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支援者との別れ

春、別れと出会いの季節らしい。特に何かを卒業したり、転職したりする予定のない私には関係のないことだと思ってた。

今日、いつものように利用している福祉施設に行く。いつものようになんとなくあるスタッフの靴箱を見る。靴がない。どこかお出かけかなと、いつものように解釈。昼ごはん食べようと、イスに腰掛ける。そこから見える食事のまるバツのついたホワイトボード。そのスタッフの食事が今日も明日もバツになってる。インフルにでもなったのかな。
となりにいたスタッフに聞いてみた。ああ土曜日に退職するというアナウンスがあったんだ、今は有給休暇に入られてる。

私の身体にはかなりの衝撃、心もゆらゆら、もう涙溢れてきて、せっかくのハンバーグがまったく味がしない。

3年前の2月、病院の支援者に付き添われてここにきた。まだ20歳で、大学もう一度受験しますって参考書握ってて、施設利用に前向きではなかった私に、ここで勉強してもいいよ、私も英語勉強中やから、教え合おうって言ってくれた人。

言葉にする、言葉にするために思考を整理することを手伝ってくれた人。私の殴り書きのメモを読んでくれる人。唯一見せることができた人。私のニッチな趣味の話を聞いてくれる人。映画や本の私の独特な感想を最後まで聞いてくれる人。新しい知見を教えてくれる人。私の地域での生活を応援してきてくれた人。ずっと近くで支えてくれた人。私の成長を喜んでくれた人。

これからどうしよう。4月から始まる実習が不安で、でも施設に帰れば話を聞いてもらえると自分に言い聞かせてきた、あれどうしよ。

ミーティングでまた泣いて、仲間やスタッフに話聞いてもらって泣いて、夕食当番でカルボナーラ作りながら心で泣いて、夜のミーティングでも悲しみと不安を話して。

「回復するにつれて、支援者は少なくなる、回復してきた、成長してきたからちょうどそういうタイミングだったんだよ」

「そのスタッフ以外にも☆を応援してくれている人はたくさんいるということに目を向けられるといいね」

「次はまた新しい出会いがある」

「スタッフにもその人の人生がある。今まで応援してもらっていたように応援できるといいね」

みんなにいっぱい声をかけてもらって、分かる。頭では分かる。独り立ちしていく時期、人を頼る練習をしていく時期、良い機会を与えてもらった。私も前に進む時期、もう十分甘えたし、大人になる時期。実習の不安は学校の先生や実習先の方に相談するもの、できるようにならないと。


でも、でもやっぱりまだまだ子どもでいたい、支援を受けたい。利用者でいたい。寂しい。不安。

今はいっぱい悲しんで、寂しいって言って、またそのあと前に進みだす。できるかな。今はひとりじゃないし話を聞いてくれる人がたくさんいる。ありがたいこと。近くにいてくれる人を時に頼って、感謝して、やっぱり前に進む、進みたい。

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