デザイナーが直面する課題をアウトカムで突破する!
こんにちは。株式会社セイルボートでUIデザインを担当している滝澤です。
今回はプロダクト開発でデザイナー(もしかしたらすべての関係者)が悩んでいる課題を突破できるヒントを公開しようと思います。
デザイナーの課題って?
普段の業務で出てくる色々なデザイナーの課題の中で、即解決できないモノがいくつかあると思います。以下に一例を紹介します。
プロダクト開発やプロモーション場面
ビジネス要求、商談要求を何も考えす優先してしまう
自社の方針や商談先の要求をそのまま真に受け、機能をすぐ設計することがあるかと思います。しかし、それら方針や要求はあくまでもひとつの判断軸であり、デザイナーとして軸のある判断基準を持たず設計するのは健全な開発状態ではないです。顧客要望でどれが優先度高いのか判断できない
プロダクトをリリースして順調に顧客が増えてくると、要望やクレームが一定量溜まってきます。そのリストを要望種別のタグ付で終わらせていませんか?顧客の利用継続に響く事項が何であるか、デザイナー自身で理解しチームメンバーを巻き込んでいく必要があります。MVP策定中に必要最低限機能の線引きができない
要件から機能へ落とす場面で、CJM要素やターゲットに関係しそうな要素に対して「高・中・低」の重要度を自身の感覚を頼りに判断していませんか?これが続くとチーム内外への説明で、共感されにくい状態になっていきます。
目標管理場面
KPIや売上目標への連結がしにくい
日々の業務がKPIや売上にどのくらい紐づいているのかわからないことが私自身も悩みでした。自分のアウトプットとKPIの間には意外に大きな溝があるのを実感しています。成果を伝えにくい、目標を立てにくい
開発者同様にデザイナーは目標や成果を上司へ、上司はその上司や周囲へ伝えるのが非常に困難です。特にデザイナーは開発者よりも人数は少ないため、上司が非デザイナーの場合や、セルフマネジメントしている場合が多いためさらに困難となります。情報を伝えるのが得意なデザイナーにとってはなんとかしたいことでもあります。
これら課題を突破するためにアウトカムを活用します。私自身このアウトカムを業務で応用したところ、非常に有効であると実感しています。
アウトカムとは?
では、そのアウトカムとは一体なんなのか?
最もしっくりきた説明は、庭屋さんの記事における次の表現でした。
アウトプットとアウトカムの違いも記載されているので、これまでデザイナーやエンジニアがアウトプット視点で活動してきたことに気付かされます。ここで、UIデザインワークの一部にザックリはめてみると、、、
インプット
顧客、プロダクト情報の把握
ex:顧客・ビジネス・システム要求を理解するアウトプット
新機能のUI設計
ex:情報設計、プロトタイプ、UIを設計するアウトカム
顧客が目標達成or理想状態に近づいた状態
ex:新機能を使えば10分→1分でやりたかったことが実現できる(すぐで
きる / たくさんできる)等
という形になると考えています。さらにインプット内でも細分化していくと、「情報把握(インプット)」→「情報整理(アウトプット)」→「自分or周囲の顧客理解向上(アウトカム)」にもなり、UXデザイナーならアウトプット部分は顧客体験設計に変わる感じです。このインプット→アウトプット→アウトカムの構造は、普段気づいていないいろいろな業務で回っているフレームだとわかります。
アウトカムで課題を突破
このアウトカムの視点をそれぞれの課題に当てはめてみましょう。
B2BのSaaSでよくありがちなことですが、皆さんは「〇〇できる(〇〇機能がある)と契約を獲得できる」「この機能は需要あるから入れて」など企画や営業の意向をそのまま最高優先度と認識していませんか?
開発側にアウトカム視点がある場合、開発工数見積意外の手段としてカウンターを打つことができます。「その機能本当に求めていますか?」「アウトカムから考えるとこっちの機能実現が優先度高くないですか?」と。
世の中の商品すべてに当てはまることですが、顧客からの無数のクレームや要望の中でどれが優先度が高いのか、アウトカム視点があれば一発でわかります。別の記事でアウトカムの見つけ方を書こうと思いますが、ひとまず言うと、顧客からの声は特定のアウトカムに属していて、そのアウトカム自体に顧客の優先度が存在します。つまり、アウトカムがわかっていれば顧客クレームや要望に対して優先度を自動的に明示することが可能になります。
「必要最低限機能」を口ではすぐ言えますが、実現するのに苦労している方は多いのではないでしょうか?その必要最低限ラインをメンバーが同じ理解度でいるとなるとかなり難しいです。ここでもアウトカム視点を使うとスッキリします。先ほど述べたようにアウトカムには優先順位が存在しています。そのため、優先度"高"のアウトカムに属する機能に絞れば簡単に必要最低限の機能を決めることができます。
アウトカムの視点に出会うまでは、KPIにつながるアウトプットがごく一部であり、うまく目標を設定したり成果を報告することが困難でした。アウトカムは顧客の変化に着目しているので、KPIに連結しやすいです。KPIをどう伸ばせば良いのかを考える場合にも、アウトカムが連結していればすぐ機能へつながるので、〇〇機能実現→KPI達成への説明がしやすくなります。
まとめ
ここまで開発業務や目標管理場面の課題で使えるアウトカムのメリットを書きました。デザイナーとしてどうプロダクトに貢献していくか、どう貢献できているかを明示する方法をこれまで試行錯誤してきましたが、このアウトカム視点のおかげで一定レベル明示できました。今回の記事はまだ漠然とした内容なのですが、次回は具体例を織り交ぜながらアウトカムの見つけ方を書こうと思います!フレームなのですべての商品に適用することができますので、是非皆さんも使っていただきたいと思います!
ではでは、また次回記事にてまたお会いいたしましょう!
以下参考書籍や記事を掲載します。
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顧客の背景や利用シーンを考慮し、提案・開発できる環境がセイルボートにはあります。デザイナー陣もかなり身近に居るので、いろいろな視点でプロダクトの開発ができると思います。
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