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【新刊】『怪異短歌集』が完成しました!

ウッヒョー!
新刊だあああああああ!

ということで、新刊が出来上がりました。

その名も『怪異短歌集』。

怪談を31音で楽しめる本作品、私はこれを二週間ほどで仕上げたのです。
これは完成に至るまでのお話。

私は突然「怪異短歌」をやろうと心に決めた。

八月、NHKで「ホラー短歌の世界へようこそ」という番組がやっていた。
2022年になり短歌に手を染めていた私は、
「なるほど、面白い」と思い検索をかけたが意外とそこまで大流行しているわけでもないと知った。
正直、放送されているものも出来がいいのと悪いのとがあった。
それは、実話怪談を元に短歌にしていた。

よーし、私もこのビックウェイブになりそうな波に乗ろう。

しかし、「ホラー」ではなんとなくしっくり来なかった。

そして、実話怪談を私が無許可で短歌にするのは、なんらかの法に触れる気がする。体験談というのは、著作権がない、とも言えない。そんな記事をその頃見たんだ。

では、私は「0から怪談を作り出さなければならない」。

九月の頭、私は怪異短歌を18首作り折本にしようと決めた。
それを九月二十五日の文学フリマ大阪で配布しよう。

そして、完成した。

18首書いた折本が。

良い……。

九月十四日の現代詩演習という短歌の授業で、先生に夏休み中に書いた短歌を全部提出した。これは義務ではなく、「書いたら持ってきてね〜」と目をかけていただいてたからだ。
その流れで、完成した「怪異短歌」も渡した。

すると、
「これいいね、これいいわ、うん、いいよ」

と大好評をいただいた。

次の日、ゼミの先生から「短歌の先生が呼んでるから研究室きて」とラインが入る。

何事か?

「先生がめっちゃ小柳さんのことを褒めてて、すぐにでも短歌賞に応募するための原稿作りたいから連絡してって」

???

研究室に行くと、短歌の先生とも仲の良い教授が現れ、
「絶賛されてるよ、怖い短歌めっちゃいいらしいね!」
と言われる。
手持ちにあった折本をその教授にも渡した。

「わ、こわ……、一番初めのすごいね」

めっちゃ評判がいい!嬉しい!と思う。
その先生は民俗学も専門としていたので、怪異についてもよく知っている人だった。

短歌の先生から
「怪異短歌を中心にして賞に応募するから」
と連絡が来る。

………

待てよ?賞に応募するっていうことは、文フリでこれを出すことは出来ないのではないか?

先生に聞くと「頒布はしないほうがいいね」と言われた。

なんと。

一から作り直しじゃないか!

私は作った短歌18首を文フリ頒布文として没にした。
よし、もう一度作ろう。

18首。

私はこの時ノリと勢いで生きていた。
多分、怪談というもの、怪異短歌というものに取り憑かれていたのだろう。

二日で18首作りあげ、編集をして印刷を出して、折本として作り上げた。
しかし!結局「怪異短歌」から賞の応募作品として使われたのは二つだけだった。
だから、この18首は必要なかった。

文学フリマ大阪当日、たくさんの人の評判を受けた。

そこで調子が出た私は、無駄になってしまった34首を生き返らせようと思い立つ。

本にしちゃおう!

するとフォロワーさんがこんなことを言う。

「和綴本で読みたい!」

和綴本……

何それ、最高じゃないか!

私は、怪異にまつわる授業を三年間受け続けている。
そのため、古典怪談といえば和綴の怪談本なんだ。

ワクワクした。

大学のオープンキャンパスで高校生に和綴本のレクチャーもしたことがある。
手作りでもいけるか。

印刷所を調べてみると何個か上がってきた。
高い……
高い……

二千円ぐらいで売らないと利益も出ない。

36ページ 100部 71000円

36ページ 50部 27000円

心が折れていく。部数を増やして安くしたい、でもそもそも見方が難しいものばかりだし、注文がわかりづらい。

そこで見つけたのがプリントオン様!

