見出し画像

知っているようで知らない「スターアニス」の世界|#97-99

カレーより中華料理に使われるイメージが強いの「スターアニス」。
知っているようで知らないスターアニスの自由研究結果を発表します。


植物研究結果

\音声を聴きながらお楽しみください/

スターアニスとは、「トウシキミ」という植物の果実を未熟なまま乾燥させたもの

・名称
和名: 八角、八角茴香、ハッカク、スターアニス、大茴香(ダイウイキョウ)
英名: Star Anise、Chinese Pepper

・学名
「illicium verum」 (イリチウム ヴェルム)

・属性
マツブサ科シキミ属
現在はマツブサ科シキミ属に分類されるのが主流らしいが、以前はシキミ属単体でシキミ科とされていたそうで、現時点でも「シキミ科」と書かれていることがある。
さらに前は「モクレン科」に分類されていたこともあるようですが、花粉の形が違う等の理由で独立して「マツブサ科」になったようです。
※分類変更もけっこう最近らしく、現状でも色々な主張が入り混じっている模様。

・原産地
中国:特に南部、ベトナムとの国境ら辺の亜熱帯地域と言われている。
野生種というか自生もしているものの、かなり昔から栽培されているが故に、原産地を特定するのが難しい
らしい。

・生育環境
常緑高木:一年中葉を落とさない、10mとか高いと20mとかまで育つ樹木
発芽温度:25℃が理想
生育:1mになるまでが大変。発芽から花が咲くようになるまで5年。その後は100年以上の収穫が可能。
花:つぼみは赤(ピンク)っぽい→だんだん赤紫→白い花が咲く(2~3cm)→黄緑の実→中から茶色っぽい種が顔をのぞかせる→黄緑の部分も茶色くなってお馴染みの見た目になる

※いつも、情報検索で使わせてもらっている「マルシェ青空」という通販サイトに「栽培難度は最も難しいLevel 5なので、初心者は注文しないでください。」って書いてあるほど、栽培は難しい模様。

・花言葉
illicium「誘惑する」verum「本物」

・香り/成分
アネトール:アニスとかフェンネルにも共通するあの甘い香り(スターアニスの精油成分のうち8割以上がアネトール)
エストラゴール(メチルカビコール):バジルの香りの主成分
シネオール:ローリエの香りの主成分
リモネン:柑橘系の香り(レモン)
ピネン:木の香り(松)


歴史研究

16世紀後半のヨーロッパでは、大航海時代の影響でアニスが広く使われていたが、5人目の世界一周達成者の「トーマス・キャベンディッシュ」が旅の途中でスターアニスを発見し、それをヨーロッパに広めた。

Thomas Cavendish (1560-92)

キャベンディッシュは海賊船を改造し、スペイン船を襲って世界一周をした際に奪った財宝の中に偶然スターアニスがあり、彼の航海は、スターアニスがヨーロッパに普及するきっかけとなった。

スターアニスはイギリスから紅茶の販売ルートを通じてドイツやロシアに広がり、またアメリカへの移民によって新大陸にも広まることになる。

\もっと詳しいディテールは音声の方が楽!/


料理例

・フランスでは、洋ナシとスターアニスのタルトタタンがある。
・スペインでは、豚肉のオレンジ煮込み(必ずスターアニス)
・ホットワイン
・ベトナムでは、フォー。各国の中華系移民料理には、スターアニスが登場する。

スターアニスを使ったカレー
・北インドのニハリ
・西インドのポークビンダルー
・南インドのタミルナード州のチェティナード料理、ケーララ州のチキンカレー、カルナータカ州の山間部のチキンカレー、ビリヤニマサラ、ムンバイのサンドウィッチマサラ



経済学

貿易のトレーディングサイトを見て輸出、輸入、生産国を調べていたんだけど、どうもおかしい。
最初はまたいつもみたいに、2022年データと2023年データが出揃っていない国があるから実態が合わないのだろうと思っていたが、どうやらデータ上は「アニスシード」と「スターアニス」を一緒に扱ってるっぽいのだ。
それどころから、キャラウェイ、フェンネル、ジェニパーベリーまで同じ扱いにしていた。
他の貿易プラットフォームを調べてみても、同じような結果で、アニスシードとスターアニスが同じになってるっぽい。

・もしかすると、料理分類じゃなくて、香料の分類でわけると一緒だから?
・成分類が一緒だから。製薬に使われたりする。
・アニスシードとスターアニス(badian)の二分類は国や文化によって分け方が違うから一緒にしてる説

とかとかが、ありました。この辺ご存知の方がいらしたらスターアニスの真実として教えてくれー、と思います。

ということで、今回は信憑性ありそうってところまでご紹介します。

傾向としては完全に中国とベトナムの市場。スターアニスの生産はこの二国。一部では二国で生産の80〜90%って話もあるくらい。

スターアニス輸出国
1位 ベトナム 
2位 中国 
3位 インド 
4位 エジプト 
5位 アフガニスタン

スターアニス輸入国
1位 インド 
2位 ドイツ 
3位 ベトナム 
4位 アメリカ 
5位 中国


スターアニスの生産が伸びている?

1、医療面。炎症を抑える特性が成長を牽引している。
研究により、スターアニスには炎症を抑える特性があり、健康増進と疾病予防に貢献することが示されている。慢性炎症は糖尿病、肥満、心臓病などの疾患と関連しており、スターアニスは健康志向の消費者にとって魅力的な選択肢となっている。様々なヘルスケア用途におけるポジティブな臨床結果は、市場の成長をさらに後押しすると予想される。あとコスメもいい。

2、ヴィーガン
スパイス料理志向の人気が高まっている。ヴィーガンの消費者の間で、ヴィーガンでない食品を模倣したフレーバーに対する需要の高まりが、スパイスカテゴリーの需要を牽引している。

【クイズ】

Q.
北マケドニアの首都スコピエからは、歴史上で有名なある女性が誕生しました。それは誰でしょう?

A.
答えは、\ ↓ podcast #99 で発表中/



Podcast「カレー三兄弟のもぐもぐ自由研究」

食べて、作って、スパイスを深掘る圧倒的わくわくカレー番組。
ハートはホットに、伝え方はマイルドに。インド人が手食できるくらいの温度で配信中。

⏰ 毎週水曜日 5:00〜 最新エピソード配信中


[出演者]
長男(左)|南場四呂右
次男(中)|福岡裕介
三男(右)|竹中直己(タケナカリー)

[提供]CHANCE THE CURRY


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?