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SUPER BEAVERと観音日和
M-1グランプリ2022、YouTubeで公開されている1回戦の動画を眺めている中で、1組のコンビが目に留まった。「観音日和」、東京会場で8月3日に行われた予選をトップで通過した漫才師だ。
このインパクトあるサムネイルの2人こそが観音日和――築山と工藤である。共に修行を積んだという、本物のお坊さんによる異色のコンビ。その持ち味を存分に生かした2人の漫才に、期待感が止まらない。
この度のM-1の
「Ah!」とメンバー
メンバーが仕掛けてきている。「【狂気の作業用BGM】3時間耐久歌ネタ「Ah!」~ガチで3時間やってみた~」、7月23日にYouTubeに公開された。タイトルの通り、一つの歌ネタをひたすらやり続けるという、にわかには信じがたい企画だ。
テレビの企画であれば編集が入るところ、この動画では3時間丸ごとノーカットのメンバーの姿にふれることができる。緻密に磨き上げられた歌ネタと、惜しむことなく制作過程を削
ヨシモト∞ホールとピスタチオ
お笑いコンビ・ピスタチオ、2022年5月末日をもって解散してしまった。所属事務所に籍を残しての運びということではあるが、寂しい限りである。
始めて2年ほどになる本noteにおいて、お笑いについてを主だったテーマとして記事を書いてきたわけではあるが、こと芸人のそれぞれのネタに関しては深い言及を避けてきた。好きなものについての文章を書くと、私の場合どうしたって長くなる。各ネタのどの部分がどういうふう
TSUJI TAKA TONYとLAST MONDAY MUSIC NIGHT
月の終わり、楽しみにしているムーブメントがある。よしもと有楽町シアター、「TSUJI TAKA TONYのLAST MONDAY MUSIC NIGHT」。アイロンヘッド辻井、うるとらブギーズ佐々木、トニーフランクの3名による即興ライブ。3本のギターとホワイトボード、そして客からのアンケートによって寄せられたワードを元に、毎月最終月曜日、1曲のオリジナルソングが誕生していく。
2020年8月のス
万葉集とすゑひろがりず
同じものを見ていても、それを好きだという人同士であっても、その角度は絶妙に違うものである。刺さる場所、切り取る場所、その一部分を選んだ背景には個人的な事情だってあるだろう。自分の「好き」と他者の「好き」はそれぞれだ。同じであってもいいし、違っていてもいい。どっちだっていいのだけれど、最近印象的だったのは、自分が「好き」だと思っているものを、同じように肯定的に見ている人の「好き」は、どういう部分であ
もっとみるすゑひろがりずと諸国漫遊記
8月8日、東京・観世能楽堂においてすゑひろがりずの全国ツアー「すゑひろがりず結成拾周年全国行脚~諸国漫遊記~」が千穐楽を迎えた。大阪・なんばグランド花月を皮切りに、札幌・仙台・福岡・広島・愛媛・名古屋をめぐり、終着点の東京公演にたどりつくまで4か月。そして本日9月5日、広島での「全国行脚外伝」を以て、いよいよ結びということになるのだと思う。家内安全、無病息災――晴れの大舞台、全公演の幕が無事にあが
もっとみるグッバイ宣言とすゑひろがりず
あいもかわらずすゑひろがりずが好きだ。5月30日に公開された「グッバイ宣言」のカバー動画が心に迫る。ボーカロイドが歌う原曲に、すゑひろがりずが和風変換を施し、南條が高らかに歌い上げる。
ステイホームの時流を思わせる原曲。すゑひろがりずの手にかかれば「引きこもり 絶対ジャスティス 俺の私だけの 折の中で」との歌詞は「ご隠居 あっぱれ見事 我の妾のみの 簾の内にて」に変換される。私には、「あつまれど
コント師の右手と手品師
緊急事態宣言の日々が、長く続いている。残ったものと、残らなかったもの。流れてしまったイベントや、閉じてしまったライブハウス。そういうものに思いをめぐらせるとき、今日も息災であったことには安堵しつつも、エンターテインメントを愛し、それに救われて日々を過ごしている身としては、気持ちがきりきりとする一方だ。
塞いだ日々を晴らすべく、少し前のことにはなるが、感動したステージについて語りたい。
その日、
スーパー野田ゲーPARTYとすゑひろがりず
4月29日、マヂカルラブリー野田クリスタルが手がけるゲームソフト「スーパー野田ゲーPARTY」がついにリリース。クラウドファンディングで寄せられた数多の素材やアイデアを集結した本作は、「みんなで作る」というコンセプトを徹底して貫いた一本だ。16本のパーティーゲームを収録したカオスのようなタイトルが、天下のNintendoはSwitchのプラットフォームで動く。洗練されているとはおよそ言い難い、うそ
もっとみるすゑひろがりずとメンバー
2020年、いたるところで耳にした楽曲といえばやはり瑛人「香水」だろう。インターネットの拡散力を味方につけ、大きく広がっていったムーブメント。YouTubeにアップロードされているオフィシャルミュージックビデオの再生回数は1億4000万回を超え、2021年になった今もなお、数多のカバー動画が派生し続けている。
流行は移ろうもので、次々と新しい波が寄せては還りゆくのが世の常ではある。しかし強いうね
ミルクボーイとすゑひろがりず
「あのとき」をかえりみて、「ああそうだね」と笑顔で語り合う。かけがえのない良い時間を共有した人たちの特権だ。1月30日、よしもと有楽町シアター「有楽町で はなしましょう~ミルクボーイ×すゑひろがりず~」。「M-1グランプリ2019」から1年と1か月の歳月を経て、ミルクボーイとすゑひろがりずが「その後」をふりかえるこの公演は、まさにM-1ドリームを体現しているかのような、象徴的な1時間だった。
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年末年始とメンバーの部屋ラジオ
松の内もあっという間に明けた。年末には一応の区切りをつけて仕事をおさめた。「よいお年を」と声をかけ合って職場を辞去したものの、盛大な忘年会も親戚との集まりもない年末年始はいまひとつ所在ないものだった。
早々と寝正月を決め込むのも悪くはなかったが、こういう年だったからこそ新年を迎える支度に時間をかけたいと思った。人の多い時間帯を避けて買い出しへ。普段とは違う仕入れになる、年の瀬のスーパーの雰囲気が
マイケルジャクソンと星野源
日本全国、どこだって状況は同じだと思うが、ウイルス禍の波が迫ってきているのを日ごとに感じている。幸いにして健康に暮らすことができているものの、自宅待機を急遽余儀なくされる事態もついに経験し、塞いだ気持ちでしばしを過ごした。いま取りかかっている案件においては、自宅で進められるものはそう多くはない。やりたいことに歯止めをかけねばならない口惜しさと焦燥を抱きながら、いつもの数倍にも感じられるゆっくりとし
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