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XとYの染色体とSRY遺伝子、ジェンダーとは一体。

不思議すぎる染色体と遺伝子と“性別”

気になり過ぎてちょっと掘り下げ・・ヒトの性のデフォルトは女性・・X・Yの染色体の組み合わせでメス(女)・オス(男)が決まるが、XXがメス(女)・XYがオス(男)だと僕らは知っている。

でもそもそも、Y染色体があると何故オスなのかというと、Yの中に存在するSRY遺伝子というものがあるからだ。

つまりはメス(女)主体の世界にSRY遺伝子をもつY染色体が強制的に作り出した産物がオス(男)だということになる。そもそもX染色体の遺伝子の数は2,000を超えると言われ、対してY染色体は50ほどしかないと言われている。

しかし、Y染色体も元々はX染色体と同じ遺伝子の数があったとされるが、X染色体が温存され、Y染色体が消滅の方向に向かっているのかという根本の要因は未だ何もわかっていないが、今時点で言えることはどうも偶然そうなっただけで、X染色体がそうなっていた可能性もあると言われている。(遺伝子数から見てもX染色体の方が重要な遺伝子を多数抱えているのは頷けるが、それ以前に(相補的結合)二重螺旋構造により相同組み換え(修復システム)ができる状態。対してY染色体にはそれがない。そのことで非相同性末端結合という乱暴なものになり・・なぜ性染色体だけ対になっていないのかの詳細はよくわかっていないようだ。)

そうなると実はY染色体はある日を境に重要ではない染色体となったのだろうことは想像に容易(どんどん短くなっていることからも)だが、この辺りが今後Y染色体が1,000万年後くらいに消失してしまうという物事の発端である。

が、最近の研究で哺乳類の祖先種が生まれたのが約3億年前で我々が保有するXY染色体の原型ができたのが1.7億年前ぐらいといわれており、それ以前はXY染色体が性を決めていたわけではなかったと考えられている。ただ、じゃあ性をどうやって決めていたかという議論は全くわかってない。研究者によっては環境が決定要因とみる議論もあり、ただ推測に過ぎない。

ここにまたもう一つ面白い軸がある。それはXXとXYにおける優位性なのだが、遺伝子の数で言えば単純に前者は4,000超で後者は2,050超で前者に軍配が上がるように見えるが、そう単純ではなくXXはあくまでも同じものが2つと考えられ、対してXYのYはXと違う異なる50超の遺伝子を持っている染色体ゆえ、1本とは言えXを保有していると考えた時に相手がYであることがXXより優位ということも言える・・消えゆくとは言ったものの、Y染色体が修復不可能かといえばそれも現時点ではそうだと言えるが実際どうかは分からないという。

ここのところの研究で面白いことがわかってきた。

我が国の固有属の沖縄島・徳之島・奄美大島のみに生息するオキナワトゲネズミ(XX/XY型)、トクノシマトゲネズミ・アマミトゲネズミ(XO/XO型)の状況からしても後者2種はXYによる性別ではなくXのみによるメス(女)・オス(男)が成立しているという何とも不思議な話が。でもこの裏にはXとYからYが消失たとは言え、どうもXにYの重要な遺伝子は吸収され引き継いでいるのではないかとのこと。

前述のY染色体消滅はオーストラリアのグレーブス博士の説に基づいた予測だが今のままY染色体が短くなり続けるとも限らなければ修復されないとも、新たな進化を遂げるとも、今のところ何もわかっていない。

延々と疑問が浮かび、何万字書いたところで解決する問題でもないが、生命とは何とも摩訶不思議で理解など到底できないところに“存在”していて、痛快である。

ああ、そういえば染色体1本は2nm(髪の毛の1/4)で1.8mくらいでそれが二重螺旋構造をとって・・そんなのが30億セットくらいあって・・と話が切れることがないので、とりあえず“性別”なんて曖昧過ぎるのに高々全体の5%ほどわかったふりした人類が勝手に分けてることが根本間違いということにもなる話ってことで、とりあえず掘れば掘っただけクエスチョンマークが星の数ほど出てしまって困った問題ですね。


写真はぷらっと散歩の途中に見つけた峡谷とそこに架かる吊り橋。
普通に歩いてわたったのだが、まあ中々の揺れ様・・晴れ曇りの天気だから気持ちがいいけれど、これピーカンだったら肌黒焦げになる・・😅
川、木々、虫や鳥その他、いろんな音が混じり合って自然の音楽のように聴こえてくる。本当に心地良い場所です。
この辺り、車では勿論辿り着かないので行きたいと思った人は2時間ほど歩いて見つけてください。

峡谷
吊り橋
よく揺れます
立派な製材前の丸太

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