36ページ 200部 早割あり 60000円ほど

これはだいぶと安い!
そして、フェアで早く入稿しておくと特典がつく!
私は「ポストカード」と「献本プラス五冊」にする。

よーしこれでやろう、と本文ページ31ページに1ページ2首として62首作れば良いと考える。
すでに36首あるから26首作ればいいだけじゃん、簡単だ。

11月17日までに納品してもらうには、10月17日の昼までに入稿しなくてはならなかった。
9月の25日の文フリが終わってから作り始めた短歌たち。
編集作業に入れたのはギリギリの15日ぐらいだった。

必死で、一からPhotoshopで編集をする。
そもそも私はPhotoshopについて詳しくない。
マジで一から意味もわからずやっていく。

「もうやめようかな、1日ぐらい遅く立ってギリギリいけるよな」
「無理しんどいわからん」
「は??なんでならんの?」
「もういい……、直接文フリ会場に送ればいいじゃん」

弱音の数はとんでもない数になっていった。

しかし!
早割の安さを舐めてはいけない。

25%オフだよ

それに適応できるほうが圧倒的に安く読者に提供できる。

ここは踏ん張りどきだ。
泣きながら入稿したのは17日の10時半。

ちなみに入稿締め切りは12時だ。

ポストカードには頭を使わず、過去に作ったものをそのまま投げこんだ。

早割入稿のダメなところは、
届くまで一ヶ月かかるためドキドキがその間ずっと続くことだ。

そうして、実物が届いた。
大きい箱と小さな箱。

本は200部と予備分9冊、献本プラス5冊の計214部であった。
ポストカードも色がいい。200ともう少しある感じだった。

怪異短歌集の表紙は、濃い赤色にした。
そして、紐は藍色。遊び紙も同じく藍色。

か、かわいい!かっこいい!

心がときめいた。
和本のイデアみたいな見た目の本が私の本だった。

ちょっと残念なところは、表紙がペラっとした、テラッとした紙であったところだ。もっと和紙っぽくしたかった。
遊び紙は和紙的なざらっとした手触りの紙でそれがあるおかげで「いい本」感が倍増したからよかったものの、この光沢がある紙だと安っぽくも見えるなと残念に思う。次はもう少しいい紙に課金しよう。

この本の面白ポイントは、
文字のデカさです。

よ、読みやすい。

わろてまうぐらいデカい。
編集画面では小さくて読みづらいなと思っていたのだが、A5サイズではとても大きくなる。
小さいよりは大きいほうがいいとは思う。

でも、小さい文字ってオシャレって言われてるやん?
てことは、大きい文字はダサいん?

読みやすさが最も大事だと思っているので、私は満足だけど、
ちょっと面白いぐらい読みやすいので是非そこに注目してみてもらいたい。

そして、

字が奇妙な気持ちの悪さがある。

いい。

なんともいえないけど、気持ち悪いやらかさと線のつながり。

あえて選んだんだけど、どの字に設定したかも忘れていたから、
活字になったとき指でなぞりたくなるような気味の悪さを感じた。

たまんねぇ。


そして!

今日、別のポストカードを入稿しました。
元々は文学フリマ東京で無料配布として作ったのですが、あまりにも怖く、あまりにも趣味が悪いので「こんなの配られたら引くわ、逃げるわ」と判断し、
怪異短歌集の購入者特典にします!

マジで良い。
文フリではポストカードだけでも販売すると思いますので、よかったらこれだけでもぜひ。


さて、この本は、イベント初出しは先日記事にあげた茶吉庵様でのイベント「ちいさなちいさな文化祭」です。

古民家ならではの影の多い空間で、この本を開いたとしたら、きっと異界の扉の鍵は開くことでしょう。
そこにあなたは、恐怖を感じますか?
快感を感じますか?

そうは味わえない感覚を手に入れることができるでしょう。

その次は、文学フリマ東京です。
それについての記事は明日あげます!多分!


最後に、この本の楽しみ方を説明しておきます。

この怪異短歌は、読み手の中で膨らませて感じるものです。
描写だけしかない。
何も書いてないような短歌もあります。

代表はこれです。

何が恐怖かは、最後はあなたが決めるものなのです。

よかったらお好きな短歌をお教えください。
SNS等に数首あげていただくことをOKとしていますので、
私のIDと共に投稿してもらえたら嬉しいです。

BOOTHもやってます!
今は、ポストカードが届くまでは少し発送が遅れておりますが、必ず早く届けるので!

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