10月のAdobe MAXでした。翌年にはプレビュー版がリリースされ、同年の11月には早くもベータ版が登場します。
2017年10月のAdobe MAXで、正式版(バージョン1.0)が発表されましたが、ここから開発スピードが加速していきます。

毎月更新しているXDアップデート・タイムラインをご覧ください。
バージョン1.0がリリースされてから、まだ1年経っていませんが、もうバージョン12になっています。Webブラウザーのアップデートより速い、異常な開発速度です。
参考:
タイムラインPDFのダウンロード

正式版までの流れ

2015年10月 Adobe MAXで「Project Comet」発表
2016年03月 Adobe Experience Design CC プレビュー1(Mac版)リリース
2016年11月 ベータ版リリース
2016年12月 Windows 10のベータ版リリース
2017年10月 Adobe MAXで「Adobe XDの正式版(バージョン1.0)」発表

Project Cometから正式版までのリリース日:

2015年
10月04日(Adobe MAXでProject Comet発表)

2016年
03月14日(Adobe Experience Design CC プレビュー1)
04月25日(プレビュー2)
05月23日(プレビュー3)
06月21日(プレビュー4)UIが日本語・ドイツ語・フランス語に対応
07月19日(プレビュー5)Sketch・PowerPoint・Excel・InDesignからコピー&ペースト
08月15日(プレビュー6)
09月26日(プレビュー7)
11月02日(ベータ1)
12月13日(Windows 10 ベータ版を公開)Mac版は既に50万ダウンロード
今後は毎月アップデートされる

2017年
01月30日
02月21日
03月29日
04月19日 Windows版が日本語・韓国語にローカライズ
05月17日
06月13日
08月23日
10月18日(Adobe XD バージョン1)Adobe MAXで発表
11月13日(バージョン2)
12月11日(バージョン3)

2018年
01月22日(バージョン4)
02月12日(バージョン5)
03月12日(バージョン6)
04月03日(バージョン7)
05月14日(バージョン8)
06月(バージョン9)
07月(バージョン10)
08月(バージョン11)
09月(バージョン12)
10月(バージョン13)Adobe MAX 2018開催
11月(バージョン14)予定
12月(バージョン15)予定

正式版から現在までのアップデート概要:

2017年10月18日
・プロトタイプモード(インタラクション)
・プロトタイプ公開/管理
・リピートグリッド
・シンボル
・アセットパネル
・レイヤーパネル
・レイアウトのための支援ツール
・ぼかし効果、線形グラデーション
・プール演算(シェイプの非破壊編集)
・アートボードとアセットの書き出し
・Creative Cloudライブラリの統合
・PhotoshopとIllustratorからのコピー&ペースト
・コメントのメール通知
・クロスプラットフォーム対応

2017年11月13日
・デザインスペック(ベータ版)を搭載
・レイアウトグリッドの表示
・JPEG形式の画像ファイルの書き出し
・テキスト機能の強化(ポイントテキストとエリア内テキストの切り替え、前回設定したプロパティの記憶)
・Windows版の機能強化(2本指によるパンとズーム、InDesignからのペースト、外部リンク付きSVGの読み込み)
・カラーピッカー内のスポイト
・公開プロトタイプにコメントしたときのメール通知

2017年12月11日
・テキストの下線を追加
・線の位置揃え(内側・中央・外側)の切り替えオプション
・Adobe Stockの(ラスター画像データの)ライセンス取得
・Creative Cloudライブラリのラスター画像を右クリックでPhotoshop編集可能
・プロトタイプ公開時のホットスポットヒントの表示/非表示
・プロトタイプ公開時のフルスクリーン表示
・デザインスペックの改善/機能強化(画面遷移のワイヤー表示、XDがサポートするすべての言語に対応)

2018年1月22日
・サードパーティとの連携
・ズームパフォーマンスの強化
・バッチ書き出し
・DropboxでXDファイルのプレビュー
・カラーピッカーでカラーモード変更
・放射状グラデーション
・デザインスペック(ベータ版)の強化
・共有プロトタイプで実寸(100%)表示

2018年2月12日
・CCライブラリでベクターデータ対応
・スクロール位置の保持
・デザインスペックでレイアウトグリッド表示
・プロパティインスペクタにスポイトツール
・Windows 10ペン&タッチに対応

2018年3月12日
・PSDファイルを直接開く
・ドキュメント間でシンボルをコピー
・グループ化された要素のプロパティ設定
・ビューポートの値をアートボード上で編集
・Sketchファイル直接開く

