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夏休み明け

 夏休みが終わった。夏休みが明けた。九月が始まる。新学期になる。夏休みの宿題を片手に登校。学校に到着。教室に入る。感じる。夏休みに入る前と何かが違う。小さくて大きな違和感。違和感は無視出来るのに気になる。違和感の正体を探り当てる。あっさりと違和感の正体を発見。夏休みに入る前にはあった居場所が消える。勉強机はある。個人用のロッカーもある。物理的にはあるのに居場所がない。かつての居場所にはもう別の同級生の居場所。四月の新学年になってから苦労して手に入れた居場所。空気を読み流行を追い手に入れた居場所。興味がないことでも興味があるように装い手に入れた居場所。本来の性格と本音を隠し理想の性格と建前を演じて手に入れた居場所。他に居場所を探すが時既に遅し。
 諦め一人で日光が当たらない教室の片隅にポツンと着席。小説を読む演技をし静かに泣く。心の中で疑問を吐き出した。「私の居場所は何処ですか?」

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