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斎藤惇夫 『冒険者たち ~ガンバと15ひきの仲間~』

児童文学。すばらしくおもしろかった! 

ただひとつ。
最後、XXがXXXしてXXXしたのは、いただけなかった。
ガンバがXXXするためにそうする必要があったんだろうけど…。
21世紀の子どもたちにこの展開はなじまないし、見せたくないなと思う。1972年刊行の本だから、当時のジェンダー観としてはしょうがないんだろうけどね。
(ネタバレ回避のため伏字にしてみました😆)

でも、だからといって避けるのはもったいない! 
文章もストーリーもディテールもすばらしく、ぜひ子どもたちに読んでほしい。
性別を問わず楽しめるはず。

個性豊かなネズミの仲間たちがぶつかりあいつつ協働し、勇気と知恵をふりしぼって強大で獰猛なイタチと対決していくまで。

1章1章にスリルやカタルシスがあり、どんどん引きこまれていく。
大人が読んでもかなり長い物語だけど、
その分、読みごたえがあり、読後の達成感も大きい!
あるていど活字を読み慣れている子なら夢中になって読破できるんじゃないかな。

ネズミたちが「名は体を表す」になってるのも面白いんだよね。
   ガンバ、マンプク、ヨイショ、ガクシャ…
あたりは子どもにもすぐわかると思うんだけど、
 イダテン、バレット、イカサマ、バスとテノール
あたりは、
何年かあととかに、別のきっかけで
「ああ、だからあの子は“イダテン”だったんだ、“バレット”だったんだ・・・」
とわかるんじゃないかな。

本や映画(や、今ならゲームとかもそうかな)って、
そうやって世界と重層的につながって味わうためのツールにもなるなと思う。


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