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私が泣いた時、彼は引いていた。


彼ともうすぐ付き合って一年。

彼の前で泣いたのは3回。

そのうち1回は嬉し涙で
あとの2回は自分や彼を理解できなくて流した涙だったと思う。

私は怒りや悲しみが言葉より先に涙となって出てくるタイプの人間だから、相手からしたら突然目の前の女が泣きだすのは心配より先に驚きや恐怖を感じることと思う。


私は泣いて、彼は引いている。
お互いに理解し合えていない。



ちょうど一昨日流した3回目の涙の理由。
時間が経って冷静になり、ようやく言葉にできる。そのレベルで私は言葉にいつも詰まる。

その日は在宅勤務をしていた。
まだ仕事が不慣れな私は平日は1〜2時間、残業する日が続いている。
先に帰宅した彼の目の前で私は残業しているのである。

残業すれば自分が成長できるのか?というと少し違う。
例えば、18時までに終わらせたい1日のタスクがあったとしてて、
今日は20時、その次の日は19時、18時、、、
と少しずつ早く終わらせることができるようになる、みたいな今は積み減らすための努力期間な気がしている。

テストのように「時間です、鉛筆を置きなさい。」と言われ強制的に答案用紙が回収されるなら、私はまだ50点すら取れないと思う。

ただ、自分がやりたいことだったり頑張りたいことなら、今はまだ時間内に100点は取れないけれど、ボーナスタイム(残業)を使ってでも100点まで持っていきたい。

というのが私の残業する理由。



彼が帰宅後、空腹を我慢して私の仕事が終わるのを待っている姿は一見、忠犬ハチ公のようにも見えたが、少しずつ少しずつ彼の声色にイライラが募っていく。

その時の私の答案用紙は、多分まだ60点。
うまくいかないことが続いていた。

自分なりに考えて提案してみても
上司や担当ブランドのガイドラインに弾かれる。
理解ができていない私が悪い、理解ができていない私が悪い...そんな呪文を唱え続けていると、いつしか、お客さんが喜ぶのはどれだ?ではなく、上司がOKを出すのはどれだ?と思考が傾き出す。

焦る気持ちと、加えて目の前で待っている彼。

私はボーナスタイムを使ったくせに、妥協した答案用紙を当てずっぽうで上司に送りつけた後、彼をなだめるように「ご飯食べよっか」とパソコンを閉じた。

その瞬間に涙が出た。

頑張りたかった。
できない自分を乗り越えたかった。
それをしない理由を彼を待たせてるから悪いで済ませたくなかった。

泣いてる私を見て、呆れ顔で見つめる彼がいた。

「なんで泣き出すの?理由がわからない」
『あなたが私を待っているせいで私は残業ができません』とでも言えばいいのか。
なんて気持ち悪い答えだろう。

とにかく辛くて涙が出てることには変わりない。
そんな時一番慰めてほしい人が目の前にいるのにドン引きしている。
その状況がまた泣けてくる。

だんだん彼の態度に私も引きはじめ、3回目の涙は、強制的に引っ込めてご飯と一緒にかき込んだ。

・・・

こんな風に涙の理由を今言葉にできたのは
食後にすぐペンを取り、感情をメモしたからだ。


「不毛な事聞くけど
泣いている理由がわからない、赤ちゃんが泣いていたら同じ態度を取る?」

『大人は言葉にできるでしょ。泣く前に話してくれたら驚かないよ』

「私は大人だけど、一緒にいたら突然泣き出すことは、この先もたくさんあるって伝えておくね。
今日は泣いてからのあなたの態度にもっと苦しくなって余計に涙が出た。
あなたには、後で必ず理由は伝える。
まずは「大丈夫だよ」って言ってほしい。慰めてくれるのがあなたなら安心して泣き止むことができると思う。」


うまく伝わったのかはわからない。

些細なことで、赤ちゃんみたいに突然泣き出してしまう私だけど、これから先、彼が理由で涙は流したくない。


トップの写真は

お互い初のコストコに大興奮して
動きがシンクロする2人。
普段からこのくらい息ぴったりいれたらな。

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