2018年4月3日
・プロトタイプ公開でパスワード保護
・アセットパネルの強化(絞り込み検索)
・アセットパネルの強化(アートボード上でハイライト表示)
・Photoshop連携の強化(右クリックで「XDで開く」/XDアイコンドラッグ)
・Sketchファイル読み込み精度の向上/右クリックで「XDで開く」/XDアイコンドラッグ

2018年5月14日
・シンボルの入れ替え
・複数のアートボードにペースト
・デザインスペック公開でパスワード保護
・Photoshop読み込み精度の向上/線の効果/画像効果(カラーオーバーレイ、グラデーションオーバーレイ、パターンオーバーレイ等)のラスタライズ処理
・Sketchファイル読み込み精度の向上/字間属性の保持/パターン塗りつぶしサポート/独自のカラーの保持/プロトタイプモードにおいてホットスポットリンクが接続ハンドルに変換

2018年6月18日
・アートボードのオーバーレイ設定
・オブジェクトを画面に固定する機能
・プライベートリンクの生成と招待メールの送信
・シェイプにドラッグで配置した画像の位置調整
・プロパティの入力欄で四則計算が可能に
・iOSとAndroidのXDアプリ(モバイル版)がTypekitフォントをサポート

2018年7月16日
・線のスタイル(点線・破線)や先端及び角の形状などの設定
・アセット名をパネル内で直接設定することが可能に
・デザインスペックにもコメント機能が追加
・Windows版でサードパーティとの連携が可能に(Mac版は1月からサポート済み)
・段落と段落の間隔を調整
・プロトタイプとデザインスペックの共有においてパスワードの伏せ字表示
・アピアランスのペーストで画像でシェイプを塗りつぶす

2018年8月21日
・デザインスペックから(バッチをチェックした)アセットの書き出し
・アセットパネル内のアセットをドラッグで並べ換える
・ブラウザー上でもプライベート共有の招待が可能(ベータ版)
・プロトタイプとデザインスペックのコメントにおいて「@」メンションが使用可能

2018年9月17日
・レスポンシブなリサイズ機能が搭載(スマホのレイアウトをPC向けに展開する作業に役立つ)
・プロトタイプの画面遷移でタイマートランジションが追加
・Webプロトタイプを実サイズで確認できるフルスクリーン表示オプション機能
・スペルチェック機能


最新の9月アップデートでは、レスポンシブ・リサイズ機能が搭載され、レスポンシブなコンテンツのプロトタイピングを支援します。

今後、XDのエコシステムが構築されることで、大量のプラグイン、業務特化型のXDソリューションが出てくることになります。
XDの無料化(スタータープランの追加)は、このエコシステムによってXD導入が進み、Adobeクラウドサービスの利用者が増えることを前提に進められました。
※XDの無料版は、プロトタイプの共有機能に制限があるだけで、有料版と同じフル機能使うことができます。

今月25日にはNYで、XDのアクセシビリティ検証用プラグイン(カラーブラインドシミュレータ、コントラストチェッカー)が先行公開されます。
参考:
Adobe XD Plugins & Inclusive Design: A Sneak Peak with Stark

また、Astute Graphics(アステュートグラフィックス)社のXDプラグインについての記事が公開されています。同社は、Adobe Illustratorのプラグイン開発で有名な企業です。この記事では、Illustratorで描画したグラフィックスのアンカーポイントを減らすXDプラグインについて紹介しています。Smart Point Removal(SPR)のXD版ですね。

Building a Smart Points Removal Plugin For Adobe XD Using Astui Web API

私は現在、企業UX部門において、XDの使い方が高度化することを見据えた企業向け情報を提供しています(最新情報をまとめて提供しています)。
公開可能なものはTwitterでも投稿していますので、参考にしてください。

関連記事:
[データドリブンなデザイン制作の扉を開ける] Adobe XD と他社のプロトタイピングツールの大きな違いは、機械学習が稼働していること

Adobe MAX 2018 お奨めセッション:
JavaScript でAdobe XD の拡張プラグインを作る手順、および活用方法を解説してくれます。
MAXに行かれる方は(朝早いけど)いち早くXD拡張を体験しておきましょう。特に、XD拡張のアイデアを持つデザイナーの皆さんにお奨めします。
Getting Started with XD Plugins


緊急のお知らせ(9月20日):
Twitterでも告知しましたが本日夕方頃に「Adobe XD バナー広告・高速プロトタイピング」 をXD学習者に(XD基礎編 http://design-zero.tv/i/xd2/ の中で)トライアル資料として公開します。
XDを習得するためのものではなく、企業のUXチーム向け業務資料です。夜11時頃に公開終了しますので、それまでにダウンロードしておいてください!

投稿者
Creative Edge School Books

投稿日
2018年9月20日(木)

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