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「ファストコーラ」という概念を提唱しよう。

さて、前回の巡るクラフトコーラでは、2020年の現在地からクラフトコーラの定義を考えてきました。

そこでも書いたように、コカ・コーラをはじめとする俗に言うコーラよりも、実はクラフトコーラのほうが、コーラの原点にある作り方や思想を踏襲しています。

だから、本当は、わざわざ「クラフトコーラ」なんて言葉はつかわずに、「コーラ」という言葉で事足りるはずだったのではないか、と思います。

しかし、現状はそうなっていません。簡単に美味しくするために、大量生産のために、食品添加物をガシガシつかったコーラが、「コーラ」の意味合いの中心にいます。

ならば、提唱しましょう、「ファストコーラ」の概念を。

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〆———

1. 「ファスト / fast」とは

コカ・コーラをはじめとする俗にいう「コーラ」が「ファストコーラ」である、と定義する上で、まず「ファスト(fast)」の意味合いから探ります。

Cambridge Dictionaryによると、「fast」には「or able to move or happen quickly」と意味があります。

つまり、「速く動く・事を起こすことを可能にする」、ということ。

ふむふむ。もう少し意味合いを定めるために、「fast(ファスト)」をつかった日本語を探ります。

まず、ファストフードについて。いくつか引用します。
※ファーストフードとも呼ばれますが、より単語の読み方的に正しい「ファスト」で統一します

注文してからの待ち時間が少なく、また手早く食べられる
注文後の待ち時間が少ないこと、短時間調理などから、この名がついた。1900年代になってアメリカで発展し、日本をはじめ、世界中に広がりを見せた外食産業の分類のひとつである。
提供も早く、価格もリーズナブル
アメリカ人がより不健康な食事を取るようになったのは、"ファストフードが食べたい"という欲求のせいだけではない。
マクドナルドやバーガーキング、ケンタッキー・フライド・チキン(KFC)といったファストフード店…
ファストフードが健康に良くない理由はこれまで数々挙げられてきたが、また新たな問題が加わった。「PFAS」と呼ばれる化学物質が、人体に蓄積されている可能性がある。
ファストフードの包み紙容器400種類を調べた2017年の調査では、パンとデザートの包み紙の半分以上にPFASが含まれていることが判明

まとめると、

🤔すぐに食べられる状態にする、あるいは、安価に容易に美味しくすることを最優先にして、身体への悪影響は考慮に入れずに作られている食べ物

というところでしょう。まあ、なんとなく普段から抱いている意味合いとリンクしています。

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さて、お次はファストファッションについて。

安価季節ごとに捨てられるファストファッション
安価な製造、消費者の頻繁な購入サイクル寿命の短い衣料品は、毎年業界が生み出す9,200万トンの廃棄物の原因となっている

まとめると、

🤔安価で作れること、買えることを最優先に製造された、その場しのぎのアパレル製品

ということが読み取れます。ファストフードと同じ意味合いを受け継ぎつつ、頻繁な購入・廃棄サイクルというアパレル製品ならではの特長も加わっています。

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2. いわゆるコーラは、ファストそのものだ

ここで、俗にいう「コーラ」はどんな飲みものであるか考えてみます。代表的なコカ・コーラを題材に。

原材料:糖類(果糖ぶどう糖液糖、砂糖)/ 炭酸、カラメル色素、酸味料、香料、カフェイン

歴史から紐どくとわかるように、天然素材をつかっていた頃からいつしか、甘味や苦味、コク、酸味、香りを、安価に簡単に出すために、身体への影響を鑑みずに食品添加物に代替しているわけです。

いつでもどこでも手に入りますから、甘みや刺激が欲しい時に、あんなその場をしのげる存在もそうそういないですよね。とりあえず、これでしょ感。

天然素材をつかうと採れる時期や量に左右されて供給体制が不安定になりまますから、「消費者の頻繁な購入サイクル」を実現するためにも、食品添加物に頼っている状態です。

さらにいうと、天然の素材を使えばその生産者さんたちが少しでも潤いますが、食品添加物だけになるとそんなことはありません。どちらにも働き手はいるのでしょうが、より美しく、尊い、優しいモノを作っている人たちが潤わないのは、寂しいことです。

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つまり、コカ・コーラをはじめとする俗にいうコーラは、ファストなモノへと変化を遂げたのです。ファストの意味合いをかなり体現してしまっている、と言えるでしょう。

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3. ファストな存在が、絶対悪なわけではない

ここまでの書きっぷりから、僕自身コカ・コーラをはじめとする俗にいうコーラを嫌っているように感じますが、飲みものとしては大好きです。クラフトコーラに出会うまでは救いの存在でしたし、今もたまに飲んでいます。あくまで解釈の話です。

そう、別にファストコーラの存在を否定したいわけではないんです。

食品添加物の身体への悪影響がどれくらいあるのか、その生産体制や状況がどういう影響を働き手に与えているのか。そのあたりの真実の真実を突き止めているわけではありませんし。

正直、安価であること、いつでもどこでも手に入ること、それなのに美味しいこと。その価値は、小さくないと思います。

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僕なんかはクラフトコーラへのお財布の紐がガバガバになっていますが、「クラフトコーラは高いな」と感じる人が多いのも事実です。

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4.「クラフトコーラ」という言葉が不要になる日まで

ただ、コーラという飲みものの起源を辿ったときに、「コーラ」という意味合いを体現しているのは、今でいう「クラフトコーラ」なんです。

それが、寂しくもあり、悔しいんです。

でも、コカ・コーラが巨大な存在になって、コーラの言葉の中心に居座っている歴史と事実は変えられません。

むしろ、そのカウンターカルチャーとして際立たせるために、「クラフトコーラ」という言葉は必要なのかもしれませんね、今は。

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なので、僕の活動でも「クラフトコーラ」と言い続けていきます。

そして、「クラフトコーラ」という言葉が不要になるくらいまでに、喜んで「コーラとは何か」「クラフトコーラってこんな素敵な存在なんだよ」というのを、伝えていって行きたいと思います。



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