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埋もれがちな名曲を紹介 その6

初めて聴いたジプシー・キングスはちょっとした衝撃だった。

それまで歌謡曲やポップス、あるいは普通のロック系の洋楽を聞いてきた僕にとって、ほとんど初めて聴く彼らのスパニッシュ系というかフラメンコ系のギター曲はものすごく斬新に聴こえた。

それまでもブルースとロックのクロスオーバーや、ジャズ系のフュージョン曲というのは存在したが、フラメンコ系のラテン音楽とポップスの融合みたいな曲は彼等が初めてだったんじゃないだろうか?

確か、話題になった当時は、西洋音楽理論から外れた民族音楽を、現代的にアレンジして分かりやすく演奏するスタイルが、「ワールドミュージック」という呼び方で流行っていた時期で、ジプシーキングスはその中で人気No.1的な位置付けだった。

楽曲自体はカバー曲も多く、例えば「マイウェイ」みたいに世界的にヒットしたポップス系の曲をアレンジしたものもあったりするのだが、彼らの手にかかると、原曲とはまったく違うラテン系のワールドミュージックに変貌してしまうのだ。

グループ名を聞いてもピンとこないという人でも、CM曲に採用された「ボラーレ」とか、鬼平犯科帳のエンディングテーマ曲に使われた「Inspiration」とかで耳にしているという人も多いと思う。

名曲・名演奏が多いグループだが、その中で僕が今回、是非取り上げたいのは、シングルカットされず知名度も低い地味目なインストゥルメンタル曲の「Liberté」。

目を閉じてじっくり聴いていると、曲名の通り、精神が「自由」へ向かって飛翔していく様な錯覚を感じられるほど。

彼らのキャリアの中でも多分、一二を争う名曲(と僕が勝手に思っている)です。

ちなみに最初にバンド名を聞いたとき、密かに「殿様キングス」を想い浮かべてしまったことは内緒。


写真撮ったり、文章書いたりしてる人です。

最近、本も出しました。よかったらチェックしてみて下さい。


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