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四季の本

四季を一頁めくっただけなのに
いきなり木枯らしが吹いた
乱丁でもない
破りとられたわけでもない

きれいに装丁された2021年版の本
でも秋の章が短すぎないか
編集者が変わったのか
四季の編集が偏っている

しおりを挟んだ頁からは
北風が木々や
電線を切る音が聞こえて来る
億劫な早支度に身が縮む

翻弄される人間の浅はかさよ
空を見たか 水に触れたか
風の音を聴いたか
頁をめくるたびに心は発見をする


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