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【コンサル物語(日本編)】Big4コンサルティングの歴史〜PWC〜②
今回は引き続き『PWCジャパンの歴史』を参考に、日本でのコンサルティング会社の歴史の一面を追ってみたいと思います。
1980年代半ばから1990年代初めにかけて、後にBig4と呼ばれるようになるコンサルティング会社が日本でも少しづつ事業を拡大し始めていました。戦後すぐに日本で会計事務所を展開していたプライス・ウォーターハウス社も、1983年の監査法人設立に伴いコンサルティング会社を分離しコンサル
【コンサル物語(日本編)】Big4コンサルティングの歴史〜PWC〜①
アメリカでは、第二次世界大戦後から1980年代までBig8※と呼ばれていた大手会計事務所が存在し、コンサルティング会社としても発展していきました。
Big8各社はアメリカ企業の海外展開等に伴い、会計事務所の海外展開を積極的に進めていき、その過程で日本での事務所開設も進められました。今回はBig8の中からプライス・ウォーターハウス・クーパース(PWC)社の日本進出に伴う同社のコンサルティング発展の
【コンサル物語】エンロン事件とコンサルティング会社
2002年7月にアメリカで成立したサーベンス・オクスリー法はコンサルティング業界にも大きな影響を及ぼすものでした。監査の独立性を守るため利益相反に強い規制を求めるこの法律により、会計事務所が経営コンサルティングを行うことが実質的に禁止されたからです。
20世紀末頃から大手会計事務所Big5(ビッグ・ファイブ)※は自社で抱えていたコンサルティング部門を売却し切り離すようになっていました。2002年
【コンサル物語】コンサルティング部門の切り離し~20世紀末アメリカ~
1990年代アメリカの大手会計事務所Big6(ビッグ・シックス)※は、本業の会計監査を凌ぐ売上をコンサルティング等から上げるようになりました。その背景には、システムコンサルティング分野への積極的な進出や様々なコンサルティング専門会社との提携等がありました。
ところが21世紀に入るとBig6からコンサルティング部門は切り離され、以前のように会計監査を中心とした会計事務所に姿を変えていました。今回は
【コンサル物語】会計事務所からプロフェッショナル・サービス・ファームへ ~1990年代アメリカ~
1995年度のアンダーセン社の収入と内訳
1990年代のアンダーセン社(Andersen Worldwide)は会計(監査・税務)のアーサー・アンダーセンとコンサルティングのアンダーセン・コンサルティング(後のアクセンチュア)で構成されていました。1989年に独立してからアンダーセン・コンサルティングは成長を加速させ、1995年にはコンサルティングの収入がアーサー・アンダーセンの収入を超えました
【コンサル物語】アクセンチュア誕生の歴史(後編)
1989年1月、アーサー・アンダーセン会計事務所は社内の組織を会計サービスのアーサー・アンダーセンと、コンサルティングサービスのアンダーセン・コンサルティングに分離しました。そしてその10年後両社は完全に別々の会社となりました。会計はアンダーセン社として、コンサルティングはアクセンチュア社としての道に進んでいきます。
元は一つの会計事務所が分離し、それぞれが新たなコンサルティング会社を発展させて
【コンサル物語】アクセンチュア誕生の歴史(前編)
1989年1月、アーサー・アンダーセン会計事務所は社内の組織を会計監査・税務サービスを担うアーサー・アンダーセンと、コンサルティングサービスを担うアンダーセン・コンサルティングに分離しました。両組織はその後10年間アンダーセン・ワールドワイドという一つ屋根の下に収まっていましたが、20世紀最後の年に完全に袂を分かちました。会計はアンダーセンとして、コンサルティングはアクセンチュアとしての道に進んで
もっとみる【コンサル物語】誇り高きエリートの1980’s プライス・ウォーターハウス(後編)
1980年代、アメリカの大手会計事務所(通称ビッグエイト)はどこも規模の経済を追い求め、事務所を維持しようとしていました。
1980年代最後の年、ビッグエイト8社の半分が合併を実現するという大きな動きがありました。アーンスト・アンド・ウィニー(合併前ランキング3位)とアーサー・ヤング(同6位)の合併とトーシュ・ロス(同7位)とデロイト・ハスキンズ・セルズ(同8位)の合併です。合併により、アーンス
【コンサル物語】誇り高きエリートの1980’s プライス・ウォーターハウス(中編)
1984年にデロイト・ハスキンズ・アンド・セルズ会計事務所(後のDeloitte)との合併案が立ち消えになったプライス・ウォーターハウス会計事務所(後のPWC)は、新たな戦略を模索する中で様々な決断をしていきました。その中には半世紀以上に渡る伝統を変革するものもあったようです。
プライス・ウォーターハウスは19世紀末にニューヨークで会計士業を開始して以来、半世紀以上に渡ってアメリカ会計士業界では
【コンサル物語】誇り高きエリートの1980’s プライス・ウォーターハウス(前編)
1980年代アメリカ。大手会計事務所8社(通称ビッグ・エイト)は、顧客であるアメリカ企業同士の合併・買収の波により大きな影響を受けていました。企業の再編は会計事務所が顧客と収入を失うことに繋がる場合があったからです。
今回は1980年代のプライス・ウォーターハウス社の歴史を紐解き、大合併時代を生き抜いた大手会計事務所の一例を見ていきたいと思います。
1890年、ロンドンに拠点を置くプライス・ウ
【コンサル物語】コンサルティングに頼る会計事務所(世界最大のシステムコンサルティング会社 アーサー・アンダーセンの場合)
1970年代アメリカ。Big8(ビッグエイト※)と呼ばれていた大手会計事務所は、本業である会計監査での収入が頭打ちとなる中、好調なコンサルティングサービスを拡大することで苦難を乗り越えようとしていました。
前回のプライス・ウォーターハウス(後のPWC)に続き、今回はアーサー・アンダーセン(2002年消滅。コンサルティング部門は後のアクセンチュア)について、当時のコンサルティングの歴史を見ていきた
【コンサル物語】コンサルティングに頼る会計事務所(プライス・ウォーターハウスの場合)
1970年代、アメリカの大手会計事務所は、企業の不正会計や業績不振に怒る投資家達により、多くの訴訟を起こされるようになりました。
いわゆるBig8(ビッグエイト※)と呼ばれていた会計事務所は、その屋台骨であった会計監査において、事業成長の頭打ち、訴訟、価格競争の三重苦に苦しめられていました。
当時のBig8はどこも会計監査、税務、コンサルティングを事業の3本柱にしていましたが、売上に占める割合